28 / 66
天使の悩み
1
しおりを挟む
月に一度の教授の呼び出しが終わり、蓮見は大学病院の廊下を歩いていた。
「蓮見じゃねーか」
スクラブの上に白衣を羽織った男が蓮見を呼び止めた。
振り返ると、ボサボサの頭に無精髭を生やしながら、何処と無く男性フェロモンを撒き散らす雰囲気のある、蓮見の大学時代からの友人で脳神経外科医の橋元だった。
「おう、橋元。久しぶり。相変わらずだな」
橋元の見かけに蓮見は笑う。
ちゃんとそれなりに手入れすれば男前のくせに、相変わらず無頓着である。
学生時代から女の噂もなく、変わり者だと陰口を叩かれても、脳外科の世界では、橋元の腕に敵うものは誰1人としていない。
「また教授に呼ばれたか?早く大学病院《こっち》に戻れってか?」
「そこまで露骨じゃないが、病院を誰かに任せられないのか?とは言われてはいる」
「十分露骨じゃねーか」
あははと橋元は笑う。蓮見も笑う。
「たまには飲みに行こうぜ」
珍しく橋元が誘ってきた。
「どうせお前は烏龍茶だろ」
笑いながら蓮見は言う。
いつ何時呼ばれても良いように、橋元は絶対にアルコールを口に入れない。
「最近はそうでもないぜ。後輩のために、余程のことがなければ俺は呼ばれても行かない。もう育てる側の医者になって来たってこったな」
つまらなそうに橋元は言う。
「そうか。あ、今夜は?俺の病院、星川に俺の代理で来てもらってんだよ。一緒に飲まねぇか?」
ダメ元で蓮見は誘ってみた。橋元は髪を掻きながら少し悩む。
「んー。ツレがいいって言ったらな」
意外な言葉に蓮見は驚く。
「なんだよ、いつの間に彼女出来たんだよ。お前に彼女って想像つかねぇ」
笑いながら蓮見は言う。
「そうか?学生の時もいたぜ。誰にも言わなかったけど」
飄々として橋元は言う。
こう言う奴だと蓮見は苦笑した。
「じゃあ、彼女がOKしたら来いよ。うちの場所知ってるだろ?」
「うん」
「あ、星川の他に、同居人の男の子、大学生の子も居るんだけどいいか?」
大学生の同居人と聞いて、橋元は少し、ん?と言う顔をした。
「なんで同居人?下宿屋もしてるのか?」
笑いながら橋元は言う。
「詳しいことは、家に来たら話すよ。じゃあ、来れるようなら連絡よろしくな」
蓮見は手を振って大学病院を後にした。
橋元は中庭に出るとスマホの電源を入れ電話をかける。
「あー、俺。同期の男に誘われたんだけど、今夜行っても良いか?」
『えー。誰と?』
橋元の恋人は不満げに尋ねる。
「蓮見って奴」
『あー、天才だって話していたお医者さん?その人だったら良いよ。絶対、取られる心配ないから』
恋人の言葉に橋元は笑う。
「バーカ。お前以外、眼中ねぇし」
橋元がそう言うと、恋人はご機嫌な声になった。
電話を切ると、橋元は蓮見に行くとメールをした。
「蓮見じゃねーか」
スクラブの上に白衣を羽織った男が蓮見を呼び止めた。
振り返ると、ボサボサの頭に無精髭を生やしながら、何処と無く男性フェロモンを撒き散らす雰囲気のある、蓮見の大学時代からの友人で脳神経外科医の橋元だった。
「おう、橋元。久しぶり。相変わらずだな」
橋元の見かけに蓮見は笑う。
ちゃんとそれなりに手入れすれば男前のくせに、相変わらず無頓着である。
学生時代から女の噂もなく、変わり者だと陰口を叩かれても、脳外科の世界では、橋元の腕に敵うものは誰1人としていない。
「また教授に呼ばれたか?早く大学病院《こっち》に戻れってか?」
「そこまで露骨じゃないが、病院を誰かに任せられないのか?とは言われてはいる」
「十分露骨じゃねーか」
あははと橋元は笑う。蓮見も笑う。
「たまには飲みに行こうぜ」
珍しく橋元が誘ってきた。
「どうせお前は烏龍茶だろ」
笑いながら蓮見は言う。
いつ何時呼ばれても良いように、橋元は絶対にアルコールを口に入れない。
「最近はそうでもないぜ。後輩のために、余程のことがなければ俺は呼ばれても行かない。もう育てる側の医者になって来たってこったな」
つまらなそうに橋元は言う。
「そうか。あ、今夜は?俺の病院、星川に俺の代理で来てもらってんだよ。一緒に飲まねぇか?」
ダメ元で蓮見は誘ってみた。橋元は髪を掻きながら少し悩む。
「んー。ツレがいいって言ったらな」
意外な言葉に蓮見は驚く。
「なんだよ、いつの間に彼女出来たんだよ。お前に彼女って想像つかねぇ」
笑いながら蓮見は言う。
「そうか?学生の時もいたぜ。誰にも言わなかったけど」
飄々として橋元は言う。
こう言う奴だと蓮見は苦笑した。
「じゃあ、彼女がOKしたら来いよ。うちの場所知ってるだろ?」
「うん」
「あ、星川の他に、同居人の男の子、大学生の子も居るんだけどいいか?」
大学生の同居人と聞いて、橋元は少し、ん?と言う顔をした。
「なんで同居人?下宿屋もしてるのか?」
笑いながら橋元は言う。
「詳しいことは、家に来たら話すよ。じゃあ、来れるようなら連絡よろしくな」
蓮見は手を振って大学病院を後にした。
橋元は中庭に出るとスマホの電源を入れ電話をかける。
「あー、俺。同期の男に誘われたんだけど、今夜行っても良いか?」
『えー。誰と?』
橋元の恋人は不満げに尋ねる。
「蓮見って奴」
『あー、天才だって話していたお医者さん?その人だったら良いよ。絶対、取られる心配ないから』
恋人の言葉に橋元は笑う。
「バーカ。お前以外、眼中ねぇし」
橋元がそう言うと、恋人はご機嫌な声になった。
電話を切ると、橋元は蓮見に行くとメールをした。
0
お気に入りに追加
59
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~
ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。
2021/3/10
しおりを挟んでくださっている皆様へ。
こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。
しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗)
楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。
申しわけありません。
新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。
修正していないのと、若かりし頃の作品のため、
甘めに見てくださいm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる