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依存からの共存
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春夜は失神していた。
ベッドのシーツは、ビチャビチャに濡れていて、そこを避ける様に春夜の身体を真騎士はずらしていた。
春夜が目を覚ますと、真騎士はベッドの端に腰掛けていた。
「……………僕、どうしたの?」
「覚えてない?」
真騎士が静かに尋ねる。
「すごく気持ち良かったのは覚えてる。何度も中がイっちゃって、何度も射精したのも」
春夜が言うと真騎士は春夜の頬に指で触れる。
「射精したのは俺の口の中にだけだよ。シーツ、ぐっしょり濡れてるでしょ?」
真騎士に言われてビチャビチャのシーツを見て、春夜は気持ち良くてお漏らしをしたんだと思って恥ずかしくなった。
「ごめんなさい!僕、お漏らししたんだ!ごめんなさい!」
春夜は泣きそうになった。恥ずかしくて顔を枕に埋めた。
「違うよ。潮を吹いたんだよ。お漏らしじゃないから。男も潮吹きするんだ。気持ちいいとね」
真騎士が優しくそう言うと、春夜は泣きそうな顔で真騎士を見つめる。
「……………こんなの、こんなに気持ち良かったの初めて」
うっとりとした瞳でそう言うと春夜は真騎士を見つめる。
「……………もっともっと真騎士さんとエッチしたい。でも、もう二度としない」
キッパリ言い切った春夜の意外な言葉に真騎士は驚いた。
「真騎士さんに囚われて、僕、信行に悪いことした。僕は、自分の事しか考えてなかった」
春夜は泣き出した。
冷静になると自分がどんなに愚かだったか分かってきた。
「春夜にそうさせたのは俺のせいだ。俺が全て悪かった。俺のせいでお前の友達まで傷つけてしまった。本当にすまない」
真騎士はそう言うと春夜を優しく抱きしめた。
「……………俺は麻人と別れる。春夜とこんな関係になったのに、麻人と付き合うのは麻人にも失礼だ。そして、俺ももう二度とお前にも触れない」
真騎士の言葉を聞きながら春夜も真騎士を抱きしめた。
「うん。ごめんなさい。僕も、もう真騎士さんを欲しがらない。ちゃんと信行にも謝る。きっと許してくれないだろうけど、僕がした事はそれだけ酷い事だから」
真騎士と春夜はお互いの思いを告白すると静かに身体を離した。
「真騎士さん。僕、本当は真騎士さんを叔父さんって呼びたかった。でも、僕の中で色んな葛藤があった。素直になりたくなかった。真騎士さんを愛してるのは本当だよ。でも、これ以上この関係を続けたら、僕はきっとおかしくなる。性欲に支配される。それも分かってる。本当は真騎士さんともっと愛し合っていたいけど、僕は真騎士さんと結ばれてはいけないって分かってる。だからもうしない。いつかこうなったとしても、一度きりの最初で最後って決めてた」
しっかりとした瞳で春夜は真騎士に語る。
「僕はあの夜、真騎士さんをあの人に取られると不安だった。真騎士さんを繋ぎ止めないと捨てられるって。怖かった」
春夜の言葉に、真騎士は顔を歪める。
自分がどんなに目の前の少年を傷つけてきたかと思うと、自分が情けなくて消えてしまいたくなる。
「でも真騎士さんも僕を愛していてくれた。お互い歪んだ愛情だったのは分かってる。でも愛されてるって分かったから、僕は真騎士さんとやり直したい」
真騎士は自分の罪を悔いながらも、春夜が大人になっていることが嬉しかった。
これから残りの人生は、春夜へ償って生きると決めた。
「……………俺もそう思う。だから今までお前とこうなるのが怖かった。お前にのめり込む自分がわかっていたから。お前がこれをきっかけに俺との関係を修復してくれると嬉しい。俺はお前に信用される人間になりたい」
真騎士の言葉に春夜は微笑む。
「こんなことしちゃったから、しばらくは意識しちゃうけど、ちゃんと叔父さんとして僕は真騎士さんを頼っていきたい。僕がちゃんと大人になるまで見守ってくれる?」
春夜の言葉に真騎士は頷く。
「もちろんだよ。大事な甥っ子として、これからもずっと見守っていくよ」
真騎士が言うと春夜は嬉しそうに微笑んだ。
何かを掛け違えてしまった。
欲望と性欲に支配されて、自分の欲求だけをひたすら求めてしまったふたり。
ただ、傷つけてしまった代償は大きかった。
ベッドのシーツは、ビチャビチャに濡れていて、そこを避ける様に春夜の身体を真騎士はずらしていた。
春夜が目を覚ますと、真騎士はベッドの端に腰掛けていた。
「……………僕、どうしたの?」
「覚えてない?」
真騎士が静かに尋ねる。
「すごく気持ち良かったのは覚えてる。何度も中がイっちゃって、何度も射精したのも」
春夜が言うと真騎士は春夜の頬に指で触れる。
「射精したのは俺の口の中にだけだよ。シーツ、ぐっしょり濡れてるでしょ?」
真騎士に言われてビチャビチャのシーツを見て、春夜は気持ち良くてお漏らしをしたんだと思って恥ずかしくなった。
「ごめんなさい!僕、お漏らししたんだ!ごめんなさい!」
春夜は泣きそうになった。恥ずかしくて顔を枕に埋めた。
「違うよ。潮を吹いたんだよ。お漏らしじゃないから。男も潮吹きするんだ。気持ちいいとね」
真騎士が優しくそう言うと、春夜は泣きそうな顔で真騎士を見つめる。
「……………こんなの、こんなに気持ち良かったの初めて」
うっとりとした瞳でそう言うと春夜は真騎士を見つめる。
「……………もっともっと真騎士さんとエッチしたい。でも、もう二度としない」
キッパリ言い切った春夜の意外な言葉に真騎士は驚いた。
「真騎士さんに囚われて、僕、信行に悪いことした。僕は、自分の事しか考えてなかった」
春夜は泣き出した。
冷静になると自分がどんなに愚かだったか分かってきた。
「春夜にそうさせたのは俺のせいだ。俺が全て悪かった。俺のせいでお前の友達まで傷つけてしまった。本当にすまない」
真騎士はそう言うと春夜を優しく抱きしめた。
「……………俺は麻人と別れる。春夜とこんな関係になったのに、麻人と付き合うのは麻人にも失礼だ。そして、俺ももう二度とお前にも触れない」
真騎士の言葉を聞きながら春夜も真騎士を抱きしめた。
「うん。ごめんなさい。僕も、もう真騎士さんを欲しがらない。ちゃんと信行にも謝る。きっと許してくれないだろうけど、僕がした事はそれだけ酷い事だから」
真騎士と春夜はお互いの思いを告白すると静かに身体を離した。
「真騎士さん。僕、本当は真騎士さんを叔父さんって呼びたかった。でも、僕の中で色んな葛藤があった。素直になりたくなかった。真騎士さんを愛してるのは本当だよ。でも、これ以上この関係を続けたら、僕はきっとおかしくなる。性欲に支配される。それも分かってる。本当は真騎士さんともっと愛し合っていたいけど、僕は真騎士さんと結ばれてはいけないって分かってる。だからもうしない。いつかこうなったとしても、一度きりの最初で最後って決めてた」
しっかりとした瞳で春夜は真騎士に語る。
「僕はあの夜、真騎士さんをあの人に取られると不安だった。真騎士さんを繋ぎ止めないと捨てられるって。怖かった」
春夜の言葉に、真騎士は顔を歪める。
自分がどんなに目の前の少年を傷つけてきたかと思うと、自分が情けなくて消えてしまいたくなる。
「でも真騎士さんも僕を愛していてくれた。お互い歪んだ愛情だったのは分かってる。でも愛されてるって分かったから、僕は真騎士さんとやり直したい」
真騎士は自分の罪を悔いながらも、春夜が大人になっていることが嬉しかった。
これから残りの人生は、春夜へ償って生きると決めた。
「……………俺もそう思う。だから今までお前とこうなるのが怖かった。お前にのめり込む自分がわかっていたから。お前がこれをきっかけに俺との関係を修復してくれると嬉しい。俺はお前に信用される人間になりたい」
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「こんなことしちゃったから、しばらくは意識しちゃうけど、ちゃんと叔父さんとして僕は真騎士さんを頼っていきたい。僕がちゃんと大人になるまで見守ってくれる?」
春夜の言葉に真騎士は頷く。
「もちろんだよ。大事な甥っ子として、これからもずっと見守っていくよ」
真騎士が言うと春夜は嬉しそうに微笑んだ。
何かを掛け違えてしまった。
欲望と性欲に支配されて、自分の欲求だけをひたすら求めてしまったふたり。
ただ、傷つけてしまった代償は大きかった。
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