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第二部 新たな出逢い。そして――。
三十七発目 ビレッジ・アドベンチャーを真面目? にやってみるも……おや? おやおや?【後編】
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意味不明に変態が変態し、何も変わっていない変態になったところで、気づけば庇っていたナイチチちゃんとアルチチちゃんの二人が、忽然と姿を消していた。
変態然とした変態にもだが、謎の物体――魔王の恥肉をも出され、それらに完全に気を取られ過ぎていた。
ヤバさテラMAXな緊急事態を招いたのは……俺の責任。
なんせどんな危機的状況に陥ろうとも、悪意を持つ敵である限り、二人は意味不明な加護に守られ絶対に大丈夫――そんな風にいつの間にか納得し、心配はするも安心していたからだ。
そんな俺の浅はかな考え――油断から、こんな状況を招いてしまった。
得体の知れない何かが、俺の内側から滲み出ていく――。
◇◇◇
「おい……二人を何処にやった……」
切っ先を向ける宝剣を握りしめ、目の前のうふふ♡な変態に詰問する。
「私に勝てれば♡ お答え致しますわ――よ♡」
予備動作もなく目の前に湧くうふふ♡な変態。
筋肉ムキムキでピクピクの剛腕で、俺を薙ぎにかかった。
「――え♡」
その瞬間、変態の剛腕が宙を舞った。
「俺は……二人を、何処にやったのかと、お前に、聞いている」
宝剣を振り抜いた姿勢で、うふふ♡な変態を睨む俺がそこに立って居た。
鋭い眼光は縦に細い瞳孔で真紅に染まり、全身から立ち昇る紅蓮と漆黒の靄が入混じった、猛々しくも禍々しい不気味な気配が、俺に纏わりついていた。
「くっ♡ 腕……くらいで――⁉︎」
なくなった肩の付け根を押さえつつ、一瞬で間合いを取ろうと後ろに跳躍するうふふ♡な変態。
否。跳べなかった。
跳ぼうとはしたのだろうが、その場で無防備な死に体を晒すだけに留まり、何が起こったのか解らないのか驚愕の表情になり、無様を晒して仰向けに倒れているに過ぎなかった。
「――あ、脚がぁ! 私の脚がぁ!」
そう。既にその役目を果たす両脚がないのだから。
「俺は、何処にやったのかと、聞いている」
漆黒の宝剣を横に薙いで、不着した穢らしいドス黒い血を払い落とし、途切れ途切れにそう詰問しながらも静かに歩み寄る。
「ひ、ひぃ~……き、急に……な、なによっ⁉︎ 貴様は、なんなのよっ⁉︎」
人を舐めきっていた態度は皆無。
近づく俺から逃れようと、ただ必死に這いずって距離を取ろうとするうふふ♡な変態。
「あがぁっ⁉︎」
だがしかし。容赦なくそれの頭を足蹴にする。
「ぎ、ぎゃぁあっ⁉︎」
そして残った片方の醜い剛腕も真顔で削いでやる。
「何処に、やったかと、聞いている」
両腕両脚を失ったにも関わらず、俺と同じ身長くらいはある大柄なうふふ♡な変態。
その首を鷲掴みにして、無理矢理に引き摺り立たせる。
「あがっ、かぁ、ひゃが、は……」
喉仏を鷲掴みにされる所為で呼吸も儘ならない状態。そのまま俺の方へと引き寄せた。
「耳障りだ。静かに、答えろ」
「――ぶ、ぶべぇらっ⁉︎」
そう言い放った直後、掴んでいた手を離し解放する。
支える腕も脚もなく、頭からうつ伏せで地面に叩きつけられ、呼吸も儘ならずうめくうふふ♡な変態を再び足蹴にする。
「最後だ、ブサイク。答えによっては、驚きのあまり、この手を離してしまう、かもしれない。それに、この剣は重い。支えるのも、辛い。時間をかければ、手が滑ってしまう、かもしれない。なぁ? どうすれば良い、と思う? なぁ? ブサイク」
頸に宝剣の切っ先を乗せ、そう耳元で途切れ途切れながらも抑揚なく、ただ静かに囁いた。
「私た……ち……の……同胞が……安全に……拠点へ……連れ……」
身震いしながらも辿々しくそう言いかけた。その時――。
「――そうか」
抑揚なくたった一言。
と、同時に宝剣が俺の手から滑り落ちた。
変態の頸をそのまま通り過ぎ、地面に深々と突き刺さるのだった。そして――。
「――セイバス、カゲヨ」
抑揚なく呟くと。
「既に御身の前に」「お呼びで」
何処に居たのか。いつ現れたのか。
名を呼ばれた二人は、既に目の前で傅いていた。
「遊びが、過ぎる」
禍々しい気配を放つ紅黒い焔を纏った漆黒の宝剣。
突き刺ささっている地面から抜き、横に薙いで汚れを払い落としつつそう語り始める。
「面目次第も御座いません」
深く傅くセバスちゃん。
「タ、タダヒト様の為にと思って――!」
傅いたまま面をあげることなく言い訳を始めるカゲヨ。
「俺がヤバい――その巫山戯た言葉が、何を意味するか、解るな?」
禍々しい気配の紅黒い焔を纏った漆黒の宝剣を突きつけ、そう抑揚なく静かに告げる。
「御意」「失礼致しました」
「俺を、本気で、怒らせるな」
「――御意。天使様方の御身は、既に馬車に連れ戻して御座います。どうぞご安心下さい」
「慢心した私共の責。二度は御座いません。どうか此度のお怒りをお鎮め下さいませ」
「俺に言え。身内に、気概が加わるような事態は、今は極力、避けろ。特に危機は、悟らせるな――」
そう言い終えると同時に、宝剣が手から離れ落ちる。そしてそのまま脱力したかのように膝から崩れ落ちた。
「――御意」「――畏まりました」
セバスちゃんは宝剣を。カゲヨはタダヒトを。地面に着く前に素早く受け止めるのだった――。
◇◇◇
ガタゴトと揺れる振動と、キャッキャウフフの騒がしい声で唐突に目が覚めた俺?
覚めた? え、覚めたって何?
いつの間に俺は寝てたん? そしてなんで覚めたと思ったん、俺?
何よりも目が覚めたと自分で言っておきながら、視界は未だ真っ暗なんですけども? 何、この状況?
疑問に疑問が重なる中、更に疑問が増す状況に陥るときた。
「あ、にぃに起きたなの? 気分はどうなの? 痛いところとかないなの?」
そう。何故か頭上から耳に届くナイチチちゃんの声が色々とおかしい。
舌足らずで噛み噛みでない、流暢な喋りで気遣ってくれたのもあるけども。
語尾は相変わらずきっちり『なの』だから、間違いなくナイチチちゃんで合ってる筈だけども……なんか違う。
ナ、ナイチチちゃんだよね?
なんでそんな流暢な喋り? え? え?
「目が……覚めてるんだよね、俺。何故に未だ真っ暗なん? 仄かに良い香りがするし、気持ちが凄く良い柔らかさなんですけども……」
そう言ってみたら、途端に周囲からクスクスと笑い声が聞こえてきた。今の何処に笑う要素があったんだろう?
「あ、ごめんなの。直ぐにどかすなの。よっこいしょ……なの」
その直後、急に視界が開けた。
そしてぼんやりと映る視界が鮮明になっていくと、寝ている俺の真上に超絶美少女が。
――え? 真上に? 超絶美少女?
「にぃに、おはーなの。気持ち良く眠れたなの? ヨメママがこうしたら、にぃにが起きた時に凄く喜ぶからって……頑張ったなの」
そう言葉を投げ掛けつつ、左右の色が違うクリッとした瞳で俺を覗き込んでる超絶美少女。
流れるようにさらりとした美しい金髪――プラチナブロンドの癖っ毛が、俺の頬にちょろちょろと当たりくすぐったい。
それも見た目は十代の超絶美少女だゆーに、ナイチチちゃんを軽く凌駕するほどに、たわわ過ぎる果実の持ち主である。
どうやらオレはこの子に膝枕をしてもらい、とんでもない巨大過ぎるなまら凄い乳を額に載せられていた模様。
もう一度言う。
幼乳神様を軽く凌駕する、凶悪無比な異常過ぎる大きさの乳、だ。
そんな色んな意味で凄い破壊力の超絶美少女が、俺の頭上から微笑んでいる状況って――そうか!
「貴女様でしたか。あの変態から俺の目を謎の影、或いは光り、はたまた舞うゴミで守って下さっていた何処ぞの女神様は。その節は大変に助かりました。そして今も介抱して下さりありがとうございます」
目を静かに瞑り、胸の上で合唱し、心から感謝の祈りを捧げた。
すると再び周囲からクスクスと笑い声が。
「にぃに。寝ぼけてないで起きるなの!」
そして俺の両頬が柔らかくも優しい手で包まれた。そして上を向かされて顔をしっかりと拝まされて……思った。
否。俺の絶叫が馬車の中で木霊した。
「な、なんでナイチチちゃんが……大人チックな超絶美少女になってんのよーーっ⁉︎」
幼乳神様たる美幼女が、女神様の如くな超絶美少女に――って、夢か? 夢なんか?
――――――――――
いつもと雰囲気が違う俺はオレ? そうです。オレが変な俺ですっ!
否。そんなことよりナイチチちゃん……どしたんその姿は⁉︎∑(゚Д゚)
変態然とした変態にもだが、謎の物体――魔王の恥肉をも出され、それらに完全に気を取られ過ぎていた。
ヤバさテラMAXな緊急事態を招いたのは……俺の責任。
なんせどんな危機的状況に陥ろうとも、悪意を持つ敵である限り、二人は意味不明な加護に守られ絶対に大丈夫――そんな風にいつの間にか納得し、心配はするも安心していたからだ。
そんな俺の浅はかな考え――油断から、こんな状況を招いてしまった。
得体の知れない何かが、俺の内側から滲み出ていく――。
◇◇◇
「おい……二人を何処にやった……」
切っ先を向ける宝剣を握りしめ、目の前のうふふ♡な変態に詰問する。
「私に勝てれば♡ お答え致しますわ――よ♡」
予備動作もなく目の前に湧くうふふ♡な変態。
筋肉ムキムキでピクピクの剛腕で、俺を薙ぎにかかった。
「――え♡」
その瞬間、変態の剛腕が宙を舞った。
「俺は……二人を、何処にやったのかと、お前に、聞いている」
宝剣を振り抜いた姿勢で、うふふ♡な変態を睨む俺がそこに立って居た。
鋭い眼光は縦に細い瞳孔で真紅に染まり、全身から立ち昇る紅蓮と漆黒の靄が入混じった、猛々しくも禍々しい不気味な気配が、俺に纏わりついていた。
「くっ♡ 腕……くらいで――⁉︎」
なくなった肩の付け根を押さえつつ、一瞬で間合いを取ろうと後ろに跳躍するうふふ♡な変態。
否。跳べなかった。
跳ぼうとはしたのだろうが、その場で無防備な死に体を晒すだけに留まり、何が起こったのか解らないのか驚愕の表情になり、無様を晒して仰向けに倒れているに過ぎなかった。
「――あ、脚がぁ! 私の脚がぁ!」
そう。既にその役目を果たす両脚がないのだから。
「俺は、何処にやったのかと、聞いている」
漆黒の宝剣を横に薙いで、不着した穢らしいドス黒い血を払い落とし、途切れ途切れにそう詰問しながらも静かに歩み寄る。
「ひ、ひぃ~……き、急に……な、なによっ⁉︎ 貴様は、なんなのよっ⁉︎」
人を舐めきっていた態度は皆無。
近づく俺から逃れようと、ただ必死に這いずって距離を取ろうとするうふふ♡な変態。
「あがぁっ⁉︎」
だがしかし。容赦なくそれの頭を足蹴にする。
「ぎ、ぎゃぁあっ⁉︎」
そして残った片方の醜い剛腕も真顔で削いでやる。
「何処に、やったかと、聞いている」
両腕両脚を失ったにも関わらず、俺と同じ身長くらいはある大柄なうふふ♡な変態。
その首を鷲掴みにして、無理矢理に引き摺り立たせる。
「あがっ、かぁ、ひゃが、は……」
喉仏を鷲掴みにされる所為で呼吸も儘ならない状態。そのまま俺の方へと引き寄せた。
「耳障りだ。静かに、答えろ」
「――ぶ、ぶべぇらっ⁉︎」
そう言い放った直後、掴んでいた手を離し解放する。
支える腕も脚もなく、頭からうつ伏せで地面に叩きつけられ、呼吸も儘ならずうめくうふふ♡な変態を再び足蹴にする。
「最後だ、ブサイク。答えによっては、驚きのあまり、この手を離してしまう、かもしれない。それに、この剣は重い。支えるのも、辛い。時間をかければ、手が滑ってしまう、かもしれない。なぁ? どうすれば良い、と思う? なぁ? ブサイク」
頸に宝剣の切っ先を乗せ、そう耳元で途切れ途切れながらも抑揚なく、ただ静かに囁いた。
「私た……ち……の……同胞が……安全に……拠点へ……連れ……」
身震いしながらも辿々しくそう言いかけた。その時――。
「――そうか」
抑揚なくたった一言。
と、同時に宝剣が俺の手から滑り落ちた。
変態の頸をそのまま通り過ぎ、地面に深々と突き刺さるのだった。そして――。
「――セイバス、カゲヨ」
抑揚なく呟くと。
「既に御身の前に」「お呼びで」
何処に居たのか。いつ現れたのか。
名を呼ばれた二人は、既に目の前で傅いていた。
「遊びが、過ぎる」
禍々しい気配を放つ紅黒い焔を纏った漆黒の宝剣。
突き刺ささっている地面から抜き、横に薙いで汚れを払い落としつつそう語り始める。
「面目次第も御座いません」
深く傅くセバスちゃん。
「タ、タダヒト様の為にと思って――!」
傅いたまま面をあげることなく言い訳を始めるカゲヨ。
「俺がヤバい――その巫山戯た言葉が、何を意味するか、解るな?」
禍々しい気配の紅黒い焔を纏った漆黒の宝剣を突きつけ、そう抑揚なく静かに告げる。
「御意」「失礼致しました」
「俺を、本気で、怒らせるな」
「――御意。天使様方の御身は、既に馬車に連れ戻して御座います。どうぞご安心下さい」
「慢心した私共の責。二度は御座いません。どうか此度のお怒りをお鎮め下さいませ」
「俺に言え。身内に、気概が加わるような事態は、今は極力、避けろ。特に危機は、悟らせるな――」
そう言い終えると同時に、宝剣が手から離れ落ちる。そしてそのまま脱力したかのように膝から崩れ落ちた。
「――御意」「――畏まりました」
セバスちゃんは宝剣を。カゲヨはタダヒトを。地面に着く前に素早く受け止めるのだった――。
◇◇◇
ガタゴトと揺れる振動と、キャッキャウフフの騒がしい声で唐突に目が覚めた俺?
覚めた? え、覚めたって何?
いつの間に俺は寝てたん? そしてなんで覚めたと思ったん、俺?
何よりも目が覚めたと自分で言っておきながら、視界は未だ真っ暗なんですけども? 何、この状況?
疑問に疑問が重なる中、更に疑問が増す状況に陥るときた。
「あ、にぃに起きたなの? 気分はどうなの? 痛いところとかないなの?」
そう。何故か頭上から耳に届くナイチチちゃんの声が色々とおかしい。
舌足らずで噛み噛みでない、流暢な喋りで気遣ってくれたのもあるけども。
語尾は相変わらずきっちり『なの』だから、間違いなくナイチチちゃんで合ってる筈だけども……なんか違う。
ナ、ナイチチちゃんだよね?
なんでそんな流暢な喋り? え? え?
「目が……覚めてるんだよね、俺。何故に未だ真っ暗なん? 仄かに良い香りがするし、気持ちが凄く良い柔らかさなんですけども……」
そう言ってみたら、途端に周囲からクスクスと笑い声が聞こえてきた。今の何処に笑う要素があったんだろう?
「あ、ごめんなの。直ぐにどかすなの。よっこいしょ……なの」
その直後、急に視界が開けた。
そしてぼんやりと映る視界が鮮明になっていくと、寝ている俺の真上に超絶美少女が。
――え? 真上に? 超絶美少女?
「にぃに、おはーなの。気持ち良く眠れたなの? ヨメママがこうしたら、にぃにが起きた時に凄く喜ぶからって……頑張ったなの」
そう言葉を投げ掛けつつ、左右の色が違うクリッとした瞳で俺を覗き込んでる超絶美少女。
流れるようにさらりとした美しい金髪――プラチナブロンドの癖っ毛が、俺の頬にちょろちょろと当たりくすぐったい。
それも見た目は十代の超絶美少女だゆーに、ナイチチちゃんを軽く凌駕するほどに、たわわ過ぎる果実の持ち主である。
どうやらオレはこの子に膝枕をしてもらい、とんでもない巨大過ぎるなまら凄い乳を額に載せられていた模様。
もう一度言う。
幼乳神様を軽く凌駕する、凶悪無比な異常過ぎる大きさの乳、だ。
そんな色んな意味で凄い破壊力の超絶美少女が、俺の頭上から微笑んでいる状況って――そうか!
「貴女様でしたか。あの変態から俺の目を謎の影、或いは光り、はたまた舞うゴミで守って下さっていた何処ぞの女神様は。その節は大変に助かりました。そして今も介抱して下さりありがとうございます」
目を静かに瞑り、胸の上で合唱し、心から感謝の祈りを捧げた。
すると再び周囲からクスクスと笑い声が。
「にぃに。寝ぼけてないで起きるなの!」
そして俺の両頬が柔らかくも優しい手で包まれた。そして上を向かされて顔をしっかりと拝まされて……思った。
否。俺の絶叫が馬車の中で木霊した。
「な、なんでナイチチちゃんが……大人チックな超絶美少女になってんのよーーっ⁉︎」
幼乳神様たる美幼女が、女神様の如くな超絶美少女に――って、夢か? 夢なんか?
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いつもと雰囲気が違う俺はオレ? そうです。オレが変な俺ですっ!
否。そんなことよりナイチチちゃん……どしたんその姿は⁉︎∑(゚Д゚)
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