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依存からの共存
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真騎士は風呂から上がると春夜の部屋のドアをノックした。
「春夜。さっきはごめんよ。お前を育てることに焦っているのかもしれない。ちゃんと育てないとって。もしそれがお前のプレッシャーになってるなら気をつけるよ」
ドア越しで真騎士は春夜に語りかけていたが、春夜は部屋から出てきた。
「……………僕もお風呂入るよ。僕も反抗的な態度とってごめんなさい。夏休みにはちゃんと夏季講習も行くから」
春夜はそう言うと真騎士の横をすり抜けて洗面所に入って行った。
真騎士はリビングに戻りテレビのチャンネルをニュースに変えた。
ただぼんやりとニュースを見ていたら、春夜がリビングに入ってきた。
下はスウェットを履いていたが、上は肩にバスタオルを掛けて裸だった。
春夜の上半身を真騎士は見れなかった。
まだどこかで、真騎士の中で、春夜に対しての欲求が燻り続けていた。
若気の至りとは言え、春夜を性的対象に見てしまったことが、真騎士の中で自分を責めながらもどこか背徳に酔いしれている部分もあった。
無垢な春夜に向けてしまった劣情。
晋を抱きながら春夜を思い浮かべ、頭の中で春夜を犯し続けていた。
春夜の小さなモノを口に含んだときに、自分が犯した罪に悔やみながらも興奮した。
幼い春夜はどうせ何も覚えてはいない。
俺がしたことを理解していない。
口止めすればどうにかなる。
もう二度とこんな事はしない。
そう思っていたあの頃。
自分の醜さを嫌と言うほど思い知り、春夜が成長するに従い、真騎士も甥っ子と言い聞かせることで冷静さを取り戻していた。
春夜に対してブレーキを掛けてくれた、1番大きな存在は麻人だった。
麻人と付き合うようになって、麻人と自分の中にある闇を共有できた気がした。
妻を愛せない麻人と春夜に囚われていた自分。
目の前の現実を忘れるように、ふたりはお互いを貪り合う。
仕事の出来る美しい上司の麻人が、仕事の時とは違う淫乱な麻人に変わり真騎士を虜にした。
付き合い始めて直ぐに、真騎士は春夜と住むマンションに麻人を招くようになった。
麻人を部屋に招くときは、春夜を早めに寝かしつけていた。
春夜に麻人を会わせないようにしていた。
幼い春夜を夜に1人にできなくて麻人を部屋に呼んだのに、まさか春夜に麻人との情事を見られてしまう日が来るとは思わなかった。
「真騎士さん、どうしたの?怖い顔をしてるよ」
春夜の声にハッとした。
「ああ、仕事のことを考えてた」
真騎士は誤魔化した。
「そう」
春夜は冷蔵庫から炭酸水を出すと、コップに注いで飲み干した。
「おやすみなさい」
春夜はそう言ってリビングを出て行った。
「おやすみ」
真騎士もそう言うと、テレビに視線を戻した。
春夜との間に出来た距離。
それが真騎士を正常にしていたのかもしれない。
近づいてはいけない。
これ以上、春夜に幻滅されたくない。
思えば思うほど、春夜との心のすれ違いに真騎士は気がついていなかった。
「春夜。さっきはごめんよ。お前を育てることに焦っているのかもしれない。ちゃんと育てないとって。もしそれがお前のプレッシャーになってるなら気をつけるよ」
ドア越しで真騎士は春夜に語りかけていたが、春夜は部屋から出てきた。
「……………僕もお風呂入るよ。僕も反抗的な態度とってごめんなさい。夏休みにはちゃんと夏季講習も行くから」
春夜はそう言うと真騎士の横をすり抜けて洗面所に入って行った。
真騎士はリビングに戻りテレビのチャンネルをニュースに変えた。
ただぼんやりとニュースを見ていたら、春夜がリビングに入ってきた。
下はスウェットを履いていたが、上は肩にバスタオルを掛けて裸だった。
春夜の上半身を真騎士は見れなかった。
まだどこかで、真騎士の中で、春夜に対しての欲求が燻り続けていた。
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無垢な春夜に向けてしまった劣情。
晋を抱きながら春夜を思い浮かべ、頭の中で春夜を犯し続けていた。
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幼い春夜はどうせ何も覚えてはいない。
俺がしたことを理解していない。
口止めすればどうにかなる。
もう二度とこんな事はしない。
そう思っていたあの頃。
自分の醜さを嫌と言うほど思い知り、春夜が成長するに従い、真騎士も甥っ子と言い聞かせることで冷静さを取り戻していた。
春夜に対してブレーキを掛けてくれた、1番大きな存在は麻人だった。
麻人と付き合うようになって、麻人と自分の中にある闇を共有できた気がした。
妻を愛せない麻人と春夜に囚われていた自分。
目の前の現実を忘れるように、ふたりはお互いを貪り合う。
仕事の出来る美しい上司の麻人が、仕事の時とは違う淫乱な麻人に変わり真騎士を虜にした。
付き合い始めて直ぐに、真騎士は春夜と住むマンションに麻人を招くようになった。
麻人を部屋に招くときは、春夜を早めに寝かしつけていた。
春夜に麻人を会わせないようにしていた。
幼い春夜を夜に1人にできなくて麻人を部屋に呼んだのに、まさか春夜に麻人との情事を見られてしまう日が来るとは思わなかった。
「真騎士さん、どうしたの?怖い顔をしてるよ」
春夜の声にハッとした。
「ああ、仕事のことを考えてた」
真騎士は誤魔化した。
「そう」
春夜は冷蔵庫から炭酸水を出すと、コップに注いで飲み干した。
「おやすみなさい」
春夜はそう言ってリビングを出て行った。
「おやすみ」
真騎士もそう言うと、テレビに視線を戻した。
春夜との間に出来た距離。
それが真騎士を正常にしていたのかもしれない。
近づいてはいけない。
これ以上、春夜に幻滅されたくない。
思えば思うほど、春夜との心のすれ違いに真騎士は気がついていなかった。
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