子飼-秘密の共有-

五嶋樒榴

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春の夜の夢

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麻人は真騎士に責められまくり、シーツに何度も白濁した体液を放ち、後ろ手に縛られた淫らな姿でそのままグッタリと動けなくなっていた。
真騎士は麻人のその姿を見つめて冷静になると、自分は何てことをしてしまったんだと罪悪感に苛まされた。
合意の上でホテルに入ったが、自分のしたことはレイプだと思った。
真騎士は後ろ手に縛ったネクタイを外すと、麻人を優しく抱きしめた。
「……………んんッ」
麻人が反応して、ぐったりしたまま真騎士に体重をかけた。
「麻人さん。大丈夫?」
真騎士の声に麻人は目を静かに開けた。
「……………真騎士。……………これは夢?」
「夢じゃない。ごめんなさい。大丈夫ですか?」
真騎士は麻人を抱きしめながら頬にキスをした。
「……………凄かった。僕の記憶、飛んだ。真騎士に激しく責められて、こんなの初めてだった。……………真騎士。好き」
真騎士は麻人の頬やおでこにチュッチュッとキスをする。
「ごめんなさい。抑えられなかった。麻人さんに性欲をぶつけた」
真騎士はそう言うと麻人を優しく抱きしめる。
「……良いんだ。真騎士の好きにされたかった。僕、真騎士になら、何をされても良い。どんなことでもされたい」
もう一切の力が麻人は奪われていた。
真騎士に抱きしめられるのが気持ち良くて、真騎士の望むことなら、なんでもされたくて仕方がない。
真騎士の雄々しいモノが麻人を貫きまくり、その残骸を示すように使用済みのゴムがベッドの上に散らばっていた。
「真騎士。キスして。僕を好きならキスして」
麻人は瞳を潤ませ懇願する。真騎士は麻人の唇に唇を重ねた。
クチュクチュと舌を絡ませる。
唇が離れると、麻人の瞳から涙が落ちた。
「ッ!なんで?泣かないで。どこか痛いですか?」
真騎士はそう言って麻人を抱きしめる。
「嬉しいよ、真騎士に抱かれて。ずっと望んでいたから」
麻人はまだ力が入らないので真騎士を抱きしめられない。
「……………麻人さん。好きだ。またあなたを抱いても良いですか?」
「嬉しい。真騎士にもっと抱かれたい。僕が壊れても抱いて欲しい」
壊れるとは肉体的なのか精神的なのか真騎士にも分からなかったが、麻人が望むなら自分の愛欲を受け止めて欲しかった。
真騎士は麻人にまた唇を重ねると、抱きしめ合ってしばらく動けなかった。
この日から、真騎士と麻人の関係は始まった。
そして愛し合う場所は真騎士の部屋へと移り、春雷に怯えた春夜にふたりの情事は目撃されて、春夜の性の目覚めである禁断の扉をこじ開けてしまったのだった。
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