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「行きたくない」
「だめよ。最終決戦なんだから、フランがいないと意味ないんだから、もういいから早く!」
「わかったわ」
ハーバルのあまりの剣幕に驚き、渋々馬車に乗った。
最終決戦なんて、また、何を企んでいるのかも恐ろしい。
次の日学校に行くと案の定、色んな噂が立ち私を蔑む目で皆が見ていた。
本当は休みたかったが、休んだ所で何も変わらないし、ここで休むと、もう二度と学校に行けないような気がしたし、ハーバルがいたから、頑張って登校した。
案の定カレンがわざわざ私の所に来て、大声で、
婚約破棄したいって言っんですって?当たり前よね。兄様と二股かけてたなんて、隅におけなないわね。大人しそうな顔して、したたかね。大丈夫よ。ブライアン様は私が慰めてあげるから。
と、言いに来た。
一気に周りの視線が私にむき、コソコソと話し声が聞こえた。
でも、ある意味私が罵られるのなら平気だった。ブライアン様が悪く言われなければそれでいい。
マクロもやはり何も知らなかったみたいで、まさかこんな事になるなんて、と本当に驚いた顔で謝りに来た。
でも、何も出来ないと言われた。
まあ、カレンに尻に敷かれてるのは分かってるから、別に何も期待していない。
婚約破棄してカレンが婚約すれば、それで、落ち着かならそれでいい、あとは関わりたくないから家で大人しくしておこうと思っていたのに、土曜日の朝早くに、
マクロの屋敷に行くよ!
と手を引かれ、嫌だ!と何度も言ってるのに有無を言わさないいつものハーバルに無理やり連れ出された。
それも、なんでマクロの、つまりはカレンの屋敷に行かなきゃ行けないのよ。
1番天敵なのに。
けど、なんか企んでいるんだろうな、と分かりやすい もの凄い陽気なハーバルに従うしかなかった。
マクロの屋敷の門ににつくと、ブライアン様の馬車が見えた。
「ちょっと待ってて」
そう言うと馬車にから降りて行った。
ど、どういうこと!?
あれからブライアン様とはまともに顔も合わせていないし、声をかけてきても、たいして返事もしていない。
とても悲しそうに、話をしたいと何度も言ってきたが、それを周りの人に見られ、ブライアン様が悪いように言われないか不安で、なるべく話をしないようにしてきた。
周りから、婚約破棄するんだって、と言っているのが聞こえてきたし、その方がいいと思っているのに、こんな所で会うなんて、正直困る。
ハーバルは何を考えているんだろう。
そんな事を考えている間に、扉が開き、ハーバル、ブライアン様、そして何故か宰相もいた。
「フラン」
ブライアン様は愛おしそうに私の名を呼ぶと、すぐに横に座った。下を向き、なるべく顔を見ないようにしたが、手を握られ、泣きそうになった。指を絡めたその手の温もりから、私を心配している気持ちがありありと感じられ、我慢出来ず顔をあげた。
私と目が合うと、無言の微笑みが胸に染み、その胸に飛び込みたい衝動にかられた。
ああ、私ブライアン様が好きなのだ、と改めて思い知らされた。
「だめよ。最終決戦なんだから、フランがいないと意味ないんだから、もういいから早く!」
「わかったわ」
ハーバルのあまりの剣幕に驚き、渋々馬車に乗った。
最終決戦なんて、また、何を企んでいるのかも恐ろしい。
次の日学校に行くと案の定、色んな噂が立ち私を蔑む目で皆が見ていた。
本当は休みたかったが、休んだ所で何も変わらないし、ここで休むと、もう二度と学校に行けないような気がしたし、ハーバルがいたから、頑張って登校した。
案の定カレンがわざわざ私の所に来て、大声で、
婚約破棄したいって言っんですって?当たり前よね。兄様と二股かけてたなんて、隅におけなないわね。大人しそうな顔して、したたかね。大丈夫よ。ブライアン様は私が慰めてあげるから。
と、言いに来た。
一気に周りの視線が私にむき、コソコソと話し声が聞こえた。
でも、ある意味私が罵られるのなら平気だった。ブライアン様が悪く言われなければそれでいい。
マクロもやはり何も知らなかったみたいで、まさかこんな事になるなんて、と本当に驚いた顔で謝りに来た。
でも、何も出来ないと言われた。
まあ、カレンに尻に敷かれてるのは分かってるから、別に何も期待していない。
婚約破棄してカレンが婚約すれば、それで、落ち着かならそれでいい、あとは関わりたくないから家で大人しくしておこうと思っていたのに、土曜日の朝早くに、
マクロの屋敷に行くよ!
と手を引かれ、嫌だ!と何度も言ってるのに有無を言わさないいつものハーバルに無理やり連れ出された。
それも、なんでマクロの、つまりはカレンの屋敷に行かなきゃ行けないのよ。
1番天敵なのに。
けど、なんか企んでいるんだろうな、と分かりやすい もの凄い陽気なハーバルに従うしかなかった。
マクロの屋敷の門ににつくと、ブライアン様の馬車が見えた。
「ちょっと待ってて」
そう言うと馬車にから降りて行った。
ど、どういうこと!?
あれからブライアン様とはまともに顔も合わせていないし、声をかけてきても、たいして返事もしていない。
とても悲しそうに、話をしたいと何度も言ってきたが、それを周りの人に見られ、ブライアン様が悪いように言われないか不安で、なるべく話をしないようにしてきた。
周りから、婚約破棄するんだって、と言っているのが聞こえてきたし、その方がいいと思っているのに、こんな所で会うなんて、正直困る。
ハーバルは何を考えているんだろう。
そんな事を考えている間に、扉が開き、ハーバル、ブライアン様、そして何故か宰相もいた。
「フラン」
ブライアン様は愛おしそうに私の名を呼ぶと、すぐに横に座った。下を向き、なるべく顔を見ないようにしたが、手を握られ、泣きそうになった。指を絡めたその手の温もりから、私を心配している気持ちがありありと感じられ、我慢出来ず顔をあげた。
私と目が合うと、無言の微笑みが胸に染み、その胸に飛び込みたい衝動にかられた。
ああ、私ブライアン様が好きなのだ、と改めて思い知らされた。
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