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Act.1《危険な香りの男性が、初めての男-ヒト-でした。》
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マンションに戻ると、成城は女を呼んだ。
成城の何人かいるうちの女で、顔は分かるがゆあは話をした事はない。
成城はベッドに女を押し倒すと女を抱き始めた。
「んんんッ!」
成城は女の脚を開くと顔を埋め、激しく舌を動かす。
「ああんッ!気持ちいいッ!」
ベッドルームから女の喘ぎ声を聞かされ、ゆあは耳を塞ぎ目をギュッと瞑った。
この時だけは、ゆあも地獄の時間だった。
「あああッ!んんッ!…………イっちゃうぅ!」
隣の部屋で繰り広げられてる事がゆあには分からなかったが、恥ずかしい行為が行われているのは処女のゆあでも分かる。
成城は女を激しく抱きながら雑念を払いたかった。
帰りのタクシーからずっと、ゆあの泣き顔ばかりが目に浮かんで腹立たしくて仕方ない。
女を呼んだのも、いっときでもゆあの泣き顔を消したかった。
ゆあが自分をお兄ちゃんと呼ぶこともイライラする。
まるで慕われているような錯覚が気持ち悪かった。
女が痺れて動かなくなるほど抱き、成城は白濁した体液を放出するとベッドルームから裸のままリビングに出た。
ゆあは成城の、鍛え抜かれた裸を見てびっくりして目を逸らす。
成城は何も気にせず、キッチンで冷蔵庫を開けビールを出すと一気に飲んだ。
口元を手の甲で拭いゆあを見る。
ゆあは視線を感じて成城の顔を見た。
成城の目を見ているだけで、ゆあは顔が赤くなる。
「二度とお兄ちゃんと呼ぶな」
イライラして成城は言う。
「…………いやです」
反抗的にゆあは言い返す。
「お兄ちゃんは私を守ってくれてる。あの人の命令とは言え、私を守ってくれている。優しい人です」
「はぁ?優しい?何を寝ぼけたことを言ってる?」
成城のイライラはマックスだった。
「私に絶対変なことしません」
「…………当たり前だろ。不自由してねぇんだ。お前みたいな面倒臭そうなガキに手を出すか」
「それが心地いいんです」
「意味がわからねぇ」
成城は吐き捨ててバスルームに姿を消した。
ゆあはフーッと深いため息をつき、成城との今までの生活を思い出す。
成城はゆあに対して一切無関心だ。それでもゆあは成城のそばが居心地が良い。
成城がシャワーを浴びた後、女もシャワーを浴び、ゆあに対して猜疑心があるのかなかなか帰らない。当の成城は疲れたのかベッドルームに篭っている。
「ねぇ、あんたさ」
女がゆあに声をかけてきた。
「彼に抱かれたいって思わないの?」
目線を成城がいる方に向けて女は言う。
成城の女達は警戒しているのか、必ずゆあに似たようなことを聞く。
「思いません。だからここにいられるんです」
「へぇ。あたしがあんたぐらいの時なんてセックスしか興味なかったけど」
女はクスリと笑って煙草を吸いはじめた。
ゆあもこの生活で、嫌でも煙草の臭いにも慣れてきた。
「すっごいよ、彼。だから離れられないんだけどさ。あんたもチャンスがあったら抱いて貰えば?あんたみたいなガキが彼を知ったらズブズブにハマるだろうけど」
楽しそうに女はゆあを見る。
「うるせぇよ。ガキに手を出すほど飢えてねぇよ」
成城が剥がしたシーツを持ってリビングに戻ってきた。
「お前はそろそろ帰れよ。タクシー呼んでやったから」
面倒臭そうに成城は言う。
「泊まったらダメ?」
女が甘える。
「誰もこの部屋には泊めたことねぇんだよ。俺に捨てられたくなかったら面倒くせぇ事は言うな」
成城を怒らせたら怖い事は成城の女ならみんな知っている。
タクシーが到着すると、女は諦めて帰って行った。
「シーツ変えた。もう寝ろ」
ゆあは頷く。
成城は剥がしたシーツを洗濯機に入れに行き、リビングに戻るとソファに横になる。
「あのッ」
ゆあがベッドルームのドアのところで成城に声をかけた。
「一緒にベッドで寝てください。毎日ソファじゃ疲れ取れないですよね」
ゆあの言葉に成城はゆあを見る。
「気にするな。さっさと寝ろ」
成城は目を瞑る。
「私のこと、ガキだと思って手を出さないじゃないですか!それなら一緒に寝ても良いですよね!お兄ちゃんがベッドで寝ないなら、私もベッドで寝ません!」
グダグダと鬱陶しいと成城は思った。
「分かったよ。うっせーな」
成城は毛布を持つとベッドに横になった。
ゆあも距離を置いて、成城に背を向けてベッドに横になる。
「また、この家に戻れて良かったです」
ゆあは素直に告白した。
「組長のおもちゃよりは良いわな」
成城はそう言ってゆあの髪を撫でた。
ゆあは突然成城の手が伸びてきたのでドキドキする。
「お前が作る飯、嫌いじゃない」
珍しく成城が優しくてゆあはドキドキが止まらない。
「……何だろうな。お前の泣き顔が目に焼き付いて、それがすげーイライラしてたけど、こうして近くにいると、何故か安心する」
成城の言葉を聞きながらゆあは心が落ち着く。
「お前がそばにいることで神経すり減ってんだろうな。だからこうして近くにいるとお前を守れてるって思えて安心するんだな」
ゆあはまだドキドキして声が出せない。
「もう寝ろ」
「…………私、重荷になってますよね」
「仕方ねぇさ。上からの命令だ。そのうち自由になれるだろ」
成城はゆあの髪から手を離した。
ゆあはもっと撫でて欲しかった。
「もうマジ寝ろ」
成城はそれを最後に口を噤んだ。
「おやすみなさい」
ゆあは言葉を返すと目を瞑った。
成城の何人かいるうちの女で、顔は分かるがゆあは話をした事はない。
成城はベッドに女を押し倒すと女を抱き始めた。
「んんんッ!」
成城は女の脚を開くと顔を埋め、激しく舌を動かす。
「ああんッ!気持ちいいッ!」
ベッドルームから女の喘ぎ声を聞かされ、ゆあは耳を塞ぎ目をギュッと瞑った。
この時だけは、ゆあも地獄の時間だった。
「あああッ!んんッ!…………イっちゃうぅ!」
隣の部屋で繰り広げられてる事がゆあには分からなかったが、恥ずかしい行為が行われているのは処女のゆあでも分かる。
成城は女を激しく抱きながら雑念を払いたかった。
帰りのタクシーからずっと、ゆあの泣き顔ばかりが目に浮かんで腹立たしくて仕方ない。
女を呼んだのも、いっときでもゆあの泣き顔を消したかった。
ゆあが自分をお兄ちゃんと呼ぶこともイライラする。
まるで慕われているような錯覚が気持ち悪かった。
女が痺れて動かなくなるほど抱き、成城は白濁した体液を放出するとベッドルームから裸のままリビングに出た。
ゆあは成城の、鍛え抜かれた裸を見てびっくりして目を逸らす。
成城は何も気にせず、キッチンで冷蔵庫を開けビールを出すと一気に飲んだ。
口元を手の甲で拭いゆあを見る。
ゆあは視線を感じて成城の顔を見た。
成城の目を見ているだけで、ゆあは顔が赤くなる。
「二度とお兄ちゃんと呼ぶな」
イライラして成城は言う。
「…………いやです」
反抗的にゆあは言い返す。
「お兄ちゃんは私を守ってくれてる。あの人の命令とは言え、私を守ってくれている。優しい人です」
「はぁ?優しい?何を寝ぼけたことを言ってる?」
成城のイライラはマックスだった。
「私に絶対変なことしません」
「…………当たり前だろ。不自由してねぇんだ。お前みたいな面倒臭そうなガキに手を出すか」
「それが心地いいんです」
「意味がわからねぇ」
成城は吐き捨ててバスルームに姿を消した。
ゆあはフーッと深いため息をつき、成城との今までの生活を思い出す。
成城はゆあに対して一切無関心だ。それでもゆあは成城のそばが居心地が良い。
成城がシャワーを浴びた後、女もシャワーを浴び、ゆあに対して猜疑心があるのかなかなか帰らない。当の成城は疲れたのかベッドルームに篭っている。
「ねぇ、あんたさ」
女がゆあに声をかけてきた。
「彼に抱かれたいって思わないの?」
目線を成城がいる方に向けて女は言う。
成城の女達は警戒しているのか、必ずゆあに似たようなことを聞く。
「思いません。だからここにいられるんです」
「へぇ。あたしがあんたぐらいの時なんてセックスしか興味なかったけど」
女はクスリと笑って煙草を吸いはじめた。
ゆあもこの生活で、嫌でも煙草の臭いにも慣れてきた。
「すっごいよ、彼。だから離れられないんだけどさ。あんたもチャンスがあったら抱いて貰えば?あんたみたいなガキが彼を知ったらズブズブにハマるだろうけど」
楽しそうに女はゆあを見る。
「うるせぇよ。ガキに手を出すほど飢えてねぇよ」
成城が剥がしたシーツを持ってリビングに戻ってきた。
「お前はそろそろ帰れよ。タクシー呼んでやったから」
面倒臭そうに成城は言う。
「泊まったらダメ?」
女が甘える。
「誰もこの部屋には泊めたことねぇんだよ。俺に捨てられたくなかったら面倒くせぇ事は言うな」
成城を怒らせたら怖い事は成城の女ならみんな知っている。
タクシーが到着すると、女は諦めて帰って行った。
「シーツ変えた。もう寝ろ」
ゆあは頷く。
成城は剥がしたシーツを洗濯機に入れに行き、リビングに戻るとソファに横になる。
「あのッ」
ゆあがベッドルームのドアのところで成城に声をかけた。
「一緒にベッドで寝てください。毎日ソファじゃ疲れ取れないですよね」
ゆあの言葉に成城はゆあを見る。
「気にするな。さっさと寝ろ」
成城は目を瞑る。
「私のこと、ガキだと思って手を出さないじゃないですか!それなら一緒に寝ても良いですよね!お兄ちゃんがベッドで寝ないなら、私もベッドで寝ません!」
グダグダと鬱陶しいと成城は思った。
「分かったよ。うっせーな」
成城は毛布を持つとベッドに横になった。
ゆあも距離を置いて、成城に背を向けてベッドに横になる。
「また、この家に戻れて良かったです」
ゆあは素直に告白した。
「組長のおもちゃよりは良いわな」
成城はそう言ってゆあの髪を撫でた。
ゆあは突然成城の手が伸びてきたのでドキドキする。
「お前が作る飯、嫌いじゃない」
珍しく成城が優しくてゆあはドキドキが止まらない。
「……何だろうな。お前の泣き顔が目に焼き付いて、それがすげーイライラしてたけど、こうして近くにいると、何故か安心する」
成城の言葉を聞きながらゆあは心が落ち着く。
「お前がそばにいることで神経すり減ってんだろうな。だからこうして近くにいるとお前を守れてるって思えて安心するんだな」
ゆあはまだドキドキして声が出せない。
「もう寝ろ」
「…………私、重荷になってますよね」
「仕方ねぇさ。上からの命令だ。そのうち自由になれるだろ」
成城はゆあの髪から手を離した。
ゆあはもっと撫でて欲しかった。
「もうマジ寝ろ」
成城はそれを最後に口を噤んだ。
「おやすみなさい」
ゆあは言葉を返すと目を瞑った。
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