田辺君はずるいから

五嶋樒榴

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26ずるい・ご褒美

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諭と付き合うようになって初めて経験する事が多くて、田辺は戸惑いながらもそんな毎日が楽しい。

「俺、週末に実家に帰るね」

実家に帰らせてもらいます!
と聞こえて田辺は諭を見る。

「はぁ?なんでですかッ?」

突然不機嫌になる田辺。
諭はびっくりして、クリクリのまん丸の目で田辺を見つめる。

「あ、あのッ!週末、ねーちゃんの結婚式だからッ!」

ハッとする田辺。

「ああ、そう言えば、前に言ってましたね」

冷静になり田辺はテーブルの上のグラスを手に取る。

「金曜日に帰って、日曜日には帰ってくるから」

ドリンクを飲みながら仕方ないかと田辺は思う。

「あれ?週末いないのに、冷蔵庫パンパンに買い物してきましたよね」

「うん。金曜と土曜に食べるおかず作り置きしておくね。だからご飯ちゃんと炊いて食べてね」

にっこり笑って言う諭。
田辺はグラスをテーブルに戻して諭を抱きしめる。

「どうしたんだよぉ。週末一緒に過ごせなくて寂しい?」

諭は抱きしめられてキュンキュンする。
田辺が寂しがってると思って嬉しくなる。

「ちゃんと俺の事考えてくれて嬉しいなって思って。おかず作り置きなんて考えもしなかった」

「俺、偉い?」

「はい。偉い」

頭ナデナデする田辺。

「じゃあ、ご褒美ちょうだい」

「なんですか?その催促」

クスクス笑う田辺。

「ダメ?」

上目遣いで諭は催促する。

「ダメじゃないですよ?どんなご褒美欲しいですか?」

田辺の目が変わる。気づかない諭。

「もっと強く抱っこで、キスして」

甘える諭の言う通りにする田辺。

「あとは?」

「…………あとはぁ、田辺の好きにシて良いけど」

恥ずかしくて逃げる諭。

「それじゃ分かりません。俺の好きにしたらご褒美になりませんよ?」

田辺のスイッチが入って諭は真っ赤になる。

「ほら、言ってください?ほら、どうされたいんです?」

田辺を煽ってしまった諭は、ご褒美と言ってしまったことにアタフタする。
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