5 / 5
終話 ミイラはマミーだが衣帯なき板な痛い遺体。
しおりを挟む
「だからミイラでしょ?」
「いいえ、違うと言ってるでしょ」
「――ヤっべ」
相変わらず古代エジプトのピラミッド内、ヒエログリフに等しい象形文字や壁画が所狭しと描かれた棺が納棺された玄室で、こんな意味不明な漫才を繰り広げている――、
俺とミイラ。
前回、散々な大惨事になったのを棚に上げて、相変わらず俗っぽくも意味不明なことを吐かしやがるので、面食らったうえにドン引いていた――。
やっぱ∑(゚Д゚)、で。
「いい加減にしてくんね? 喋って動くのを除けばどう見たってミイラじゃんよ?」
「だから違う言うに!」
「枯れた身体でぎこちない動きで否定されても納得できるか!」
「それよりもですね、いい加減苦しいんで包帯取っていいですか? こんなお遊び付き合ってられません!」
言うな否や、薄汚い包帯を剥ぎ取っていく電波ミイラ嬢。
「ちょっとちょっと⁉︎ なんてことすんだ⁉︎ そんな見せられないよ! のテロップが入りそうなの姿、見せられたもんじゃないっての⁉︎」
意味不明に喚き散らす俺をスルーして、とっとと剥ぎ取った電波ミイラ嬢。
「よいしょっと……あースッキリした!」
そんな台詞を吐く。
「――な⁉︎」
ヒエログリフに等しい象形文字や壁画が所狭しと描かれた棺の中から、ちっぱいを惜しげもなく晒し背伸びする姿は――。
ヤっべ……。
「こんな時、どう言う顔をしたら良いのか解らないよ」
「笑えば――否、褒め称え崇め奉るが良いと思うよ」
出てきたのは幼女は幼女でも、
枯れきった幼女。
目と口を糸で雑に縫いつけられ死化粧された痩せ細った顔。
ドス黒くも焦茶色に変色した地肌は、瑞々しさの欠片もなくボロボロ。
更にちっぱいの真ん中から下腹部に掛けてはしる、おそらくは内臓を抜かれた際に荒々しく縫合された傷痕。
――見るに痛々しい。
こんな小さな子供が……なんて……酷い。
「残酷かよ――吐いていいかな、俺?」
「存外、酷い対応ですね!」
とかなんとか。
漫才っぽいやり取りに見えるけども、真面目に我慢できずに隅っこで吐いた。
「――失礼。文献や資料でミイラっつーもんは見てたけども……即身仏以上の過酷さでドン引きだわ」
「妾がこんな仕打ちを受ける謂れはない! 大体だな、人柱として埋葬するならツタンのように豪華絢爛にしろってのね!」
身振り手振りのみ憤慨する意思表示。
喋る度に縫われた目と口が突っ張って……。
「あんま動かないで――うぇ……ホラー過ぎる……」
隅っこに行って吐いた俺。
「ちょっとちょっと、酷ない⁉︎ 残酷過ぎない⁉︎ 調査員なんでしょ?」
「いいえ、俺はしがない研究員……過酷過ぎて気持ち悪い」
あまりにもエグい大惨事で見せられないよのテロップ、或いは黒塗りに覆われること必至の電波ミイラ嬢を見ないように棺に押し込み、蓋を閉めてなかったことにした――。
手は水筒の水で入念に洗い、アルコールで綺麗に消毒した。
ちゃんと嗽もし、目薬も差した。
そしてこの場をあとにした――。
外に出てからまた吐いたのは言うまでもない……。
――――――――――
古代の呪いはこんなもんじゃないよ?(完)
【謝辞】
此処までお付き合い頂き、本当に有り難う御座いました。
意図しない誤字脱字が多く、お目汚し、大変失礼致しました。_φ(・_・
「いいえ、違うと言ってるでしょ」
「――ヤっべ」
相変わらず古代エジプトのピラミッド内、ヒエログリフに等しい象形文字や壁画が所狭しと描かれた棺が納棺された玄室で、こんな意味不明な漫才を繰り広げている――、
俺とミイラ。
前回、散々な大惨事になったのを棚に上げて、相変わらず俗っぽくも意味不明なことを吐かしやがるので、面食らったうえにドン引いていた――。
やっぱ∑(゚Д゚)、で。
「いい加減にしてくんね? 喋って動くのを除けばどう見たってミイラじゃんよ?」
「だから違う言うに!」
「枯れた身体でぎこちない動きで否定されても納得できるか!」
「それよりもですね、いい加減苦しいんで包帯取っていいですか? こんなお遊び付き合ってられません!」
言うな否や、薄汚い包帯を剥ぎ取っていく電波ミイラ嬢。
「ちょっとちょっと⁉︎ なんてことすんだ⁉︎ そんな見せられないよ! のテロップが入りそうなの姿、見せられたもんじゃないっての⁉︎」
意味不明に喚き散らす俺をスルーして、とっとと剥ぎ取った電波ミイラ嬢。
「よいしょっと……あースッキリした!」
そんな台詞を吐く。
「――な⁉︎」
ヒエログリフに等しい象形文字や壁画が所狭しと描かれた棺の中から、ちっぱいを惜しげもなく晒し背伸びする姿は――。
ヤっべ……。
「こんな時、どう言う顔をしたら良いのか解らないよ」
「笑えば――否、褒め称え崇め奉るが良いと思うよ」
出てきたのは幼女は幼女でも、
枯れきった幼女。
目と口を糸で雑に縫いつけられ死化粧された痩せ細った顔。
ドス黒くも焦茶色に変色した地肌は、瑞々しさの欠片もなくボロボロ。
更にちっぱいの真ん中から下腹部に掛けてはしる、おそらくは内臓を抜かれた際に荒々しく縫合された傷痕。
――見るに痛々しい。
こんな小さな子供が……なんて……酷い。
「残酷かよ――吐いていいかな、俺?」
「存外、酷い対応ですね!」
とかなんとか。
漫才っぽいやり取りに見えるけども、真面目に我慢できずに隅っこで吐いた。
「――失礼。文献や資料でミイラっつーもんは見てたけども……即身仏以上の過酷さでドン引きだわ」
「妾がこんな仕打ちを受ける謂れはない! 大体だな、人柱として埋葬するならツタンのように豪華絢爛にしろってのね!」
身振り手振りのみ憤慨する意思表示。
喋る度に縫われた目と口が突っ張って……。
「あんま動かないで――うぇ……ホラー過ぎる……」
隅っこに行って吐いた俺。
「ちょっとちょっと、酷ない⁉︎ 残酷過ぎない⁉︎ 調査員なんでしょ?」
「いいえ、俺はしがない研究員……過酷過ぎて気持ち悪い」
あまりにもエグい大惨事で見せられないよのテロップ、或いは黒塗りに覆われること必至の電波ミイラ嬢を見ないように棺に押し込み、蓋を閉めてなかったことにした――。
手は水筒の水で入念に洗い、アルコールで綺麗に消毒した。
ちゃんと嗽もし、目薬も差した。
そしてこの場をあとにした――。
外に出てからまた吐いたのは言うまでもない……。
――――――――――
古代の呪いはこんなもんじゃないよ?(完)
【謝辞】
此処までお付き合い頂き、本当に有り難う御座いました。
意図しない誤字脱字が多く、お目汚し、大変失礼致しました。_φ(・_・
0
お気に入りに追加
7
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
俺がママになるんだよ!!~母親のJK時代にタイムリープした少年の話~
美作美琴
キャラ文芸
高校生の早乙女有紀(さおとめゆき)は名前にコンプレックスのある高校生男子だ。
母親の真紀はシングルマザーで有紀を育て、彼は父親を知らないまま成長する。
しかし真紀は急逝し、葬儀が終わった晩に眠ってしまった有紀は目覚めるとそこは授業中の教室、しかも姿は真紀になり彼女の高校時代に来てしまった。
「あなたの父さんを探しなさい」という真紀の遺言を実行するため、有紀は母の親友の美沙と共に自分の父親捜しを始めるのだった。
果たして有紀は無事父親を探し出し元の身体に戻ることが出来るのだろうか?
自分を魔王だとか仰る中二病な美少女と出会いお持ち帰りされた俺は色々と間違っちゃってるのだろうか? ――って、何処かで聴いた表題っぽいのな?
されど電波おやぢは妄想を騙る
キャラ文芸
下校時間になり、いそいそと身支度を整えて帰宅しようと廊下を歩く俺。
そこに気配なく湧い――ゲフンゲフン。現れて通せんぼをブチかます、学校一の超絶美少女。
そんなカースト最上位な御方とは、間違っても接点などないオタクな俺に、わけのわからないことを唐突に仰るときた。
廊下の中心で理不尽を叫ぶ美少女と俺の、現実ではあり得ない摩訶不思議な冒険が――今始まる?
否、もう帰って良いでしょうか?
その幼女、巨乳につき。〜世界を震撼させるアブソリュートな双丘を身に宿す者――その名はナイチチ〜 ――はい? ∑(゚Д゚)
されど電波おやぢは妄想を騙る
ファンタジー
たゆんたゆんでなく、ばいんばいんな七歳の幼女であるナイチチは、実はあらゆる意味で最強の盾を身に宿すシールダーだった。
愉快な仲間二人をお供に連れて訪れていた森の奥で、偶々、魔物に囲まれて瀕死に追い込まれていた、珍しい棒を必死に握り締め生死の境を息を荒げ堪えていた青年タダヒトの窮地を救うことになる――。
ぞんびぃ・ぱにつく 〜アンタらは既に死んでいる〜
されど電波おやぢは妄想を騙る
SF
数週間前、無数の巨大な隕石が地球に飛来し衝突すると言った、人類史上かつてないSFさながらの大惨事が起きる。
一部のカルト信仰な人々は、神の鉄槌が下されたとかなんとかと大騒ぎするのだが……。
その大いなる厄災によって甚大な被害を受けた世界に畳み掛けるが如く、更なる未曾有の危機が世界規模で発生した!
パンデミック――感染爆発が起きたのだ!
地球上に蔓延る微生物――要は細菌が襲来した隕石によって突然変異をさせられ、生き残った人類や生物に猛威を振い、絶滅へと追いやったのだ――。
幸運と言って良いのか……突然変異した菌に耐性のある一握りの極一部。
僅かな人類や生物は生き残ることができた。
唯一、正しく生きていると呼べる人間が辛うじて存在する。
――俺だ。
だがしかし、助かる見込みは万に一つも絶対にないと言える――絶望的な状況。
世紀末、或いは暗黒世界――デイストピアさながらの様相と化したこの過酷な世界で、俺は終わりを迎えるその日が来るまで、今日もしがなく生き抜いていく――。
生ける屍と化した、愉快なゾンビらと共に――。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ニートから脱出するために俺はおっぱいを揉むことにした
阿波野治
キャラ文芸
意識的に理性のタガを外し、攻撃的・好戦的・反社会的になれる存在――「織田信長」。彼女たちのおっぱいを揉めば、彼女たちを救えるだけではなく、報酬も得られるという。紫色の髪の少女・伴麦に誘われて、二十歳のニート・米村米太郎のおっぱいを揉みまくる日々が幕を開けた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
ギャグ作家さんの本領発揮ですね。
思いっきり吹いてしまいました。
拙い筆者の文字の羅列的怪文書を読んで頂いたうえにご感想まで……有難う御座います。
しかし、ギャグ作家ですか。
やっぱり筆者はそっちの方が受けが良く向いてるのでしょうかね? (-.-;)y-~~~