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Act.1《危険な香りの男性が、初めての男-ヒト-でした。》
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次の日の昼過ぎ、女から電話が入った。
「ああ、俺だ。いくらだ?」
女から買い物にかかった金額を聞く。
女が成城のマンションに到着すると、ゆあは成城のスウェットを着ていた。大きすぎてブカブカだった。
「とりあえずファストファッションのショップで下着3組とスウェットを2着買って来たから。ブラのカップ数わかんなかったからMサイズの買ったけど」
女がゆあに買って来たものを差し出すとゆあは頭を下げた。
「喋れないの?この子」
「一過性だろ。気にするな」
成城は女に2万渡した。
「高校生でしょ?学校は?」
「行かせられねぇよ。家にはサツも張ってるだろうし、ここでしばらく熱り冷めるまで大人しくしてもらわねぇと」
うんざりと言う顔で成城は言う。
「仕方ないから、私が毎日通ってあげようか?」
女が成城に抱きつく。
「用があれば連絡する」
成城は冷たく言うと女を離れさせた。
「もうッ!どうせ他の女も呼んでるんでしょ!」
図星だったので成城は答えない。
女はプンプンしながらも、仕事に行く準備もあるので帰って行った。
ゆあは成城をジッと見つめる。
「………………モテるんですね」
突然喋って成城はゆあを見つめる。
「不自由ない程度にはな」
無表情で成城は答える。
「………………私も男に生まれたかった。そうすれば、おじいちゃんもおばあちゃんもママも助けてあげられたかもしれない」
ゆあの言葉に成城は何も言わない。
「私が何もできないから。みんな、いなくなっちゃう」
ゆあが泣きはじめた。
成城はうんざりした顔でゆあをただ見る。
「私、どうすればいいの!」
成城は大きくため息をつく。
「大人しくジッとしてここにいれば良いんだ」
それしか成城も言えない。全ては雅楽の指示に従うまで。
「ママ、どうしてるのかな。ママが心配」
ゆあが泣きじゃくる。たった1人の肉親の安否が気になって仕方ない。
警察に保護され、まだ入院しているとは連絡が来ているが、怪我の状況までは分からない。
体の傷よりもレイプされた精神的苦痛の方がどうなんだろうと成城は思った。
「お前の母親のことは全て任せろ。悪いようにはしない」
成城はなだめるようにそう言うとゆあの髪をグシャッとかき乱した。そしてそのまま優しく撫でた。
ゆあはドキンとして成城を見つめる。
「私、まだあなたの、名前…………聞いてなかった」
ゆあが涙を拭いながら成城に言う。
「成城だ」
「成城、さん」
さん付けで呼ばれて、成城は調子が狂う。
「呼び捨てでいい」
成城がそう言うとゆあは首を振る。
「年上の人に呼び捨てできません!でも、なんて呼べば良いかな」
ゆあが突然呼び方で悩みはじめた。成城はこの状況で何を呑気になってるんだとゆあを見る。
「お、お兄、ちゃん…………て、呼びます」
ゆあの言葉に成城は固まる。
「はあ?なんだそれ。やめろ。気色悪い。呼び捨てでいいし。だいたい、いちいち俺を呼ぶこともないだろ」
成城は頭痛がして来た。
ゆあがあまりにも危機感がなくてバカらしくなる。
さっきまで母親のことで泣いていた少女とは別人かと思うほどだった。
「呼ぶ時があったら、そう、呼びます」
ゆあは言い切ると黙った。
成城ももう相手をする気にもなれず黙った。
「ああ、俺だ。いくらだ?」
女から買い物にかかった金額を聞く。
女が成城のマンションに到着すると、ゆあは成城のスウェットを着ていた。大きすぎてブカブカだった。
「とりあえずファストファッションのショップで下着3組とスウェットを2着買って来たから。ブラのカップ数わかんなかったからMサイズの買ったけど」
女がゆあに買って来たものを差し出すとゆあは頭を下げた。
「喋れないの?この子」
「一過性だろ。気にするな」
成城は女に2万渡した。
「高校生でしょ?学校は?」
「行かせられねぇよ。家にはサツも張ってるだろうし、ここでしばらく熱り冷めるまで大人しくしてもらわねぇと」
うんざりと言う顔で成城は言う。
「仕方ないから、私が毎日通ってあげようか?」
女が成城に抱きつく。
「用があれば連絡する」
成城は冷たく言うと女を離れさせた。
「もうッ!どうせ他の女も呼んでるんでしょ!」
図星だったので成城は答えない。
女はプンプンしながらも、仕事に行く準備もあるので帰って行った。
ゆあは成城をジッと見つめる。
「………………モテるんですね」
突然喋って成城はゆあを見つめる。
「不自由ない程度にはな」
無表情で成城は答える。
「………………私も男に生まれたかった。そうすれば、おじいちゃんもおばあちゃんもママも助けてあげられたかもしれない」
ゆあの言葉に成城は何も言わない。
「私が何もできないから。みんな、いなくなっちゃう」
ゆあが泣きはじめた。
成城はうんざりした顔でゆあをただ見る。
「私、どうすればいいの!」
成城は大きくため息をつく。
「大人しくジッとしてここにいれば良いんだ」
それしか成城も言えない。全ては雅楽の指示に従うまで。
「ママ、どうしてるのかな。ママが心配」
ゆあが泣きじゃくる。たった1人の肉親の安否が気になって仕方ない。
警察に保護され、まだ入院しているとは連絡が来ているが、怪我の状況までは分からない。
体の傷よりもレイプされた精神的苦痛の方がどうなんだろうと成城は思った。
「お前の母親のことは全て任せろ。悪いようにはしない」
成城はなだめるようにそう言うとゆあの髪をグシャッとかき乱した。そしてそのまま優しく撫でた。
ゆあはドキンとして成城を見つめる。
「私、まだあなたの、名前…………聞いてなかった」
ゆあが涙を拭いながら成城に言う。
「成城だ」
「成城、さん」
さん付けで呼ばれて、成城は調子が狂う。
「呼び捨てでいい」
成城がそう言うとゆあは首を振る。
「年上の人に呼び捨てできません!でも、なんて呼べば良いかな」
ゆあが突然呼び方で悩みはじめた。成城はこの状況で何を呑気になってるんだとゆあを見る。
「お、お兄、ちゃん…………て、呼びます」
ゆあの言葉に成城は固まる。
「はあ?なんだそれ。やめろ。気色悪い。呼び捨てでいいし。だいたい、いちいち俺を呼ぶこともないだろ」
成城は頭痛がして来た。
ゆあがあまりにも危機感がなくてバカらしくなる。
さっきまで母親のことで泣いていた少女とは別人かと思うほどだった。
「呼ぶ時があったら、そう、呼びます」
ゆあは言い切ると黙った。
成城ももう相手をする気にもなれず黙った。
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