優しいあなたは罪な人

再会は嘘の始まり

21

抱きしめ合い、キスを繰り返し、千秋と美奈子はとけ合っていた。
美奈子の肌がピンク色に染まり、全てが熱をはらんでいつでも千秋を迎え入れる状態に整っている。
千秋は腕を伸ばして、サイドチェストに置いてあったゴムを取ると、待ち望む美奈子を見つめながら素早く装着した。

「美奈子、力抜いてね」

緊張して硬くなっている美奈子をほぐす様に声をかけて、千秋は美奈子の中にゆっくりと入っていく。
久しぶりの感覚に、美奈子はまるでメリメリと自分の中が無理矢理開かれている錯覚に落ちいる。

「千秋、君ッ！……………キツい」

「痛い？大丈夫？」

美奈子の狭さに、本当にずいぶんしていなかったんだと千秋も分かった。

「お願い。ゆっくり挿れて」

美奈子は千秋に抱きつく。
千秋は、美奈子の中が自分に吸い付いてくる様で、奥まで一気に突きたくなる。

「ヤバい。凄い狭いね。締まり良すぎて、気持ち良すぎる」

広げるようにゆっくりと腰を動かし奥へと向かいながら抽送する。
優しくしようと思いながらも、擦れる刺激に千秋は徐々に腰の動きが激しくなる。

「千秋君ッ！凄いッ！……………熱いのッ！」

「俺も熱いよ。とけちゃいそうだよ。美奈子の中、熱い」

美奈子は何も考えられなかった。
ただ気持ち良すぎて、こんなに愛されるのが嬉しくて。
千秋の動きが激しくなり突き上げられるたびに、身体の芯が燃え上がるように痺れる。

「ああッ！またッ！……………イっちゃう！」

千秋が果てるまで、美奈子は何度も身体の中が痙攣した。
女の悦びを存分に味わった。

「……………んッ」

千秋は全て吐き出しても、美奈子の中でドクンドクンと脈打つ己の塊を抜き出すのが嫌だった。
ずっと繋がっていたいと思った。
柔らかくなっていく感覚に、もう無理かと千秋は美奈子から離れた。

「大丈夫？」

瞳を閉じる美奈子に千秋は尋ねる。

「うん。大丈夫」

瞳を開いた美奈子は、千秋に可愛い笑顔を向けた。

「疲れた？無理させたかな」

確かに想像以上に千秋は激しく、そして女性を抱くことにかなり慣れていると美奈子は思った。

「ううん。気持ち良すぎて力が入らないだけ」

「可愛いこと言うなよ」

美奈子を満足させられて、千秋は照れながらも嬉しかった。
そのまま美奈子に抱きつきキスをする。
ただ、千秋の脳裏には美紅が浮かんだ。
美奈子を抱いて冷静になったせいか、美紅への罪悪感がフツフツと溢れてきた。
美奈子から離れて上半身を起こすと、千秋は右手で顔を押さえる。
自分が望んだ事だが、分かっていたことだが、やはり多少の後悔が千秋を襲った。
本当にこれが、最初で最後だと自分に言い聞かせた。