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春の夜の夢
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春夜は父を知らない。
それは春夜の母、未知瑠が犯されて春夜を身篭ったからだった。
相手は真騎士の家庭教師だった。
未知瑠は17歳で春夜を産んだ。
両親はもちろん大反対したがそれを押し切って春夜を産んだ。
その時真騎士は13歳だった。
初めて春夜を見たとき、それが自分の甥だと認識するのに時間がかかった。
真騎士にも叔父は数人いるが、全て両親のように歳が離れていたからだ。
でも甥の春夜と自分は13しか離れていない。
一緒に暮らすのに違和感を拭えなかった。
その後、真騎士は大学から一人暮らしを始めた。
未知瑠が癌で亡くなったのは、真騎士が18歳の時だった。
「真騎士。あなたにお願いがあるんだけど」
母は未知瑠の葬儀の後、真騎士に言った。
「春夜を一緒に育ててくれない?」
母に意外なことを言われて真騎士は驚いた。
「お父さんと離婚することになったのよ」
「なんで?何が原因なんだよ」
「お父さん、未知瑠が春夜を産んだ頃からずっと浮気してたのよ。相手の女に子供まで作って。私ももう限界なの。ずっと離婚の話し合いをしていたんだけど、未知瑠のことがあって。お金は大丈夫よ。慰謝料もちゃんと折り合いがついたし」
まさか父が浮気をしていたとは。真騎士は驚き、春夜と一緒にいる父を見た。
「実家に戻れってこと?」
「今の家は売って他にマンションを買うわ。そこに一緒に住んで欲しいのよ」
せっかく自由になれたと思ったのにと、正直真騎士は思った。
そしてひとりだけ好き勝手をしていた父親に腹が立った。
両親が離婚後、真騎士は母と春夜と3人で暮らしていたが、その後母は仕事先で知り合った男性と再婚することになった。
真騎士は21歳だった。
母は結婚後は男性と一緒に、男性の実家の栃木に引っ越すと言う。
栃木に春夜を連れて行くと言ったが、真騎士は春夜が、母の再婚相手と暮らすことに抵抗があった。
春夜を手放したくない気持ちもあった。
「春夜は俺が引き取ってこのままここで暮らすよ」
「何を言ってるの?あなたまだ大学生じゃない!」
真騎士の申し出に母は驚く。
「春夜と一緒に暮らしたいんだ。ちゃんと春夜を育てる。もう大学も3年だし、学童にも迎えに行ける。お願いだよ。何かあれば手伝ってもらうけど」
「もちろんよ!いつでもこっちには来るわ」
母は真騎士が春夜と暮らしていけるか心配したが、もし大変になったら母が春夜を引き取ると言う約束で、真騎士と春夜のふたりだけの生活が始まった。
それは春夜の母、未知瑠が犯されて春夜を身篭ったからだった。
相手は真騎士の家庭教師だった。
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両親はもちろん大反対したがそれを押し切って春夜を産んだ。
その時真騎士は13歳だった。
初めて春夜を見たとき、それが自分の甥だと認識するのに時間がかかった。
真騎士にも叔父は数人いるが、全て両親のように歳が離れていたからだ。
でも甥の春夜と自分は13しか離れていない。
一緒に暮らすのに違和感を拭えなかった。
その後、真騎士は大学から一人暮らしを始めた。
未知瑠が癌で亡くなったのは、真騎士が18歳の時だった。
「真騎士。あなたにお願いがあるんだけど」
母は未知瑠の葬儀の後、真騎士に言った。
「春夜を一緒に育ててくれない?」
母に意外なことを言われて真騎士は驚いた。
「お父さんと離婚することになったのよ」
「なんで?何が原因なんだよ」
「お父さん、未知瑠が春夜を産んだ頃からずっと浮気してたのよ。相手の女に子供まで作って。私ももう限界なの。ずっと離婚の話し合いをしていたんだけど、未知瑠のことがあって。お金は大丈夫よ。慰謝料もちゃんと折り合いがついたし」
まさか父が浮気をしていたとは。真騎士は驚き、春夜と一緒にいる父を見た。
「実家に戻れってこと?」
「今の家は売って他にマンションを買うわ。そこに一緒に住んで欲しいのよ」
せっかく自由になれたと思ったのにと、正直真騎士は思った。
そしてひとりだけ好き勝手をしていた父親に腹が立った。
両親が離婚後、真騎士は母と春夜と3人で暮らしていたが、その後母は仕事先で知り合った男性と再婚することになった。
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「もちろんよ!いつでもこっちには来るわ」
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