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春の夜の夢
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新社会人1年目、真騎士は仕事を覚えるのが大変で、しかも家に帰れば春夜の世話もある。
小学4年生になった春夜はだいぶしっかりしてきたが、それでも夜に1人にできない。
真騎士は土日が休みだったが、美容師になった晋は土日は休めない。
自然と晋と会う時間は減って行った。
「疲れてるね」
麻人がパソコンと睨めっこをする真騎士のデスクにコーヒーを置いた。
「あ!すみません!俺が淹れないといけないのに!」
「気にしないで。飲みたくなったからついでだから。って言うか、この数字はダメだな。これから値切られたらどうする?後でイロをつける事を考えないとダメだよ」
麻人に指摘されて、真騎士は素直に数字を足した。
「たかが見積。されど見積。見積で出した数字は、請求書だと思って。じゃあね」
麻人はそう言うと自分のデスクに戻った。
1年半前の事を真騎士も忘れたわけではない。
麻人の唇を忘れたわけではない。
だが麻人にはもう子供も生まれている。
今は上司と部下の関係に徹するしかない。
晋と会えなくなった事で、真騎士も正直心が不安定になっていた。
大きくなっていく春夜の成長が楽しみだったが、大きくなって離れていくのも不安だった。
真騎士は晋が仕事の休みの日に会うことにした。
30分でも会いたいと思った。
小学4年生になった春夜はだいぶしっかりしてきたが、それでも夜に1人にできない。
真騎士は土日が休みだったが、美容師になった晋は土日は休めない。
自然と晋と会う時間は減って行った。
「疲れてるね」
麻人がパソコンと睨めっこをする真騎士のデスクにコーヒーを置いた。
「あ!すみません!俺が淹れないといけないのに!」
「気にしないで。飲みたくなったからついでだから。って言うか、この数字はダメだな。これから値切られたらどうする?後でイロをつける事を考えないとダメだよ」
麻人に指摘されて、真騎士は素直に数字を足した。
「たかが見積。されど見積。見積で出した数字は、請求書だと思って。じゃあね」
麻人はそう言うと自分のデスクに戻った。
1年半前の事を真騎士も忘れたわけではない。
麻人の唇を忘れたわけではない。
だが麻人にはもう子供も生まれている。
今は上司と部下の関係に徹するしかない。
晋と会えなくなった事で、真騎士も正直心が不安定になっていた。
大きくなっていく春夜の成長が楽しみだったが、大きくなって離れていくのも不安だった。
真騎士は晋が仕事の休みの日に会うことにした。
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