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第1章 異世界転生編
3話 これから、町に入ります
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バヤンガ町に向かっている道中、俺は改めてアマロさんから元々護衛として雇っていた冒険者たちのことを聞かせてもらっていた。
「いつも冒険者ギルドに護衛の依頼を申請して、高ランクの冒険者たちを護衛として雇っていたのですよ。街道沿いは安全と言われているのですが、先程のようなこともありますし」
どうやら、この世界にはゲームなどでお馴染みの"冒険者ギルド"というものが存在するらしい。その、冒険者ギルドの主な依頼内容は人物の護衛、薬草採取、魔物狩りの3つらしい。その他にも稀にペット探しや不倫調査など生々しい依頼もあるそうだ。そして、依頼を無事に達成すれば依頼内容に見合う報酬が支払われ、依頼を失敗してしまうと違約金を支払う羽目になってしまうらしい。
「しかし、今回は偶然なのか高ランクの冒険者は他の依頼に全員が出払っており、冒険者ギルドに居た冒険者たちは、低ランクの冒険者たちしか居なかったのですよ・・・」
どうやら、アマロの話によると今回は偶然なのか不運なのか冒険者ギルドには高ランクの冒険者はおらず、低ランクの冒険者たちを雇うしかなかったようだ。でも、何故アマロさんは低ランクの冒険者だと知って護衛として雇ったのだろうか・・・?。
「何故、アマロさんは低ランクの冒険者だと知って護衛として雇ったのですか?」
「実は、今回護衛として雇った3人の冒険者たちはそれぞれ【剣術】【魔法】【身体強化】のスキルを持っていたため護衛として雇ったのですが・・・。大失敗に終わってしまいましたね・・・」
「なるほど、それで護衛として雇ったということですか」
アマロさんが低ランクの冒険者たちを護衛として雇った理由は、3人の冒険者たちがそれぞれ【剣術】【魔法】【身体強化】のスキルを持っていたかららしい。
そんなことを話しながら歩いていると、俺とアマロさんは魔物の襲撃に合うことも無く、無事にバヤンガ町の城門に辿り着くことができた。城門の前には、40代ぐらいのおじさんと20代ぐらいの若い衛兵が2人立っていた。恐らく、変な輩が町に侵入しないように城門の前で見張っている日本で言う警備員のようなものだろう。
「あれ?アマロさん、お早いお帰りで」
アマロさんが、衛兵の横を通り過ぎて町内に入って行こうとした時、衛兵のおじさんにアマロさんが話し掛けられた。話し掛けられた、アマロさんは流石に無視することはできず衛兵の横で足を止めた。
「いえ、実は、先程ベアー・コングに襲われてしまい商品が全て駄目になってしまい戻って来たんですよ」
「なるほど、それは大変でしたね。ところで隣に居る方は?」
「彼は、ハルト君と言い、ベアー・コングに襲われていたところを救ってくださった私の命の恩人です」
「ど・・・どうも、ハルトです。今までは町や村を転々と周りながら旅人をやってました」
俺は衛兵のおじさんに名前を名乗った後、本当にベアー・コングを討伐した証拠を見せる為に、アマロさんの荷馬車と一緒にアイテムボックスの中に収納しておいたベアー・コングの生首を衛兵のおじさんの前に出した。
「確かに、これは、ベアー・コングだな」
衛兵のおじさんはベアー・コングの生首に対して驚いているか、発している声はどこか震えているようだった。
「だがしかし、旅人がベアー・コングを討伐することは可能なんだろうか・・・?」
やはり、アマロさん同様この衛兵のおじさんも俺が"旅人"ということにどこか引っ掛かっているようだ。
もう1人の若い衛兵の人も「本当に旅人なのか・・・?」と小声で呟いていた。
「・・・・・・んー、まぁ、この世の中は広いからな。ベアー・コングを討伐できる旅人がいてもおかしくないかもしれないな」
衛兵のおじさんは考えることは諦めたのか、そう結論づけた。そして、1度咳払いをし再びアマロさんの方に向き直り言った。
「ところで、アマロさんは護衛の冒険者は雇っていなかったのですか?普通は護衛を雇うものだと思いますが・・・」
「いえ、冒険者ギルドから3人ほど護衛として雇いましたよ」
「では、その冒険者たちは今どこに?」
「それが、ベアー・コングに襲撃された際に、逃げ出してしまい、残念ながら私にもそこからの動向は分からないのです」
衛兵のおじさんが、アマロさんに"護衛の冒険者は雇わなかったのか?"と尋ねた。アマロさんは、素直に衛兵のおじさんに3人の冒険者を雇ったことを話した。
アマロさんがの自分を見捨てて逃げ出した冒険者たちの話しを聞いていた衛兵のおじさんの表情はどこか険しい表情に変わっていた。
「アマロさん、その3人の名前は分かりますか?」
「確か、ミヤ、ハマ、ナベと言う名前でした。それぞれ、【剣術】【魔法】【身体強化】のスキルも持っていましたね」
「なるほど、分かりました。こちらから、冒険者ギルドに話しを通し、その3人を指名手配しますね」
「はい、お願いします」
「・・・・・・えっ、指名手配!?」
衛兵のおじさんの口から飛び出た"指名手配"と言う言葉に俺は思わず大声を出してしまった。
「うん?どうしましたか、ハルトくん。いきなり大声を出して?」
「えっ・・・いや・・・、なぜ指名手配を?」
「この国では、人命に関わる依頼を勝手に放棄するのは犯罪になるんだ、君を気を付けろよ」
「な・・・なるほど。肝に銘じときます」
どうやら、この国では人命に関わる依頼を勝手に放棄するのは犯罪となってしまうらしい。確かに、アマロさんだって俺が助けるのがあと1歩遅れていたら命を落としていた可能性もあるしな。当然と言えば当然か。
「では、その3名が見つかり次第改めてご連絡しますね」
「はい、お願いします」
衛兵のおじさんがアマロさんにそう言った後、俺はアマロさんに続いてバヤンガ町に入って行った。
「いつも冒険者ギルドに護衛の依頼を申請して、高ランクの冒険者たちを護衛として雇っていたのですよ。街道沿いは安全と言われているのですが、先程のようなこともありますし」
どうやら、この世界にはゲームなどでお馴染みの"冒険者ギルド"というものが存在するらしい。その、冒険者ギルドの主な依頼内容は人物の護衛、薬草採取、魔物狩りの3つらしい。その他にも稀にペット探しや不倫調査など生々しい依頼もあるそうだ。そして、依頼を無事に達成すれば依頼内容に見合う報酬が支払われ、依頼を失敗してしまうと違約金を支払う羽目になってしまうらしい。
「しかし、今回は偶然なのか高ランクの冒険者は他の依頼に全員が出払っており、冒険者ギルドに居た冒険者たちは、低ランクの冒険者たちしか居なかったのですよ・・・」
どうやら、アマロの話によると今回は偶然なのか不運なのか冒険者ギルドには高ランクの冒険者はおらず、低ランクの冒険者たちを雇うしかなかったようだ。でも、何故アマロさんは低ランクの冒険者だと知って護衛として雇ったのだろうか・・・?。
「何故、アマロさんは低ランクの冒険者だと知って護衛として雇ったのですか?」
「実は、今回護衛として雇った3人の冒険者たちはそれぞれ【剣術】【魔法】【身体強化】のスキルを持っていたため護衛として雇ったのですが・・・。大失敗に終わってしまいましたね・・・」
「なるほど、それで護衛として雇ったということですか」
アマロさんが低ランクの冒険者たちを護衛として雇った理由は、3人の冒険者たちがそれぞれ【剣術】【魔法】【身体強化】のスキルを持っていたかららしい。
そんなことを話しながら歩いていると、俺とアマロさんは魔物の襲撃に合うことも無く、無事にバヤンガ町の城門に辿り着くことができた。城門の前には、40代ぐらいのおじさんと20代ぐらいの若い衛兵が2人立っていた。恐らく、変な輩が町に侵入しないように城門の前で見張っている日本で言う警備員のようなものだろう。
「あれ?アマロさん、お早いお帰りで」
アマロさんが、衛兵の横を通り過ぎて町内に入って行こうとした時、衛兵のおじさんにアマロさんが話し掛けられた。話し掛けられた、アマロさんは流石に無視することはできず衛兵の横で足を止めた。
「いえ、実は、先程ベアー・コングに襲われてしまい商品が全て駄目になってしまい戻って来たんですよ」
「なるほど、それは大変でしたね。ところで隣に居る方は?」
「彼は、ハルト君と言い、ベアー・コングに襲われていたところを救ってくださった私の命の恩人です」
「ど・・・どうも、ハルトです。今までは町や村を転々と周りながら旅人をやってました」
俺は衛兵のおじさんに名前を名乗った後、本当にベアー・コングを討伐した証拠を見せる為に、アマロさんの荷馬車と一緒にアイテムボックスの中に収納しておいたベアー・コングの生首を衛兵のおじさんの前に出した。
「確かに、これは、ベアー・コングだな」
衛兵のおじさんはベアー・コングの生首に対して驚いているか、発している声はどこか震えているようだった。
「だがしかし、旅人がベアー・コングを討伐することは可能なんだろうか・・・?」
やはり、アマロさん同様この衛兵のおじさんも俺が"旅人"ということにどこか引っ掛かっているようだ。
もう1人の若い衛兵の人も「本当に旅人なのか・・・?」と小声で呟いていた。
「・・・・・・んー、まぁ、この世の中は広いからな。ベアー・コングを討伐できる旅人がいてもおかしくないかもしれないな」
衛兵のおじさんは考えることは諦めたのか、そう結論づけた。そして、1度咳払いをし再びアマロさんの方に向き直り言った。
「ところで、アマロさんは護衛の冒険者は雇っていなかったのですか?普通は護衛を雇うものだと思いますが・・・」
「いえ、冒険者ギルドから3人ほど護衛として雇いましたよ」
「では、その冒険者たちは今どこに?」
「それが、ベアー・コングに襲撃された際に、逃げ出してしまい、残念ながら私にもそこからの動向は分からないのです」
衛兵のおじさんが、アマロさんに"護衛の冒険者は雇わなかったのか?"と尋ねた。アマロさんは、素直に衛兵のおじさんに3人の冒険者を雇ったことを話した。
アマロさんがの自分を見捨てて逃げ出した冒険者たちの話しを聞いていた衛兵のおじさんの表情はどこか険しい表情に変わっていた。
「アマロさん、その3人の名前は分かりますか?」
「確か、ミヤ、ハマ、ナベと言う名前でした。それぞれ、【剣術】【魔法】【身体強化】のスキルも持っていましたね」
「なるほど、分かりました。こちらから、冒険者ギルドに話しを通し、その3人を指名手配しますね」
「はい、お願いします」
「・・・・・・えっ、指名手配!?」
衛兵のおじさんの口から飛び出た"指名手配"と言う言葉に俺は思わず大声を出してしまった。
「うん?どうしましたか、ハルトくん。いきなり大声を出して?」
「えっ・・・いや・・・、なぜ指名手配を?」
「この国では、人命に関わる依頼を勝手に放棄するのは犯罪になるんだ、君を気を付けろよ」
「な・・・なるほど。肝に銘じときます」
どうやら、この国では人命に関わる依頼を勝手に放棄するのは犯罪となってしまうらしい。確かに、アマロさんだって俺が助けるのがあと1歩遅れていたら命を落としていた可能性もあるしな。当然と言えば当然か。
「では、その3名が見つかり次第改めてご連絡しますね」
「はい、お願いします」
衛兵のおじさんがアマロさんにそう言った後、俺はアマロさんに続いてバヤンガ町に入って行った。
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