流行りの異世界――転生先が修羅場で阿鼻叫喚だった件について説明と謝罪を求めたい。

されど電波おやぢは妄想を騙る

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第三三幕。

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「女の前だからって、気取ってんじゃねーぞ」

「褐色の女は俺が貰うぜ! 俺自慢の◯◯◯中毒にしてやる。良い声で鳴く雌豚に調教してやっからな~、ヘッヘッヘ」

 野盗崩れの見た目通り、下卑た笑いの下衆野郎共ばかりだった。
 幼女に手を出していた下衆野郎も混ざってそこに居る。

「ならオレは赤い髪の姉ちゃんだな。ほざいた通り、使してやるになってやるよ! ヒャハハハ――ヒグっ⁉︎」


 私に対してのを吐かした――。


「黙れよ、下衆。――紅が穢れる」

 罵っている下衆に一瞬で詰め寄り、左手で掴んだ顎の骨を砕いた私!
 更に右拳を下から突き上げ殴り飛ばす!
 頭から天井へと突き刺さり、首から下を力無くぶら下げて動かなくなった。

「おい、お前! 生きてエ――ゲグッ!」

「二度も言わすな……下衆」

 私の直ぐ横で、武器を突きつけほざく下衆の頭を鷲掴みして、床へと叩きつける私!

「くそ! テメェ等、遣っちまえ!」

 下衆が声を張り上げると、数十人もの下衆が雄叫びを上げて一斉に挑んでくる!

「――私はさっさと商人を呼んで来いと言っている!」

 私は下衆共が張り上げる雄叫びを上回る大声で怒鳴り返し、左拳を渾身の力で床に突き付けた!
 その瞬間、地震でも起きたかの様な地響きを立てて、大きな揺れが屋敷に伝播していく!

 まるで私を中心に爆発でも起こったかの如く、吹き飛ばされた床材が下衆共を襲い、飾られていた豪華な装飾品等々も壊れ、窓や照明器具が割れて飛び散り、壁や天井迄もが一部崩落する!

「阿呆共! 私は、商人とやらを出せ! と、言っている!」

 左拳で落ちてきた天井を横殴りして吹き飛ばし、瓦礫や装飾品に埋もれて呆然とする下衆共に恫喝する!

「儂……怒っている主人に逆らうのだけは、金輪際止めるとする」

『はイ。正直言っテ……怖いでス』

 後ろの方で私を見ながらブツクサと言っている二人。

 丁度、その時だった――。

「何事ですかぁ~、おやおやぁ~?」

 二階から見下ろす様に現れた、如何にも真っ当で無い手段で私腹を肥やしているのが丸解りな、悪趣味な服装に身を包んだ、何処からどう見ても醜く潰れた蛙の様な激太りの男が、首輪に繋がれた女性を引き摺って現れた。

「動かないで下さいねぇ~」

『――ヒィ!』

 一糸纏わぬ浅黒い褐色肌には、見るも惨たらしい裂傷に打撲跡等が痛々しく残っていた――。

「おやぁ~? 貴女はぁ~、情報を持って来たと言う感じでは無いですねぇ~」

 眼帯の女性に向かって問い掛ける商人。
 
「私の友人を引き取りに来た」

 代わりに私が答えてやる。
 
「おやおやぁ~? そこの無礼者はぁ~、何を吐かしてやがるんでしょうねぇ~。友人。とかぁ~、私の耳には聴こえたんですがぁ~、幻聴ってヤツですかねぇ~?」

「ああ、私はそう言ったのだが」

「これは情報と引き換えだとぉ~、そちらの方にお伝えしてあるんですけぉ~。ああ、なるほどぉ~、人語も解せないお馬鹿さんだったと言う訳でございますねぇ~」

『くッ……』

「ではぁ~、そこの無礼者さんに伝えましょうかぁ~。情報が無い限りぃ~これは私の物でしてぇ~お返しは出来ないんですよぉ~」

『情報を教えれバ、返し――』

「おおとぉ~、困りましたねぇ~。試しに使ってみたらぁ~、それはもぅ~凄く良い締まり具合でしてぇ~、もう朝から晩までぇ~、愉しませて頂いてますぅ~。ですのでぇ~、手放す気も失せたんですよねぇ~、困りましたねぇ~、ホントぉ~、困りましたねぇ~」

『くッ――返す気ハ……元々無かったのカ……』

「もう既にぃ~、私の所有物でぇ~腹身袋ですぅ~、苦情なら受付ませんよぉ~」

「――恥を知れ、痴れ者風情が」

『くッ、下衆めガ……』

 紅が下衆に対し敵意が籠った鋭い目で睨みつけ、応戦しようと身構えたその時――。

「おおとぉ~、動かないで下さいよぉ~、これが突然にぃ~、パァーン! ですよぉ~」

「へへへ、だってさ。愉しませて――」

 と、商人に相対する私達を他所に、下衆の一人が、紅と眼帯の女性に近付いていた。

「――少々、度が過ぎる。貴様等は見るに耐え難い」

 膨れ上がる憎悪に等しい感情が私を支配する!
 怒気を含み呟いた時には、既に宝剣を抜いていた――。

「おやおやぁ~、私は動くなとぉ~言いましたけどぉ~、これがどうなって――え⁉︎」

「あ、あれ⁉︎」

 言い掛けた次の瞬間、蛙の潰れた様な醜い男の汚い腕と、紅に近付いていた下衆の両脚は既に無くなっていた。
 捕えられていた褐色肌の女性にしても、眼帯の女性が保護している。

「オレの脚がーっ! 痛ぇ!」

「私の腕がぁ~! 痛い! 痛い! 痛いぃー!」

 無くなった脚の部分から大量の血を噴き上げ転げ回る下衆の一人。
 両腕からを垂れ流し、大騒ぎする商人。

 私以外は何が起きたのかすら解らない様で、少し遠巻きに身構えていた下衆共迄もが、今起こった事に理解が及ばず押し黙り、この場の全員が呆然とする。

 否、押し黙った訳では無い――。

 突然、私達の周りを取り囲んで居た下衆共は、白目を剥いて一斉に崩れ落ちた!
 両脚を失った下衆以外、その場にいた下衆全員が既に気絶していた――。

 私が目にも止まらぬ速さで動いた為に、皆が気付いた時には、既に事を成し遂げた後だったという訳だ。

「済まないが、皆、下がっていてくれ。――を終わらせる」

「主人?」『旦那様……』『うゥ……』

 私の指示に引っ掛かりを覚えた紅が、怪訝そうにする。
 助けた仲間を支えている眼帯の女性にしても同様。

 元商人と言う意味を、これから知る事になる――。

「ばばば、だだだ、あああ、グググ、ギギギ」

 両腕から体液を垂れ流し、言葉にならない呻き声を上げる商人が、次第に姿を変えていく――。

 それは魔物と呼ぶに相応しい醜さを携えた、全身に人面が浮き出た禍々しい蛙だった――。



 ――――――――――
 気になる続きはCMの後!
 チャンネルは、そのまま!(笑)
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