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第弐章 壊れゆく、日常――デパート編。
伍拾参話 死闘、其の肆。
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一方、不快な聴き取れない音と衝撃波の所為で、バランスを崩して落下してしまったアイ。
地面に落ちた隙を狙って、大量の触手のようなモノが押し寄せ、掴み掛かっていく!
俺的バルカンで牽制しつつ、持ち前の機動力でその全てを紙一重で躱し切っていたが――。
「え⁉︎ しまっ――!」
アイにも少なからず影響があったのか、場の認識力を欠いてしまっていた所為で、押し迫る触手のようなモノに不意打ちを喰らい、弾き飛ばされてしまう!
「あ、あぅ!」
翻筋斗打って、地面を転がっていくアイ!
直ぐに起き上がり離脱しようと蹲み込んだ、ほんの僅かな一瞬の隙を突かれる。
迫ってきた一本の触手のようなモノに、脚に絡みつかれ、そのまま掬い上げられて、引き摺られてしまうアイ。
更に引き摺られた地面が迫り上がった。
触手のようなモノが、更に湧き出してきたのだ。
必死に躱そうにも身動きが取れないアイは、腕と首にも巻きつかれて……遂に拘束されてしまう。
「くはっ!」
腕と脚を引き千切るが如く磔にされるアイに、一気に押し潰そうと更に群がる触手のようなモノ。
「ア、アイーっ!」
俺はアイに向かって叫ぶと同時に、ステアリングを目一杯に切ってドリフトターンを決め、アイが捕まっている方向へと急旋回させた!
更にアクセルを目一杯に踏み込んで、挙動に合わせてステアリングを合わせたりしながら、車体が流される慣性を抑え込み、バランスを維持する。
側面に横たわるヒトだったモノらを巻き上げつつ、急加速からの特攻を敢行した!
だがしかし――。
「チッ!」
運悪く意思無き肉塊共が、進行方向で立ち塞がるように束になって蠢いていた。
そこに突っ込んだ俺的素敵カーは、跳ね飛ばした拍子にフロントガラスを割られ、意思無き肉塊共に覆い被さられ取り付かれてしまうのだった。
更に運の悪いことに、跳ねた際にタイヤにでも肉塊を巻き込んだのか、急にブレーキが掛かり失速してしまう!
その拍子に追い迫っていた触手のようなモノに追い付かれ、握り潰さんが如く絡み付かれてしまった!
「クソッ! 大概にしろ! 事故じゃねーから車両保険は出ねーんだぞ!」
最早、どうすることもできず、ハンドルを殴り付けて悪態をついている俺。
「……パパ、ボクが行く!」
そんな俺に未来が決意の表情で言い放った。
そしてキャンバストップから身体を乗り出しピラーに両手をつくと、軽く車外へ飛び出していった。
宙を舞う間に、草刈デスサイズを横薙ぎに振り伸ばし起動する。
そして空中で右に左にと縦横無尽に振り抜いた!
俺的素敵カーに絡み付いた触手のようなモノを、華麗な鎌捌きで除去していく未来。
まるで紙を切るかの如く、容易く切断していくのだった。
「ナニコレ、凄っ⁉︎ 匠も真っ青な斬れ味って、ナニ? ……コレもあかんヤツよ」
凄まじい斬れ味の俺的玩具に、驚きの声を上げる未来。
次々と迫る触手のようなモノを足場にして華麗に宙を舞い、切断するなり身を躱すなりして、その全てを往なしていく。
そのまま拘束されているアイの元へと単身急行したのだった。
触手のようなモノから解放されて自由になったと同時に、取り付いた意思無き肉塊を引き剥がそうと、アクセルを踏み込んだ俺!
映画のようには簡単に剥がせずにいた。
「私も迎撃致しますわ!」
「――頼んだ、最妃!」
運転席の俺を見やり、軽く頷いて伝える最妃。
助手席に立ち上がり、キャンバストップより半身を乗り出すと、俺的素敵カーに取り付いた意思無き肉塊共の眉間を寸分狂わず撃ち抜いて、次々と引き剥がしていった。
「邪魔ですのよ!」
最後にフロントにへばり付く意思無き肉塊を払い除けて、邪魔なモノが全部居なくなったところで、アイの元へと急行する未来の援護にと切り替えた。
「未来の邪魔はさせなくってよ!」
死角から未来に迫る触手のようなモノを、ベレッタ二丁で次々と撃ち抜き粉砕していく。
「俺達もこのままアイの救援に向かうぞ、最妃!」
「承知!」
「逃げるのはアイを拾ってからだ! 頼むぜ、俺的素敵カー!」
完全に自由になった俺的素敵カーのステアリングを目一杯に切り、アクセルを踏み込んでアクセルターンを決める!
未来を追いかけ、アイの元へと急ぎ急行する。
一方、追い迫る触手のようなモノを歯牙にも掛けず、アイの元へと辿り着ついた未来。
「アイ!」
「お姉ちゃん!」
草刈デスサイズを棒術のように華麗に振り回し、アイを縛る触手のようなモノの全てを軽々と両断していった。
「アイ! 無事?」
「肯……平気! お姉ちゃん、悪いけどそのまま援護して! このバスターランチャーで射抜くつもりだけど……時間が掛かるの!」
頼りになる姉が駆け付けてくれたことに感謝して、電波演技を止めて素に戻るアイは、自分を護ってくれと未来に頼んだ。
「りょ! パパの触手エロゲはあくまで創作! ……面白いけど。リアルでなんてやらせないんだからね!」
いつも通り、変な冗談で答えた未来。
ナニやら準備を進めるアイの頭を、グシャグシャと撫でて了承の返事をした。
「有難う――お姉ちゃん」
最愛の姉に安心感を貰い、闘志が漲るアイ。
拘束から開放されて自由になったアイは、素早く俺的バスターランチャーを手にして伏せる。
慣れた手際で背中のバックパックに連動した、腰のコネクターに俺的バスターランチャーを接続し終えると、磯巾着擬きのようなモノへと銃口を向けた。
次に右目の俺的スカウターも俺的バスターランチャーに接続しリンクを始めるアイ。
「必ず……仕留める」
備わっている特殊機能を駆使して、慎重に照準を合わせ始めるのだった――。
―――――――――― つづく。
地面に落ちた隙を狙って、大量の触手のようなモノが押し寄せ、掴み掛かっていく!
俺的バルカンで牽制しつつ、持ち前の機動力でその全てを紙一重で躱し切っていたが――。
「え⁉︎ しまっ――!」
アイにも少なからず影響があったのか、場の認識力を欠いてしまっていた所為で、押し迫る触手のようなモノに不意打ちを喰らい、弾き飛ばされてしまう!
「あ、あぅ!」
翻筋斗打って、地面を転がっていくアイ!
直ぐに起き上がり離脱しようと蹲み込んだ、ほんの僅かな一瞬の隙を突かれる。
迫ってきた一本の触手のようなモノに、脚に絡みつかれ、そのまま掬い上げられて、引き摺られてしまうアイ。
更に引き摺られた地面が迫り上がった。
触手のようなモノが、更に湧き出してきたのだ。
必死に躱そうにも身動きが取れないアイは、腕と首にも巻きつかれて……遂に拘束されてしまう。
「くはっ!」
腕と脚を引き千切るが如く磔にされるアイに、一気に押し潰そうと更に群がる触手のようなモノ。
「ア、アイーっ!」
俺はアイに向かって叫ぶと同時に、ステアリングを目一杯に切ってドリフトターンを決め、アイが捕まっている方向へと急旋回させた!
更にアクセルを目一杯に踏み込んで、挙動に合わせてステアリングを合わせたりしながら、車体が流される慣性を抑え込み、バランスを維持する。
側面に横たわるヒトだったモノらを巻き上げつつ、急加速からの特攻を敢行した!
だがしかし――。
「チッ!」
運悪く意思無き肉塊共が、進行方向で立ち塞がるように束になって蠢いていた。
そこに突っ込んだ俺的素敵カーは、跳ね飛ばした拍子にフロントガラスを割られ、意思無き肉塊共に覆い被さられ取り付かれてしまうのだった。
更に運の悪いことに、跳ねた際にタイヤにでも肉塊を巻き込んだのか、急にブレーキが掛かり失速してしまう!
その拍子に追い迫っていた触手のようなモノに追い付かれ、握り潰さんが如く絡み付かれてしまった!
「クソッ! 大概にしろ! 事故じゃねーから車両保険は出ねーんだぞ!」
最早、どうすることもできず、ハンドルを殴り付けて悪態をついている俺。
「……パパ、ボクが行く!」
そんな俺に未来が決意の表情で言い放った。
そしてキャンバストップから身体を乗り出しピラーに両手をつくと、軽く車外へ飛び出していった。
宙を舞う間に、草刈デスサイズを横薙ぎに振り伸ばし起動する。
そして空中で右に左にと縦横無尽に振り抜いた!
俺的素敵カーに絡み付いた触手のようなモノを、華麗な鎌捌きで除去していく未来。
まるで紙を切るかの如く、容易く切断していくのだった。
「ナニコレ、凄っ⁉︎ 匠も真っ青な斬れ味って、ナニ? ……コレもあかんヤツよ」
凄まじい斬れ味の俺的玩具に、驚きの声を上げる未来。
次々と迫る触手のようなモノを足場にして華麗に宙を舞い、切断するなり身を躱すなりして、その全てを往なしていく。
そのまま拘束されているアイの元へと単身急行したのだった。
触手のようなモノから解放されて自由になったと同時に、取り付いた意思無き肉塊を引き剥がそうと、アクセルを踏み込んだ俺!
映画のようには簡単に剥がせずにいた。
「私も迎撃致しますわ!」
「――頼んだ、最妃!」
運転席の俺を見やり、軽く頷いて伝える最妃。
助手席に立ち上がり、キャンバストップより半身を乗り出すと、俺的素敵カーに取り付いた意思無き肉塊共の眉間を寸分狂わず撃ち抜いて、次々と引き剥がしていった。
「邪魔ですのよ!」
最後にフロントにへばり付く意思無き肉塊を払い除けて、邪魔なモノが全部居なくなったところで、アイの元へと急行する未来の援護にと切り替えた。
「未来の邪魔はさせなくってよ!」
死角から未来に迫る触手のようなモノを、ベレッタ二丁で次々と撃ち抜き粉砕していく。
「俺達もこのままアイの救援に向かうぞ、最妃!」
「承知!」
「逃げるのはアイを拾ってからだ! 頼むぜ、俺的素敵カー!」
完全に自由になった俺的素敵カーのステアリングを目一杯に切り、アクセルを踏み込んでアクセルターンを決める!
未来を追いかけ、アイの元へと急ぎ急行する。
一方、追い迫る触手のようなモノを歯牙にも掛けず、アイの元へと辿り着ついた未来。
「アイ!」
「お姉ちゃん!」
草刈デスサイズを棒術のように華麗に振り回し、アイを縛る触手のようなモノの全てを軽々と両断していった。
「アイ! 無事?」
「肯……平気! お姉ちゃん、悪いけどそのまま援護して! このバスターランチャーで射抜くつもりだけど……時間が掛かるの!」
頼りになる姉が駆け付けてくれたことに感謝して、電波演技を止めて素に戻るアイは、自分を護ってくれと未来に頼んだ。
「りょ! パパの触手エロゲはあくまで創作! ……面白いけど。リアルでなんてやらせないんだからね!」
いつも通り、変な冗談で答えた未来。
ナニやら準備を進めるアイの頭を、グシャグシャと撫でて了承の返事をした。
「有難う――お姉ちゃん」
最愛の姉に安心感を貰い、闘志が漲るアイ。
拘束から開放されて自由になったアイは、素早く俺的バスターランチャーを手にして伏せる。
慣れた手際で背中のバックパックに連動した、腰のコネクターに俺的バスターランチャーを接続し終えると、磯巾着擬きのようなモノへと銃口を向けた。
次に右目の俺的スカウターも俺的バスターランチャーに接続しリンクを始めるアイ。
「必ず……仕留める」
備わっている特殊機能を駆使して、慎重に照準を合わせ始めるのだった――。
―――――――――― つづく。
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