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……罪な人
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11月になり、クリスマスイルミネーションの点灯式があちこちで行われる季節になっていた。
美紅と龍彦も一足早くイルミネーションを楽しもうと、仕事帰りに待ち合わせをしてデートを堪能する。
「来月のクリスマスも楽しみだね」
イルミネーションを見て、美紅の心はもうクリスマスへと向かっている。
「そうだね。クリスマスもお正月も、美紅と二人だけで過ごしたいな」
初めて二人で迎えるクリスマスとお正月。
でもきっとシェアハウスのみんなもいるので、どこで二人で過ごすのかと美紅は思った。
「クリスマスは仕事だし、お正月もどこも行く予定立ててなかったよね?みんなで楽しく過ごすんだと思ってた」
「俺にちょっと考えがあるんだ。後で教えるよ」
龍彦が勿体ぶるので、美紅は何かとワクワクする。
シェアハウスに戻り、美紅が着替えに3階に行こうとすると龍彦は呼び止めた。
「美紅。ちょっと先に俺の部屋に寄って」
美紅は何かと思いながら、素直に龍彦の部屋に入った。
龍彦はコートも脱がずにそのままチェストを開けると、手に握った物を美紅の手のひらに乗せた。
「これは?」
美紅は手のひらの上の鍵を見つめる。
「叔父さんの持ってるマンションの部屋の鍵。いつか美紅が、一緒にシェアハウスを出て行くことを決めてくれたら渡そうと思ってずっと前から用意してた」
いつも美紅の気持ちを最優先してくれる龍彦。どんなに辛い時でもずっと寄り添ってくれていた。
美紅を第一に考えてくれて守ってくれる龍彦に、美紅も正直な気持ちをきちんと話そうと思った。
「私、龍彦と暮らすこと、もう不安じゃないよ。でも、みんなと離れるのは、少しだけ寂しくて」
美奈子とも決着がついて、何も恐れるものはない。
でもこの生活に慣れてしまい、シェアハウスを出て行くのも寂しかった。
「もう前の俺じゃないよ。焦ってもいない。本当にあの時は、ガッツいててごめん」
恥ずかしくなって、龍彦は照れて手のひらで顔を隠した。美紅も恥ずかしくなる。
「ここが居心地がいいのも分かってる。でも美紅の不安が全て無くなったら、一緒に住みたいって言いたかったんだ。ここの生活も悪くはないけど、やっぱり俺は美紅と二人で暮らしたい」
「私も、龍彦と二人で、暮らしたい、よ」
美紅は恥ずかしくて龍彦の顔が見れない。このままプロポーズされるんだとドキドキする。
龍彦は、美紅も一緒に暮らす意思があると知りホッとした。
「みんなと離れるのが寂しいのは気にしなくていいと思うよ」
「え?」
話が違う方向になり、美紅のドキドキが止まる。
「住もうと思ってるマンション、直ぐそこだし。親父には内緒で叔父さんに拝み倒して部屋確保してもらってる」
龍彦は窓を開けて、少し離れたマンションを指さした。
「え?え?どう言うこと?……親父には内緒ってどう言うこと?」
美紅はびっくりして龍彦を見る。
「実はさ、言ってなかったけど、この辺り一帯は先祖代々亘理の家の土地なんだよね。空いてる土地にマンションを建てて、今は全て親父と叔父さんが管理してるんだよ。って言っても、親父は他にも役員なんかしてるから、ほぼ叔父さんが一人でやってる。なんか自慢してるみたいで言えなかった」
想像以上に、龍彦の家がお金持ちだと分かり美紅は絶句する。
「このマンションなら、いつでもここにも遊びに来れるし、俺たちの生活も邪魔されないし、超優良物件だと思わない?」
龍彦のプレゼンに美紅は笑う。
「美紅。いつかちゃんと俺の気持ちを美紅に聞いてほしいって思ってる。今はまだその言葉は取っておきたい。だけど、先ずは一緒に住んでほしい。受け取ってくれる?この部屋で、美紅とクリスマスもお正月も二人だけで過ごしたい」
ほぼプロポーズの様な言葉だが、そこは龍彦を立てて美紅は何も言わず笑顔で頷く。
その顔を見て龍彦もホッとした。
「でもこれだけ近いと、きっとみんな面白がって、クリスマスもお正月も邪魔しにきそうだね」
楽しそうにフフフと美紅は笑う。
龍彦もフッと笑うと、美紅の両頬を手のひらで優しく包んだ。
「邪魔しにきたら、今まで以上にたっぷり見せつけてやればいいさ」
龍彦は美紅に優しくキスをする。
美紅は龍彦の優しさに包まれながら、いつかもっと家族が増える、賑やかな楽しい生活が来るのを予感した。
完
美紅と龍彦も一足早くイルミネーションを楽しもうと、仕事帰りに待ち合わせをしてデートを堪能する。
「来月のクリスマスも楽しみだね」
イルミネーションを見て、美紅の心はもうクリスマスへと向かっている。
「そうだね。クリスマスもお正月も、美紅と二人だけで過ごしたいな」
初めて二人で迎えるクリスマスとお正月。
でもきっとシェアハウスのみんなもいるので、どこで二人で過ごすのかと美紅は思った。
「クリスマスは仕事だし、お正月もどこも行く予定立ててなかったよね?みんなで楽しく過ごすんだと思ってた」
「俺にちょっと考えがあるんだ。後で教えるよ」
龍彦が勿体ぶるので、美紅は何かとワクワクする。
シェアハウスに戻り、美紅が着替えに3階に行こうとすると龍彦は呼び止めた。
「美紅。ちょっと先に俺の部屋に寄って」
美紅は何かと思いながら、素直に龍彦の部屋に入った。
龍彦はコートも脱がずにそのままチェストを開けると、手に握った物を美紅の手のひらに乗せた。
「これは?」
美紅は手のひらの上の鍵を見つめる。
「叔父さんの持ってるマンションの部屋の鍵。いつか美紅が、一緒にシェアハウスを出て行くことを決めてくれたら渡そうと思ってずっと前から用意してた」
いつも美紅の気持ちを最優先してくれる龍彦。どんなに辛い時でもずっと寄り添ってくれていた。
美紅を第一に考えてくれて守ってくれる龍彦に、美紅も正直な気持ちをきちんと話そうと思った。
「私、龍彦と暮らすこと、もう不安じゃないよ。でも、みんなと離れるのは、少しだけ寂しくて」
美奈子とも決着がついて、何も恐れるものはない。
でもこの生活に慣れてしまい、シェアハウスを出て行くのも寂しかった。
「もう前の俺じゃないよ。焦ってもいない。本当にあの時は、ガッツいててごめん」
恥ずかしくなって、龍彦は照れて手のひらで顔を隠した。美紅も恥ずかしくなる。
「ここが居心地がいいのも分かってる。でも美紅の不安が全て無くなったら、一緒に住みたいって言いたかったんだ。ここの生活も悪くはないけど、やっぱり俺は美紅と二人で暮らしたい」
「私も、龍彦と二人で、暮らしたい、よ」
美紅は恥ずかしくて龍彦の顔が見れない。このままプロポーズされるんだとドキドキする。
龍彦は、美紅も一緒に暮らす意思があると知りホッとした。
「みんなと離れるのが寂しいのは気にしなくていいと思うよ」
「え?」
話が違う方向になり、美紅のドキドキが止まる。
「住もうと思ってるマンション、直ぐそこだし。親父には内緒で叔父さんに拝み倒して部屋確保してもらってる」
龍彦は窓を開けて、少し離れたマンションを指さした。
「え?え?どう言うこと?……親父には内緒ってどう言うこと?」
美紅はびっくりして龍彦を見る。
「実はさ、言ってなかったけど、この辺り一帯は先祖代々亘理の家の土地なんだよね。空いてる土地にマンションを建てて、今は全て親父と叔父さんが管理してるんだよ。って言っても、親父は他にも役員なんかしてるから、ほぼ叔父さんが一人でやってる。なんか自慢してるみたいで言えなかった」
想像以上に、龍彦の家がお金持ちだと分かり美紅は絶句する。
「このマンションなら、いつでもここにも遊びに来れるし、俺たちの生活も邪魔されないし、超優良物件だと思わない?」
龍彦のプレゼンに美紅は笑う。
「美紅。いつかちゃんと俺の気持ちを美紅に聞いてほしいって思ってる。今はまだその言葉は取っておきたい。だけど、先ずは一緒に住んでほしい。受け取ってくれる?この部屋で、美紅とクリスマスもお正月も二人だけで過ごしたい」
ほぼプロポーズの様な言葉だが、そこは龍彦を立てて美紅は何も言わず笑顔で頷く。
その顔を見て龍彦もホッとした。
「でもこれだけ近いと、きっとみんな面白がって、クリスマスもお正月も邪魔しにきそうだね」
楽しそうにフフフと美紅は笑う。
龍彦もフッと笑うと、美紅の両頬を手のひらで優しく包んだ。
「邪魔しにきたら、今まで以上にたっぷり見せつけてやればいいさ」
龍彦は美紅に優しくキスをする。
美紅は龍彦の優しさに包まれながら、いつかもっと家族が増える、賑やかな楽しい生活が来るのを予感した。
完
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