七夕考察 ──織姫と彦星の裏話?──

紫ノ宮風香

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裏話の裏話は表じゃありません ──彦星視点──

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昨日は愛しい織姫と一年ぶりの逢瀬。次に逢えるのはまた来年の七夕のみ。
寂しいけれども、頑張って仕事しないと年に一度の逢瀬も許されなくなる。ああ、何て世知辛いんだ。

最近は牛飼いじゃ稼げないからと、下界で知名度の上がってきている動画とやらの仕事をしろと言われている。しかも織姫との逢瀬の色々を下界に全部公開しろと!
勿論断ったさ。年に一度の癒しの日を金儲けに利用されるなんてたまったもんじゃない。

ところが・・・
断った翌年から、逢瀬の時間や場所の制限がつけられるようになってしまった。そして下界からは七夕の夜だけ変な飛行物体がこちらに飛んでくるようになった。特に織姫に付きまとうように・・・





☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

「私たちの逢瀬の邪魔をするなんて許せませんわ!」

織姫が激怒し、どこで覚えてきたのか雨雲を呼び寄せ下界に雨を降らせ、僕たちの逢瀬の邪魔ができないようにしていた。
といっても、夫婦のはずの僕たちの逢瀬は、日暮れ後から日付が変わる前までの4時間少々。

夫婦で過ごせる時間がこんなに短いって酷くない?!

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★











──不満ならいつでも別れればいい

その一言で僕はずっと圧力をかけられてる。一途な織姫はものすごく人気が高いらしい。僕も一途なんだけどな。おかしいな。

腹立たしいから、そろそろ圧力かけられてる現場を動画で暴露しようかな。
ライブ動画、だっけ? そのまま流すやつ。
長い間こんな酷い目にあってるんだから、状況改善のために動いてもいいよね?

下界の良識を持った皆様へ。もしも七夕という行事がなくなったらごめんね?
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