流行りの異世界――転生先が修羅場で阿鼻叫喚だった件について説明と謝罪を求めたい。

されど電波おやぢは妄想を騙る

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第四七幕。

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 程なく、何の弊害も無く、目的の最奥――採掘場所と言うかな袋小路に辿り着く。

 少年の仲間の遺体は無かったものの、争った形跡が其処彼処に残っている。
 血痕が変色したと思しき赤黒い染みが、床や壁に飛び散っていたのだった。

「騎士様、竜様。これなんですけど」

 少年が駆け寄って指し示す場所には、巨大な宝石のような塊が埋まっていた。
 水晶体と見間違える程に透き通っており、瑞々しさを携えた淡い紫色に輝く結晶体だった。

「成る程。純度の高い、実に見事な魔結晶だのう、これは」

 どうやら、この妙な塊について、紅が覚えがあるみたいだ。

「紅、魔結晶とは?」

「ん。魔結晶はな、魔素そのものが寄り固まって作られる物だ。魔鉱石と言うのは名が示す通り、魔素が鉱物に染み込んで出来る物故、内包されておる魔素量が根本的に違う。高位の魔術――召喚、或いは封印など術式において媒介となりえる希少価値の高い物だの」

「――成る程」

「これ程の大きさ……儂も長く生きておるが見た事も無い」

 興味の無いものは知らんの三文字で済ます紅が、珍しく興味津々で見ている魔結晶。
 どうやら金銭的価値で推し量る以前に、とても希少な物のようだ。

「で、どうする? 持って帰るか?」

「ふむ……鍛治師に渡してやれば、相当、喜ぶであろうな。後は魔術組合か冒険者組合に引き渡せば、相当な儲けになるであろうが」

「鍛治師からの依頼に含まれてはいないが……」

「――騎士様、竜様。もしもなんですけど、御二方であれば……取り出して持って帰ったり出来ますか?」

 壁面に深く埋まる大きな魔結晶を見ながら、申し訳無さそうに尋ねてくる少年。

「主人であれば可能かも知れぬであろうが……儂には無理だの」

「私は鍛治師の依頼を熟せればそれで良い。欲が過ぎると必ず痛いしっぺ返しを喰らう」

「――ですよね。仲間はそれで……」

 それを聴き、また項垂れてしまった少年。

「主人の言う通りだの。気持ちは解らんでも無いがの?」

 項垂れる少年の頭をそっと撫でる紅。

「そう言えば紅、ここは袋小路だよな? 奥から来たトロールって、一体、何処から現れたと思う?」

 四方八方が壁なこの場所。
 天井にしても、当然、塞がっている。
 開いているのは私達が入ってきた出入口のみ。
 あれ程の巨躯なトロールが、斥候スカウトに察知されずに現れるなど、どう考えてもおかしい。

「――ふむ、言われてみれば、確かにおかしいのう――小童、何処から現れたか覚えておるか?」

「そう言うば……魔結晶? に夢中になってて、そっちの奥から現れた様に見えたけど――え⁉︎」


 見渡す限りの壁面で袋小路だったにも関わらず、壁面を擦り抜けるように湧き出てくる無数の人骨!

 更に地面からも冒険者風の屍人が三体現れた!

 紅が良く言っている不浄の者――私も知っているゾンビとスケルトンの類いだと思う。

「なんで⁉︎ 仲間が⁉︎」

 冒険者風の不浄の者に覚えのある少年は、顔を真っ青にして腰を抜かし座り込んでしまう。

「理由は解らないが倒さねばならない。――紅、済まないが少年を頼む」

 そう伝え終えた後で、槍と盾を構えて臨戦体勢を整える私だった――。



 ――――――――――
 気になる続きはCMの後!
 チャンネルは、そのまま!(笑)
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