9 / 33
春の夜の夢
9
しおりを挟む
自分は女に感じることがないので騙される事はないが、麻人が可哀想だと真騎士は思った。
でも、今は奥さん子供いるんだよね?
今は幸せなのかな?
「なんか、考えてること分かっちゃった。子供作ったぐらいだから、今は円満だとか思ってる?」
妖しい笑みで麻人が言う。
真騎士はその顔を見てドキッとした。
美しい顔に凄味があった。
「騙されたことを全て話して離婚したいと言ったら、妻はなんて言ったと思う?あなたの子供が欲しかったのって。僕に似た子供が欲しかったって。妻に似たらどうするんだろうね?それに僕は種馬じゃない」
悲しそうな瞳で麻人は言う。
「結婚後、離婚を視野に入れて僕は妻と一切性交渉を持たなくなった。もう抱けないよ。嘘つきなオンナなんて。妻が言ったんだ。子供が出来たらいつか離婚をするからって。それで僕は体外受精に協力した。結婚より離婚は本当に大変だよ」
現実味のない話に真騎士は固まった。
「なんでそんな大事な話、俺みたいなやつに話したんですか?俺が誰かに話すかもしれないのに」
真騎士が言うと麻人はフッと笑った。
「なんでかな。僕の悔しさを誰かに話したかったのかも。誰にも話したことがない僕の秘密。内緒にしてくれる?」
今のことは内緒だよ。お兄ちゃんも春夜がおねしょをしたことは内緒にしてあげるからね。
春夜の小さなモノを口に含んでしまった時のことを思い出して、真騎士は背筋がゾクゾクしてきた。
目の前の美しい男に、そのことを知られてしまっている錯覚に陥る。
「誰にも言いません!」
真騎士はそう言って俯いた。
麻人の顔を恥ずかしくて見れなかった。
「うん。信じてる。そろそろ帰ろうか」
麻人はそう言うと立ち上がりどんどん支払いも済ませた。
「タクシー拾うのに時間かかるかも。遅くまで付き合わせてごめんよ」
麻人はそう言うと真騎士に近づいてきた。
「いえ。大丈夫です」
真騎士は微笑みながら言った。
「波山君、背が高いね。何センチ?」
「……………えーと、178だったかな。180は欲しかったです」
真騎士が笑うと麻人も笑う。
「その気持ち分からなくもないな。あ、ちょっとこっち来て」
麻人に言われるまま真騎士は建物の影に連れて行かれ、麻人に頭を引き寄せられキスをされた。
でも、今は奥さん子供いるんだよね?
今は幸せなのかな?
「なんか、考えてること分かっちゃった。子供作ったぐらいだから、今は円満だとか思ってる?」
妖しい笑みで麻人が言う。
真騎士はその顔を見てドキッとした。
美しい顔に凄味があった。
「騙されたことを全て話して離婚したいと言ったら、妻はなんて言ったと思う?あなたの子供が欲しかったのって。僕に似た子供が欲しかったって。妻に似たらどうするんだろうね?それに僕は種馬じゃない」
悲しそうな瞳で麻人は言う。
「結婚後、離婚を視野に入れて僕は妻と一切性交渉を持たなくなった。もう抱けないよ。嘘つきなオンナなんて。妻が言ったんだ。子供が出来たらいつか離婚をするからって。それで僕は体外受精に協力した。結婚より離婚は本当に大変だよ」
現実味のない話に真騎士は固まった。
「なんでそんな大事な話、俺みたいなやつに話したんですか?俺が誰かに話すかもしれないのに」
真騎士が言うと麻人はフッと笑った。
「なんでかな。僕の悔しさを誰かに話したかったのかも。誰にも話したことがない僕の秘密。内緒にしてくれる?」
今のことは内緒だよ。お兄ちゃんも春夜がおねしょをしたことは内緒にしてあげるからね。
春夜の小さなモノを口に含んでしまった時のことを思い出して、真騎士は背筋がゾクゾクしてきた。
目の前の美しい男に、そのことを知られてしまっている錯覚に陥る。
「誰にも言いません!」
真騎士はそう言って俯いた。
麻人の顔を恥ずかしくて見れなかった。
「うん。信じてる。そろそろ帰ろうか」
麻人はそう言うと立ち上がりどんどん支払いも済ませた。
「タクシー拾うのに時間かかるかも。遅くまで付き合わせてごめんよ」
麻人はそう言うと真騎士に近づいてきた。
「いえ。大丈夫です」
真騎士は微笑みながら言った。
「波山君、背が高いね。何センチ?」
「……………えーと、178だったかな。180は欲しかったです」
真騎士が笑うと麻人も笑う。
「その気持ち分からなくもないな。あ、ちょっとこっち来て」
麻人に言われるまま真騎士は建物の影に連れて行かれ、麻人に頭を引き寄せられキスをされた。
1
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
美しき父親の誘惑に、今宵も息子は抗えない
すいかちゃん
BL
大学生の数馬には、人には言えない秘密があった。それは、実の父親から身体の関係を強いられている事だ。次第に心まで父親に取り込まれそうになった数馬は、彼女を作り父親との関係にピリオドを打とうとする。だが、父の誘惑は止まる事はなかった。
実の親子による禁断の関係です。
23時のプール
貴船きよの
BL
輸入家具会社に勤める市守和哉は、叔父が留守にする間、高級マンションの部屋に住む話を持ちかけられていた。
初めは気が進まない和哉だったが、そのマンションにプールがついていることを知り、叔父の話を承諾する。
叔父の部屋に越してからというもの、毎週のようにプールで泳いでいた和哉は、そこで、蓮見涼介という年下の男と出会う。
彼の泳ぎに惹かれた和哉は、彼自身にも関心を抱く。
二人は、プールで毎週会うようになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる