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「それに、何人か噂になっている男性がいたわよね?あの人達はただの友人なの?あなたの周りって男性ばかりだったけど、そこもどうなの?」
「私も見たよ。タンジェリンと一緒だったね。インギニ侯爵令息、
君なら知っているよね?タンジェリンがどのような末路になったのか。そして、そのタンジェリンと最後に一緒にいたのが、お前だったなゴミ女」
「タンジェリン様、と言えば女性問題がかなり派手でしたよね」
「ええ、その通りですわデアーヌ様。それも、ご自分よりも格下の女性にばかり手を出されていて、飽きたら捨てる、と聞くだけで吐き気を覚える下品な方でしたわ。あらそういえば、それを手伝っていた女性がいたと噂がありましたわ。私が聞いている容貌にとても似ていますわ。もしかして貴方がそうですの?」
ランレイの蔑むような言葉と表情に、さすがに驚いた。
「ち、違うわ!!あの女達は自分で紹介して欲しいと言ったから、タンジェリン様に紹介したのよ!捨てられたのは私のせいじゃないわ!!」
「認めましたか。本当に貴方は下衆の極みですね。その中には騙されて無理やり迫られた、と言う嘆願書も少なからず来てました」
汚いものを見るようにシャイ様が言うと、しまった、という顔をしたがもう遅い。
「呆れた、そんな事もしていたの?」
本当に呆れたわ。
「違うわ!私はお願いされたからやっただけよ!無理やりでは無いわ!普通、お茶を飲むだけなんて有り得ないでしょう!」
「そんな事ないわ。私なら、素直にお茶だけだと思うわ」
私の言葉にアトラスとランレイがうんうんと頷いてくれた。
「ルミナは、素直だからね」
「お義姉様だからですわ。良かったですわ。お兄様が側にいてスレないかと心配でしたが、変わりませんわね」
「当然だろ。ルミナの良さを消してしまう事はしないよ」
「それはどうかしら?お兄様の裏表をご存知では無いでしょう?」
「お前に言われたくないな」
ちょっと黙ってて、話がそれそうでしょ!?
2人を睨むと、楽しそうに微笑み頷いてくれたから、顔をアムルに戻した。
「アムル、あなた裏で何をしているの?私が嫌いで、私から婚約者を奪ったのにも驚きなのに、そんな非道な事をしているなんてもっと驚きだわ」
「違うわ!上級貴族と知り合いたいと相談を受けたから、紹介しただけよ!!」
「最低な男だと知っていながら、紹介したのね。あ、そうか。相談ねぇ。アムルは相談を受けるの得意だったわね。グロッサムから私の事を相談受けていたと言ったわね。相談を受けている間にグロッサムと愛し合う関係になったのよね。その割には他にも色々な男性がいたわよね。ねえ、もしかして、ただ、男好きなだけなの?だから、見境なく色々な男性があなたに声をかけてきてたのね。いや、違うな。あなたが見境いなく声をかけたから、それに応えてくれたんだよね?ああ、ごめんなさいね、私の妄想が激しいから、そんな事考えたけど、違うわよね?」
ふふっ、笑いながら、ふい、とジック様を見た。
すると、慌てて汚いものを払うかのようにアムルの手を払った。
「申し訳ありません。挨拶の途中でしたね。でも、挨拶をする前に確認したいのです。先程アムルと婚約を考えていると仰いましたが、私の中では、アーヴ伯爵家の子息、つまり、私の元婚約者のグロッサムと婚約すると思っていました。だってわざわざ私の婚約者だと知ってて寝とったのですもの」
しつこいくらいに言い、ジック様とアムルを交互に見据えた。
「ああ成程ね。そんなアムルの奔放さに惹かれたのですね。本当にお心が広い方なのですね。そうでなければ、ここまで色々膿が出てきた女性を選ぶ事などできませんわ」
「待って下さい!!そんな低俗な女だとは知らなかったんだ!!」
「まあ!!それでは騙されていたのですね!!可哀想に!!」
ちょっと大袈裟な言い方だったようで、アトラス達の笑いを我慢する吐息が聞こえたがあえて聞かないふりをした。
「なるほどね。私の婚約者を奪うくらいですものね。ジック殿を騙すなんて簡単でしょうねぇ」
「違うわ!!待ってよ!!私は1度もグロッサムと婚約する、と言っていないわ!!私は、このジック様だけしか考えていないわ!!」
やっと口を開いたらその答え?でも、答えにしては足りないわよ。
「言われてみれば、そうね。グロッサムと婚約する、とは聞いていなかったわ。ごめんなさい勘違いだったわね。訂正するわ」
「訂正・・・?」
そこに気付いた?
私は本気で2人の事を上手くいくように望んでいたけど、婚約者になる、とアムルが一言も言っていなかったのは気付いていたわよ。
でも、グロッサムは婚約する事を望んでいたようだから、ある意味期待を裏切らなかったわね、アムル。
「私に対する嫌がらせのために、婚約者を寝取った、が正しい答えね」
「違うわ!少し甘えたら勝手に勘違いしてきたのよ!寝とったと言うけれど、襲ってきたのはあっちよ。それに1度寝たぐらいで私が手に入る訳ないでしょ!」
素直に答えを必死に言ったが、直ぐにはっ、とし、ジック様を慌てて見た。
ありがとう。まんまと嵌って、寝た、と認めてくれたわね。
「ちが、います。私が好きなのはジック様だけです。本当です!」
「触るな!」
腕を触ろうとしたが、一喝された。
「グロッサムがね、アムルがあんなに男好きだったとは知らなかった、と私に言ってきたわ。男から言われるなんて、はしたないわよ。もう一つ言っていたわ、あなたに騙された、とね」
「違うわ!!嘘よ!!」
もう何に対して嘘なのか、わからない。
「嘘、ですって。アトラス、私、さっきから嘘つきと言われているわ。でもねえアムル、気付いているでしょう?カーヴァン公爵家の紋章が入ったこの服を着ている時点で私はカーヴァン公爵家と共にあるのよ。つまり、あなたはカーヴァン公爵家を嘘つき呼ばわりしているのと同じことよ」
流れは作った。
アトラス、この後はお願いするわ。
「聞き捨てならないね。私の大事なルミナを嘘つき呼ばわりするとは心外だ。ルミナは何一つ嘘などついていない。私が証人だ。何故って、君たち2人がルミナに酷い事をしたあの日から、私はずっと側にいて慰めてきたし、幼い頃からずっと側にいた」
流石だ。冷たい言葉にその顔は怖いよ。
現にアムルは私の時より、恐怖の顔になっていた。
けれど、アムルと違い、全てが真実であり、言葉に真摯な思いが詰め込まれた分重さがあり、アトラスがどれだけ私を想っているのか胸に響いた。
「・・・まさか・・・幼なじみ・・・とは・・・あなた様?」
蒼白な顔色で切れ切れの言葉を吐いた。
「そうだよ。君たちが婚約解消を突きつけたあの時から、ずっと側にいて、そして、ずっとルミナの事を知っているよ。プリライ伯爵家からのオルフェ家への嫌がらせもね」
「・・・!!」
「・・・アトラス・・・?」
引き攣るアムルの顔も気になったが、最後の言葉に引っかかった。
「ずっとオルフェ家にプリライ家から、仕事にそして、社交界に関しての嫌がらせをしてきたね。ゴミ女、君が父に頼んだ事だろう。陰険で恥ずべき行為だ。勿論レイラ男爵家にも同じ事をしたよね。残念だね。伯爵様は仕事に関しては素晴らしい方なのに、お前が潰したんだ」
やっぱり嫌がらせをしてきていたか。
アトラスが知っているということは、おじ様と守ってくれていたのだろう。いや、もしかしたら私だけが知らなかったのかもしれない。
お父様達が気づかない筈がない。
「・・・ま・・・さ・・・か・・・。だってカーヴァン公爵家が」
「酷いわ、アムル!そんなことするなんて!!」
もしかしたら、と思っていたいたけれど、まさか本当にやっていたなんて許されるべきではない。
「・・・っ!!」
ベタリと座り込んだ。
「何処まで卑怯なの!!何処まで自分勝手なの!!アトラスがいなかったら、私の家はあなたの気分で潰されていたのよ!!そんな事許されるべきではないわ!!クリスにも同じ事をして、あんなに苦しめて、本当に最低よ!!」
「ルミナ」
アトラスがそっと声をかけ、そっと肩に手を置く。
そして、私の頬を拭いた。
いつも間にか泣いていた。
すっと、私の前にアトラスが立ってくれ、ランレイが涙を綺麗に吹いてくれた。
「ルミナはどうしたい?」
アトラスが優しく聞いてきた。
私?
アムルをどうしたい?
そんなの決まってる。
「私も見たよ。タンジェリンと一緒だったね。インギニ侯爵令息、
君なら知っているよね?タンジェリンがどのような末路になったのか。そして、そのタンジェリンと最後に一緒にいたのが、お前だったなゴミ女」
「タンジェリン様、と言えば女性問題がかなり派手でしたよね」
「ええ、その通りですわデアーヌ様。それも、ご自分よりも格下の女性にばかり手を出されていて、飽きたら捨てる、と聞くだけで吐き気を覚える下品な方でしたわ。あらそういえば、それを手伝っていた女性がいたと噂がありましたわ。私が聞いている容貌にとても似ていますわ。もしかして貴方がそうですの?」
ランレイの蔑むような言葉と表情に、さすがに驚いた。
「ち、違うわ!!あの女達は自分で紹介して欲しいと言ったから、タンジェリン様に紹介したのよ!捨てられたのは私のせいじゃないわ!!」
「認めましたか。本当に貴方は下衆の極みですね。その中には騙されて無理やり迫られた、と言う嘆願書も少なからず来てました」
汚いものを見るようにシャイ様が言うと、しまった、という顔をしたがもう遅い。
「呆れた、そんな事もしていたの?」
本当に呆れたわ。
「違うわ!私はお願いされたからやっただけよ!無理やりでは無いわ!普通、お茶を飲むだけなんて有り得ないでしょう!」
「そんな事ないわ。私なら、素直にお茶だけだと思うわ」
私の言葉にアトラスとランレイがうんうんと頷いてくれた。
「ルミナは、素直だからね」
「お義姉様だからですわ。良かったですわ。お兄様が側にいてスレないかと心配でしたが、変わりませんわね」
「当然だろ。ルミナの良さを消してしまう事はしないよ」
「それはどうかしら?お兄様の裏表をご存知では無いでしょう?」
「お前に言われたくないな」
ちょっと黙ってて、話がそれそうでしょ!?
2人を睨むと、楽しそうに微笑み頷いてくれたから、顔をアムルに戻した。
「アムル、あなた裏で何をしているの?私が嫌いで、私から婚約者を奪ったのにも驚きなのに、そんな非道な事をしているなんてもっと驚きだわ」
「違うわ!上級貴族と知り合いたいと相談を受けたから、紹介しただけよ!!」
「最低な男だと知っていながら、紹介したのね。あ、そうか。相談ねぇ。アムルは相談を受けるの得意だったわね。グロッサムから私の事を相談受けていたと言ったわね。相談を受けている間にグロッサムと愛し合う関係になったのよね。その割には他にも色々な男性がいたわよね。ねえ、もしかして、ただ、男好きなだけなの?だから、見境なく色々な男性があなたに声をかけてきてたのね。いや、違うな。あなたが見境いなく声をかけたから、それに応えてくれたんだよね?ああ、ごめんなさいね、私の妄想が激しいから、そんな事考えたけど、違うわよね?」
ふふっ、笑いながら、ふい、とジック様を見た。
すると、慌てて汚いものを払うかのようにアムルの手を払った。
「申し訳ありません。挨拶の途中でしたね。でも、挨拶をする前に確認したいのです。先程アムルと婚約を考えていると仰いましたが、私の中では、アーヴ伯爵家の子息、つまり、私の元婚約者のグロッサムと婚約すると思っていました。だってわざわざ私の婚約者だと知ってて寝とったのですもの」
しつこいくらいに言い、ジック様とアムルを交互に見据えた。
「ああ成程ね。そんなアムルの奔放さに惹かれたのですね。本当にお心が広い方なのですね。そうでなければ、ここまで色々膿が出てきた女性を選ぶ事などできませんわ」
「待って下さい!!そんな低俗な女だとは知らなかったんだ!!」
「まあ!!それでは騙されていたのですね!!可哀想に!!」
ちょっと大袈裟な言い方だったようで、アトラス達の笑いを我慢する吐息が聞こえたがあえて聞かないふりをした。
「なるほどね。私の婚約者を奪うくらいですものね。ジック殿を騙すなんて簡単でしょうねぇ」
「違うわ!!待ってよ!!私は1度もグロッサムと婚約する、と言っていないわ!!私は、このジック様だけしか考えていないわ!!」
やっと口を開いたらその答え?でも、答えにしては足りないわよ。
「言われてみれば、そうね。グロッサムと婚約する、とは聞いていなかったわ。ごめんなさい勘違いだったわね。訂正するわ」
「訂正・・・?」
そこに気付いた?
私は本気で2人の事を上手くいくように望んでいたけど、婚約者になる、とアムルが一言も言っていなかったのは気付いていたわよ。
でも、グロッサムは婚約する事を望んでいたようだから、ある意味期待を裏切らなかったわね、アムル。
「私に対する嫌がらせのために、婚約者を寝取った、が正しい答えね」
「違うわ!少し甘えたら勝手に勘違いしてきたのよ!寝とったと言うけれど、襲ってきたのはあっちよ。それに1度寝たぐらいで私が手に入る訳ないでしょ!」
素直に答えを必死に言ったが、直ぐにはっ、とし、ジック様を慌てて見た。
ありがとう。まんまと嵌って、寝た、と認めてくれたわね。
「ちが、います。私が好きなのはジック様だけです。本当です!」
「触るな!」
腕を触ろうとしたが、一喝された。
「グロッサムがね、アムルがあんなに男好きだったとは知らなかった、と私に言ってきたわ。男から言われるなんて、はしたないわよ。もう一つ言っていたわ、あなたに騙された、とね」
「違うわ!!嘘よ!!」
もう何に対して嘘なのか、わからない。
「嘘、ですって。アトラス、私、さっきから嘘つきと言われているわ。でもねえアムル、気付いているでしょう?カーヴァン公爵家の紋章が入ったこの服を着ている時点で私はカーヴァン公爵家と共にあるのよ。つまり、あなたはカーヴァン公爵家を嘘つき呼ばわりしているのと同じことよ」
流れは作った。
アトラス、この後はお願いするわ。
「聞き捨てならないね。私の大事なルミナを嘘つき呼ばわりするとは心外だ。ルミナは何一つ嘘などついていない。私が証人だ。何故って、君たち2人がルミナに酷い事をしたあの日から、私はずっと側にいて慰めてきたし、幼い頃からずっと側にいた」
流石だ。冷たい言葉にその顔は怖いよ。
現にアムルは私の時より、恐怖の顔になっていた。
けれど、アムルと違い、全てが真実であり、言葉に真摯な思いが詰め込まれた分重さがあり、アトラスがどれだけ私を想っているのか胸に響いた。
「・・・まさか・・・幼なじみ・・・とは・・・あなた様?」
蒼白な顔色で切れ切れの言葉を吐いた。
「そうだよ。君たちが婚約解消を突きつけたあの時から、ずっと側にいて、そして、ずっとルミナの事を知っているよ。プリライ伯爵家からのオルフェ家への嫌がらせもね」
「・・・!!」
「・・・アトラス・・・?」
引き攣るアムルの顔も気になったが、最後の言葉に引っかかった。
「ずっとオルフェ家にプリライ家から、仕事にそして、社交界に関しての嫌がらせをしてきたね。ゴミ女、君が父に頼んだ事だろう。陰険で恥ずべき行為だ。勿論レイラ男爵家にも同じ事をしたよね。残念だね。伯爵様は仕事に関しては素晴らしい方なのに、お前が潰したんだ」
やっぱり嫌がらせをしてきていたか。
アトラスが知っているということは、おじ様と守ってくれていたのだろう。いや、もしかしたら私だけが知らなかったのかもしれない。
お父様達が気づかない筈がない。
「・・・ま・・・さ・・・か・・・。だってカーヴァン公爵家が」
「酷いわ、アムル!そんなことするなんて!!」
もしかしたら、と思っていたいたけれど、まさか本当にやっていたなんて許されるべきではない。
「・・・っ!!」
ベタリと座り込んだ。
「何処まで卑怯なの!!何処まで自分勝手なの!!アトラスがいなかったら、私の家はあなたの気分で潰されていたのよ!!そんな事許されるべきではないわ!!クリスにも同じ事をして、あんなに苦しめて、本当に最低よ!!」
「ルミナ」
アトラスがそっと声をかけ、そっと肩に手を置く。
そして、私の頬を拭いた。
いつも間にか泣いていた。
すっと、私の前にアトラスが立ってくれ、ランレイが涙を綺麗に吹いてくれた。
「ルミナはどうしたい?」
アトラスが優しく聞いてきた。
私?
アムルをどうしたい?
そんなの決まってる。
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