子飼-秘密の共有-

五嶋樒榴

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春の夜の夢

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麻人の唇から舌が出てくると、その舌はいやらしい動きをしながら真騎士の口の中に入ってきた。
グチュ、グチュと水音をたてて、激しくキスが繰り返された。
クチュッと音が鳴ると唇は離れた。
「あ、あのッ……………端元、さん?」
真騎士は驚いて、何が起きたか理解するのに時間が必要だった。
麻人はふふふと笑いながら唇を拭う。
「僕と5センチ差なんだ。顔上げればキスができる身長差だね」
麻人はそう言うと再び真騎士に顔を近付けた。
「僕、初めて君を見た時から欲しかったんだ。全てがね。女に興味ないタイプでしょ?ずっと見てたから分かった」
春夜のことは見抜かれてはいないが、自分が男しか愛せないことは見抜かれていた。
「僕も本当はそう。だけどそれじゃダメだって思った時に妻に会った。女を愛してみようと思った。だけど裏切られた。僕は行き場のない気持ちを抱えて生きてきた。そして君に出会った。恋人がいても良い。一度だけで良いから僕を抱いて。君に抱かれたら、妻との結婚生活も我慢できそうな気がする」
真騎士は目の前の美しい男の闇を、少しでも良いから自分が楽にできるのだろうかと考えた。
「無理強いはしない。でも、少しでも僕を抱いても良いと思うなら抱いて欲しい。ダメかな?」
真騎士は麻人から離れた。
「少し考えさせてください。来週出社したときにお返事します」
直ぐに拒否されなかっただけ麻人もホッとした。
「分かった。来週、聞かせて」
その夜はそのまま麻人にタクシーで送ってもらった。
真騎士は自分の部屋に入ると、晋の顔を思い浮かべながら頭を抱えた。
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