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cinque

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大学が始まり、工はまた真春の送り迎えの合間に真幸の元で仕事をこなし、夜はほとんど真幸のマンションで過ごしていた。
真春が自分に好意を持っていると知りながら、それを拒絶し、真幸をただ快楽へと導いていた。

「しつけーよ。全く…………焦らしすぎだ」

はぁはぁと息を乱して、うつ伏せで腰を上げる真幸は言う。

「すみません。頭が何度も求めるから」

工はそう言うと、真幸のモノを扱きながら孔の中に指を蠢かす。

「ああッ!…………また…………中…………んんッ!工、挿れて。お前の」

身体をビクビクと震わしながら脚を伸ばして、工の指で弄られイかされる場所を締め付けてよがる。

「入ってますよ、指。頭が締め付けてる」

真幸は工を色っぽい目で睨む。

「ばぁーか!…………指じゃねーよッ!お前のブツに決まってるだろ!早くブッこめ!」

無理だと分かっていながら真幸はねだる。
工は真幸のモノの先端の裏筋を激しく擦った。

「ひゃあッ!…………くッ!…………んんん!…………ああッ!…………イくぅッ!」

真幸はこの刺激に最近ハマっていた。工に調教されているようだった。

「くぅッ!…………ああッ!もぉッ!」

「我慢しないでください。これなら、気持ちいいですよね?」

耳元で工は真幸に言い聞かせるように囁く。

「あッ!…………んんッ…………たく………み…………んんんん!」

プシャッ!と真幸が透明な液体を吹き出した。
工は真幸の中から指も抜くと、満足気にベッドにうつ伏せになった真幸を見つめる。
セックスもキスも求めない。
その代わり、毎日でも、求められれば真幸を感じさせる。
そう約束してから、工は真幸を満足させることに心血を注ぐ。

「ったく、どんだけテクニシャンだよ。本番無しでこんなにイかすとかさぁ」

真幸は綺麗な顔で微笑む。十分満足した様子だった。

「お前から、余計に離れられなくなるだろ」

真幸は仰向けになると、掌を工の頬に伸ばす。
工の頬に触れると、工は直ぐにその手を握って離す。

「俺を甘えさせないでください。そんな目で俺を見ないでください。俺は頭の玩具おもちゃです」

「お前がバイブでオナホだって言うなら、もう他の物に手、出せないわ」

ふふふと笑って真幸は言う。
工の体温を感じても、それ以上を求められないのは真幸も辛かった。
目の前の男に、何度狂わされる程の快感を与えられても、身体も心も一つになれない。

「全く、その目、何だよ。まるで泣きそうじゃねーか。どうせなら、俺を喰いちぎりたいって顔しろよ」

真幸は笑う。

「…………勘弁してください。俺がどんな顔であなたを見たとしても放っておいてください。それぐらい、許してほしい」

工が静かにそう言うと真幸はジッと工を見つめる。

「ばーか。真顔で答えんな」

真幸はヨロヨロしながら起き上がる。

「はぁ。どうしてもやめられねーな、お前との関係。お前は本当はやめたいんだろ?デカブツが毎回悲鳴あげてるもんな」

毎回硬くなって勃ち上がっているのを真幸も分かっている。

「後でヌケば済むことです。俺の事より頭です。最近、女を全く抱いてませんよね。俺とこんな関係よりも女で発散されたらどうですか?」

「それ、もう無理だな。お前のテク知った後じゃ物足りないねーわ」

真幸は煙草を咥える。工はライターを取ると、煙草に火をつけた。

「…………もう戻れねーんだよ。男を知る前の身体にはさ。どんどんズブズブと深みにハマっちまった。やんなるぜ、全く」

真幸はふーと煙草の煙を吐きながら天井を見つめる。
ゆらゆらと煙草の煙は立ち昇る。

「いつかさ、お互いキレーさっぱり過去を忘れられれば良いのにな」

そう言って真幸は笑う。工はジッと黙ったまま真幸を見つめ続ける。
ただ、真幸はそれ以上その先は語らない。
過去を綺麗さっぱり忘れたとしても、自分と工が結ばれる未来はないのだと分かっているからだった。
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