長い夜、蒼い月

五嶋樒榴

文字の大きさ
43 / 149
溺れる人魚

43

しおりを挟む
「休みの日に悪かったね」

ジェイの部屋を出ると、一夜は由紀子を自分の部屋に入れた。

「大丈夫よ。どうせ夫はパチンコだし」

リビングに入ると、淹れていたコーヒーを由紀子に渡した。

「優姫に感謝だな。由紀子と今日会えた」

爽やかな笑顔で、一夜は右手で由紀子の頬を触る。

「私はいつでも呼んでくれたら来るわ」

一夜の手に由紀子も手を重ねる。

「由紀子」

一夜が優しく由紀子の唇にキスをする。
舌が絡まる。それもいつもより優しい。
一夜が由紀子の首筋に唇を這わすと、由紀子はくすぐったがる。
いつもの荒々しい感じと違って、ゆっくり優しい扱いに、由紀子も穏やかな気持ちになった。
一夜は由紀子のブラウスを脱がして、胸の谷間にキスをするとブラを外し、優しく胸を揉みあげその先端を舌で転がし優しく舐める。

「なんだか、いつもと違う」

甘い息を漏らして由紀子は言う。扱い全てが優しい。

「たまには良いでしょ?」

ソファの上で、由紀子の胸を堪能する。
左手が下にゆっくり降りて、スカートの中に入る。太ももの内側を撫でる。由紀子がぎゅっと一夜に抱きつく。

「今日は素足なんだね」

ストッキングではなくソックスだったので、すべすべの素足を一夜は撫でる。
下着を触ると、サイドに紐が付いていた。

「これ外したらどうなる?」

「簡単に脱げちゃう」

恥ずかしそうに由紀子が言う。

「わざとこれはいてきた?」

由紀子はコクンと頷く。

「じゃあ、良く見せて」

由紀子のスカートを脱がすと、ピンク色の紐付きのレースの下着。正面もレースでほんのり透けている。

「可愛いね」

褒められて嬉しくて恥ずかしい。
一夜が片方の紐を解いた。はらりとレースの布が緩む。
もう片方は外さず、由紀子の恥ずかしい部分を隠していたところをずらすと、とろみのある透明な糸がツーと引いた。
露わになった場所に一夜は顔を近づけた。親指でめくり広げ、舌で優しく舐める。

「あッ」

優しくゆっくり舐め上げられ由紀子は切なくなる。
今日は本当に扱いが優しい。厭らしい事をしているのに、いつものような卑猥さよりも淫靡な感じに由紀子は酔いしれる。
たっぷり時間をかけて優しく感じさせる一夜に、焦ったさより気持ち良さが勝つ。

「んん。んー」

由紀子は身体がふわふわしていた。気持ち良さの波に溺れる。いつもと違う穏やかな波なのに、いつもと同じように気持ちがいい。

「あっ。んんん」

ピクンピクンと由紀子は静かにイった。
一夜は舌を離し、唇の周りの由紀子の露を手の甲で拭って由紀子にキスをする。

「気持ちよかった?お姫様」

二人は顔を見合わせて笑った。
一夜は由紀子を抱き上げるとベッドルームに移動した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

完全なる飼育

浅野浩二
恋愛
完全なる飼育です。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

百合短編集

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

処理中です...