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●目には目を歯には歯を●
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「とりあえず頼んだ事は助かった。これは報酬だ」
封筒を差し出されて、蓮司はそれを受け取る。
「俺の個人的な金だから、領収書の類はない」
本当に9日分の金額が入っていて、臨時収入に蓮司の顔が緩む。
「無駄遣いすんなよ」
クスクスと健は笑う。
「しないよ。計画があって貯金してんだよ」
貯金と聞いて、意外としっかりしているなと健は蓮司を見た。
「何か大きな買い物でもするのか?車とか?」
「違う。大学生だし、一人暮らししたいと思ってさ」
蓮司は照れる。
「別に家から通えない距離でも無いだろ?あー、女か?」
健はニヤニヤして冷やかす。
「うっせーな。どうだって良いだろ」
図星かと健は笑う。
「アパート探すときは相談してくれ。良い物件紹介するぞ」
誰が頼むかと、蓮司はまだ赤面してムッとする。
「それにしても、その噂の大怪我をさせられた同級生は気になるな。噂で止まっていると言う事は、大きな事件にはならなかったと言う事だろうし」
「もし、その噂が本当で、被害に遭った相手が復讐で3人に怪我をさせたとしたら?」
「そこなんだ。3人とも命に関わるほどの怪我はしていない。初めから殺すつもりは無かったんだろうな。それが思った以上に大きな事件になって、犯人は焦っているかもしれない」
初めは仕返しの犯行だったが、まさか重夫が自分の後を追って来るとは思っていなかったのだろう。
それがこんなインシデントになり、1番焦っているのは犯人だなと健は想像した。
「明日時間あるか?」
「明日はバイトだよ」
健はふぅと息をつく。
「仕方ない。俺1人で行くか」
「どこに?」
蓮司は少しだけ気になった。
「お前の話にちょっと引っかかってね。それを確認しに」
「確認?俺の話で何が引っかかったんだよ」
健が何に気づいたのかだいぶ気になってきた。
「……おそらく、その人物に聞けば犯人が分かりそうだ」
「どう言う事?」
不敵な笑みの健に、蓮司はなぜ急にそんな事を思ったのか謎だった。
「俺の考えが合っていたら、お前にもきちんと報告してやる」
健に勿体つけられて蓮司は苛々するも、どうせまた企業秘密ではぐらかされるだろうと深くは追及するのを辞めた。
封筒を差し出されて、蓮司はそれを受け取る。
「俺の個人的な金だから、領収書の類はない」
本当に9日分の金額が入っていて、臨時収入に蓮司の顔が緩む。
「無駄遣いすんなよ」
クスクスと健は笑う。
「しないよ。計画があって貯金してんだよ」
貯金と聞いて、意外としっかりしているなと健は蓮司を見た。
「何か大きな買い物でもするのか?車とか?」
「違う。大学生だし、一人暮らししたいと思ってさ」
蓮司は照れる。
「別に家から通えない距離でも無いだろ?あー、女か?」
健はニヤニヤして冷やかす。
「うっせーな。どうだって良いだろ」
図星かと健は笑う。
「アパート探すときは相談してくれ。良い物件紹介するぞ」
誰が頼むかと、蓮司はまだ赤面してムッとする。
「それにしても、その噂の大怪我をさせられた同級生は気になるな。噂で止まっていると言う事は、大きな事件にはならなかったと言う事だろうし」
「もし、その噂が本当で、被害に遭った相手が復讐で3人に怪我をさせたとしたら?」
「そこなんだ。3人とも命に関わるほどの怪我はしていない。初めから殺すつもりは無かったんだろうな。それが思った以上に大きな事件になって、犯人は焦っているかもしれない」
初めは仕返しの犯行だったが、まさか重夫が自分の後を追って来るとは思っていなかったのだろう。
それがこんなインシデントになり、1番焦っているのは犯人だなと健は想像した。
「明日時間あるか?」
「明日はバイトだよ」
健はふぅと息をつく。
「仕方ない。俺1人で行くか」
「どこに?」
蓮司は少しだけ気になった。
「お前の話にちょっと引っかかってね。それを確認しに」
「確認?俺の話で何が引っかかったんだよ」
健が何に気づいたのかだいぶ気になってきた。
「……おそらく、その人物に聞けば犯人が分かりそうだ」
「どう言う事?」
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「俺の考えが合っていたら、お前にもきちんと報告してやる」
健に勿体つけられて蓮司は苛々するも、どうせまた企業秘密ではぐらかされるだろうと深くは追及するのを辞めた。
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