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●100万分の1●
3-5
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時刻が20時になろうとした頃、真古登がアパートに帰ってきた。
通勤カバンにコンビニの袋。
袋の感じから、それが今夜の夕飯だと蓮司は思った。
真古登がアパートの2階の自分の部屋に入ると電気が点いて、やはり部屋には誰もいなかったかと蓮司は確認し、アパートの部屋を出ると足を真古登の部屋に向けた。
真古登の部屋の前に立つと、蓮司はインターホンを押す。
真古登はインターホンの音にビクッと反応して玄関に目を向けた。
こんな時間に訪ねて来る者などいないからだった。
居留守を決め込もうと、真古登は買ってきたコンビニの袋から弁当を出す。
『すみません』
インターホンから声が聞こえて、真古登は再びドアに目を向ける。
蓮司は外でただ待っていた。
真古登は面倒臭そうに立ち上がるとインターホンに出た。
「はい?」
真古登が外にいる蓮司を確認する。
『下の階に引っ越して来た者ですが。ご挨拶に』
はぁ?と真古登は驚く。
近所付き合いなど、今まで1度もしたことが無い。
誰かが引っ越してきても全く関心もなかった。
もちろん実際蓮司は、このアパートに引っ越しても来ていないが、真古登はそれすらも気が付かない。
「ちょっと待ってね」
無碍に断ることもできず、真古登は掃き出しにある大量に空のペットボトルが入った袋を足で横に避けて渋々玄関を開けた。
中の様子が外にも伝わっていたので、ドアが開いた瞬間に流石に蓮司も緊張した。
「引っ越してきた鈴木です。明かりが見えたので挨拶に来ました」
蓮司は鈴木と偽名を使い、ビニール袋に入ったタオルを真古登に渡しながら部屋の中を見た。
このアパートの間取り図を健からもらっていたので内部は分かっていたが、ワンルームの部屋の奥まで玄関から見え素早くチェックする。
玄関に女物のスニーカーが1つあったが、部屋の中はゴミだらけで、他に誰かいる気配は感じられなかった。その為スニーカーは居なくなった菜々緒の物かと察した。
「わざわざどーも。じゃあ」
真古登はタオルを受け取ると、さっさと蓮司を追い返したかった。
「これから、よろしくお願いしますね」
蓮司はにっこり笑って真古登の部屋のドアを閉めてホッと息を吐く。
とりあえず、部屋に菜々緒がいない事は確定した。
部屋のゴミを見る限り、1人になってかなり時間は経っていると見て、とりあえず、しばらくは様子を見るしか無いと思った。
通勤カバンにコンビニの袋。
袋の感じから、それが今夜の夕飯だと蓮司は思った。
真古登がアパートの2階の自分の部屋に入ると電気が点いて、やはり部屋には誰もいなかったかと蓮司は確認し、アパートの部屋を出ると足を真古登の部屋に向けた。
真古登の部屋の前に立つと、蓮司はインターホンを押す。
真古登はインターホンの音にビクッと反応して玄関に目を向けた。
こんな時間に訪ねて来る者などいないからだった。
居留守を決め込もうと、真古登は買ってきたコンビニの袋から弁当を出す。
『すみません』
インターホンから声が聞こえて、真古登は再びドアに目を向ける。
蓮司は外でただ待っていた。
真古登は面倒臭そうに立ち上がるとインターホンに出た。
「はい?」
真古登が外にいる蓮司を確認する。
『下の階に引っ越して来た者ですが。ご挨拶に』
はぁ?と真古登は驚く。
近所付き合いなど、今まで1度もしたことが無い。
誰かが引っ越してきても全く関心もなかった。
もちろん実際蓮司は、このアパートに引っ越しても来ていないが、真古登はそれすらも気が付かない。
「ちょっと待ってね」
無碍に断ることもできず、真古登は掃き出しにある大量に空のペットボトルが入った袋を足で横に避けて渋々玄関を開けた。
中の様子が外にも伝わっていたので、ドアが開いた瞬間に流石に蓮司も緊張した。
「引っ越してきた鈴木です。明かりが見えたので挨拶に来ました」
蓮司は鈴木と偽名を使い、ビニール袋に入ったタオルを真古登に渡しながら部屋の中を見た。
このアパートの間取り図を健からもらっていたので内部は分かっていたが、ワンルームの部屋の奥まで玄関から見え素早くチェックする。
玄関に女物のスニーカーが1つあったが、部屋の中はゴミだらけで、他に誰かいる気配は感じられなかった。その為スニーカーは居なくなった菜々緒の物かと察した。
「わざわざどーも。じゃあ」
真古登はタオルを受け取ると、さっさと蓮司を追い返したかった。
「これから、よろしくお願いしますね」
蓮司はにっこり笑って真古登の部屋のドアを閉めてホッと息を吐く。
とりあえず、部屋に菜々緒がいない事は確定した。
部屋のゴミを見る限り、1人になってかなり時間は経っていると見て、とりあえず、しばらくは様子を見るしか無いと思った。
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