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●100万分の1●
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朝目が覚めても、逸郎の隣に菜々緒はいた。
本当に逃げるつもりがないのか信じるのが怖いが、隣に菜々緒がいてくれて逸郎はホッとする。
37歳にして初めて風俗以外の女性を抱いた事に、逸郎の心は幸せで満たされていた。
「菜々緒。仕事行くよ」
まだ眠っている菜々緒に逸郎は話しかける。
「……あ、おはようございます」
菜々緒はまだ寝ぼけていた。
「体、大丈夫?」
昨夜の事で逸郎は菜々緒をいたわる。
「少し、体がダルいだけです……」
菜々緒は逸郎に両手を差し出す。
逸郎は菜々緒の両手首を軽く握り首を振った。
「手錠はもうしない。菜々緒が俺を好きだって言ってくれたから。ずっとこの家にいてくれるって信じてる」
逸郎にしてみれば一か八かの賭けでもあった。
菜々緒の気持ちを信じているが、もし菜々緒が逃げても後悔しないと決めた。
最初で最後だったとしても、好きな女性を抱けたことの方が逸郎には大切だった。
「すぐに朝食作りますね。お弁当は、間に合わないかな」
菜々緒がにっこり微笑んでベッドから起き上がる。
「逸郎さん。今夜、何食べたいですか?」
冷蔵庫を開けながら菜々緒が尋ねる。
逸郎は夢のようで涙が出そうになった。
「……菜々緒の得意な物ならなんでも良いよ」
涙声の逸郎を菜々緒は笑顔で見る。
「はい。楽しみにしててくださいね」
夢なら覚めないでくれと願いながら、朝食を終えた逸郎は、玄関のドアの外鍵を掛けずに仕事に向かった。
本当に逃げるつもりがないのか信じるのが怖いが、隣に菜々緒がいてくれて逸郎はホッとする。
37歳にして初めて風俗以外の女性を抱いた事に、逸郎の心は幸せで満たされていた。
「菜々緒。仕事行くよ」
まだ眠っている菜々緒に逸郎は話しかける。
「……あ、おはようございます」
菜々緒はまだ寝ぼけていた。
「体、大丈夫?」
昨夜の事で逸郎は菜々緒をいたわる。
「少し、体がダルいだけです……」
菜々緒は逸郎に両手を差し出す。
逸郎は菜々緒の両手首を軽く握り首を振った。
「手錠はもうしない。菜々緒が俺を好きだって言ってくれたから。ずっとこの家にいてくれるって信じてる」
逸郎にしてみれば一か八かの賭けでもあった。
菜々緒の気持ちを信じているが、もし菜々緒が逃げても後悔しないと決めた。
最初で最後だったとしても、好きな女性を抱けたことの方が逸郎には大切だった。
「すぐに朝食作りますね。お弁当は、間に合わないかな」
菜々緒がにっこり微笑んでベッドから起き上がる。
「逸郎さん。今夜、何食べたいですか?」
冷蔵庫を開けながら菜々緒が尋ねる。
逸郎は夢のようで涙が出そうになった。
「……菜々緒の得意な物ならなんでも良いよ」
涙声の逸郎を菜々緒は笑顔で見る。
「はい。楽しみにしててくださいね」
夢なら覚めないでくれと願いながら、朝食を終えた逸郎は、玄関のドアの外鍵を掛けずに仕事に向かった。
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