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Act.2《これが、初恋なんだね。》
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秀治は、地元では色んな意味で有名だった。
ケンカも強く、同世代より背が高くビジュアルも良かったせいか、女子に影では『王子』と呼ばれて密かな人気があった。
母親が今の夫と付き合い始めていた頃、秀治はまだ思春期真っ只中の中学1年で、毎日ケンカに明け暮れては保健室の常連だった。
「まーったく、またこんなに傷だらけで。いい加減にしないとお母さんに来てもらうことになるわよ」
養護教諭はそう言って秀治の顔を自分に向けさせる。
「イテッ!」
「消毒するんだから、動かない!こんな傷、喧嘩に比べたら痛くないでしょ!」
養護教諭は秀治の頬に手を当て切れた唇を消毒する。
「中1のくせして、上級生に食ってかかって」
説教しながら養護教諭は手当てをする。
「だけどあいつら、俺に負けたのが悔しくて、ここにも来れねーじゃん」
秀治は楽しそうに笑いながら言う。
「そうね。君は素直に毎回手当て受けに来てくれるわね」
秀治はニヤリと笑う。
「先生に、優しくされたいから」
秀治の言葉に養護教諭はドキリとする。
可愛い男子に素直にそう言われて、嬉しく無いはずがない。
「ここに来るのも、先生に甘えたいから」
秀治は養護教諭の目を見つめたまま言う。
「………………まったくぅ」
養護教諭は真っ赤になって秀治から目を逸らす。
「はい。終わったわよ」
擦り傷に絆創膏を貼り終わると養護教諭は言った。
「先生。ジャージじゃなくて、明日からスカート履いてきてよ。その方が色っぽい」
いたずらっ子の瞳で秀治は言う。養護教諭は真っ赤になって秀治を見つめる。
「な、生意気なこと言ってないで、喧嘩もやめて怪我しないようにしなさい!」
養護教諭が怒ると秀治はふふふと笑う。
「先生、サンキューね」
秀治は笑顔で保健室を出て行った。
それがあってか、次の日から養護教諭はスカートを履くようになった。
「俺のためにスカート履いて来た?」
今日は怪我はしていなかったが、秀治はスカート姿の養護教諭に気が付き保健室に来て尋ねた。
「……別に、気分、気分転換よ」
真っ赤になりながら養護教諭が言うと、秀治は養護教諭に近付きスカートの中に手を入れた。
「ッ!……やめなさい!誰か来たら……」
焦る養護教諭は、秀治の手をどかそうとするが秀治は追い詰める。
脚を閉じさせないように秀治は脚の間に自分の脚を挟ませた。
「やばいよね。じゃあさ、ここでヤんないから、先生の部屋行って良い?」
至近距離で秀治は養護教諭を見つめる。
秀治の指が、パンストの上から湿った部分に触れた。
養護教諭は抵抗できず、だが秀治の指の動きに反応しないように唇を固く閉じる。
「良いよね?先生も俺を欲しがってるじゃん。なんか濡れてるよ?」
養護教諭は秀治に抗えなかった。
そして秀治の意のまま、関係は深いものへと変わって行った。
秀治はほぼ毎日の様に養護教諭の家に通い、もう男を知っている身体を貪った。
女を悦ばす術も、自分に従順な女にして操ることも、秀治にとっては至極簡単なことだと思った。
「……で?その相手が、お前の初めてのオンナだったわけ?結構続いたのか?」
銀座のクラブの帰りの車で、秀治は雅楽に過去の女性遍歴を語らされていた。
「そうですね。先生は一人暮らしだったから家にも行きやすかったし、俺とのことがバレたら自分の身がヤバイせいか後腐れもなかったですからね」
ハンドルを握りながら秀治は言う。
「鬼畜なガキだねぇ。その先生とは1日で最高何発ヤったんだよ」
「…………忘れました。そのうち並行して他もいたし、回数はサル並みでしたから」
秀治の言葉に雅楽は呆れながら笑う。
「ガキのくせして生意気だったんだな」
「組長の方が凄そうですけど?」
秀治が言うと雅楽は笑う。
「俺?俺、意外と真面目だったのよ、こう見えて。だから今頃になって遊んじゃってる」
雅楽はフッと笑った。秀治は嘘だな、と思った。
雅楽の過去は、拾った伊丹しか知らない。
子分達は詮索もしない。怖くてできないと言うのもあった。
「今はいねぇの?武勇伝聞かせろや」
「今はいません。短期間で習得したいなら切れと言われたので、全員切りました」
秀治の言葉に雅楽は笑う。
「なになに?会長んトコの闇組織、そんなにストイックなの?」
「あの団体、半端ないっすよ。会長主催の闇の地下格闘技見に行ったけど、マジ、ヤベェと思いました。大金が動くはずです」
秀治の言葉に雅楽は笑う。
「あそこは、会長の趣味と実益を兼ねているからな。政龍組の組長の次に1番怒らせたらヤベェのが会長だからな。会長だけは敵に回したくねぇわ」
それは秀治も今回のことでよく分かった。
武闘派のプロフェッショナルが集う場所。
その中に入れたことで、秀治は自分の中にある凶暴性がより刺激されていた。
そして雅楽は、そこで開眼して行く秀治を見ているのが暇つぶしになっていた。
ケンカも強く、同世代より背が高くビジュアルも良かったせいか、女子に影では『王子』と呼ばれて密かな人気があった。
母親が今の夫と付き合い始めていた頃、秀治はまだ思春期真っ只中の中学1年で、毎日ケンカに明け暮れては保健室の常連だった。
「まーったく、またこんなに傷だらけで。いい加減にしないとお母さんに来てもらうことになるわよ」
養護教諭はそう言って秀治の顔を自分に向けさせる。
「イテッ!」
「消毒するんだから、動かない!こんな傷、喧嘩に比べたら痛くないでしょ!」
養護教諭は秀治の頬に手を当て切れた唇を消毒する。
「中1のくせして、上級生に食ってかかって」
説教しながら養護教諭は手当てをする。
「だけどあいつら、俺に負けたのが悔しくて、ここにも来れねーじゃん」
秀治は楽しそうに笑いながら言う。
「そうね。君は素直に毎回手当て受けに来てくれるわね」
秀治はニヤリと笑う。
「先生に、優しくされたいから」
秀治の言葉に養護教諭はドキリとする。
可愛い男子に素直にそう言われて、嬉しく無いはずがない。
「ここに来るのも、先生に甘えたいから」
秀治は養護教諭の目を見つめたまま言う。
「………………まったくぅ」
養護教諭は真っ赤になって秀治から目を逸らす。
「はい。終わったわよ」
擦り傷に絆創膏を貼り終わると養護教諭は言った。
「先生。ジャージじゃなくて、明日からスカート履いてきてよ。その方が色っぽい」
いたずらっ子の瞳で秀治は言う。養護教諭は真っ赤になって秀治を見つめる。
「な、生意気なこと言ってないで、喧嘩もやめて怪我しないようにしなさい!」
養護教諭が怒ると秀治はふふふと笑う。
「先生、サンキューね」
秀治は笑顔で保健室を出て行った。
それがあってか、次の日から養護教諭はスカートを履くようになった。
「俺のためにスカート履いて来た?」
今日は怪我はしていなかったが、秀治はスカート姿の養護教諭に気が付き保健室に来て尋ねた。
「……別に、気分、気分転換よ」
真っ赤になりながら養護教諭が言うと、秀治は養護教諭に近付きスカートの中に手を入れた。
「ッ!……やめなさい!誰か来たら……」
焦る養護教諭は、秀治の手をどかそうとするが秀治は追い詰める。
脚を閉じさせないように秀治は脚の間に自分の脚を挟ませた。
「やばいよね。じゃあさ、ここでヤんないから、先生の部屋行って良い?」
至近距離で秀治は養護教諭を見つめる。
秀治の指が、パンストの上から湿った部分に触れた。
養護教諭は抵抗できず、だが秀治の指の動きに反応しないように唇を固く閉じる。
「良いよね?先生も俺を欲しがってるじゃん。なんか濡れてるよ?」
養護教諭は秀治に抗えなかった。
そして秀治の意のまま、関係は深いものへと変わって行った。
秀治はほぼ毎日の様に養護教諭の家に通い、もう男を知っている身体を貪った。
女を悦ばす術も、自分に従順な女にして操ることも、秀治にとっては至極簡単なことだと思った。
「……で?その相手が、お前の初めてのオンナだったわけ?結構続いたのか?」
銀座のクラブの帰りの車で、秀治は雅楽に過去の女性遍歴を語らされていた。
「そうですね。先生は一人暮らしだったから家にも行きやすかったし、俺とのことがバレたら自分の身がヤバイせいか後腐れもなかったですからね」
ハンドルを握りながら秀治は言う。
「鬼畜なガキだねぇ。その先生とは1日で最高何発ヤったんだよ」
「…………忘れました。そのうち並行して他もいたし、回数はサル並みでしたから」
秀治の言葉に雅楽は呆れながら笑う。
「ガキのくせして生意気だったんだな」
「組長の方が凄そうですけど?」
秀治が言うと雅楽は笑う。
「俺?俺、意外と真面目だったのよ、こう見えて。だから今頃になって遊んじゃってる」
雅楽はフッと笑った。秀治は嘘だな、と思った。
雅楽の過去は、拾った伊丹しか知らない。
子分達は詮索もしない。怖くてできないと言うのもあった。
「今はいねぇの?武勇伝聞かせろや」
「今はいません。短期間で習得したいなら切れと言われたので、全員切りました」
秀治の言葉に雅楽は笑う。
「なになに?会長んトコの闇組織、そんなにストイックなの?」
「あの団体、半端ないっすよ。会長主催の闇の地下格闘技見に行ったけど、マジ、ヤベェと思いました。大金が動くはずです」
秀治の言葉に雅楽は笑う。
「あそこは、会長の趣味と実益を兼ねているからな。政龍組の組長の次に1番怒らせたらヤベェのが会長だからな。会長だけは敵に回したくねぇわ」
それは秀治も今回のことでよく分かった。
武闘派のプロフェッショナルが集う場所。
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