長い夜、蒼い月

五嶋樒榴

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恋も二度目なら

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まだこの関係になったのは今日で二度目。
前回はこんなにたっぷり愛撫もされなかったし、まだ一夜を感じるほどの余裕も栞に無かった。
出会いは一夜がアメリカ本社からやってきたのが発端だった。
社長から人事部へ業務命令が下った。

「急に来日が決まり、彼が日本で住むマンションが決まるまでホテルで仮住まいになった。何かと必要なものを買いそろえたり、身の回りの世話をしてやって欲しい」

そして白羽の矢が立ったのが栞だった。
栞は人事部で、まだ入社したばかりでのまさかの抜擢だった。
一夜と初めて会った日は普通に過ごしたのに、次に会った時、慣れない日本で人肌が恋しくなった一夜は「少しだけ、一緒に眠って欲しい」と言い、甘えて来た一夜のベッドに栞も添い寝をした。

「いい香り。甘い」

一夜は背後から包むように栞を抱きしめたが、栞は何故だか怖いと思わなかった。
おそらく初めて会った時に、一夜の魅力に魅了されたから。
背が高く、端正な顔。クォーターだと一夜は言った。

「安心する」

低く艶っぽい素敵な一夜の声に、耳元で囁かれただけで栞は感じてしまった。
抱きしめられた腕も逞しい。
栞の小さな身体には少し大きめの胸の膨らみに、ブラウスの上から一夜の大きな掌が被さると、そのままゆっくり揉み始めた。

「あん」

つい栞の声が漏れた。
一夜は気にせず右手をスカートの中に伸ばすと、ストッキングと下着の上から熱くなってズキズキする栞の部分に指を当てる。
胸もスカートの中も直には触らない。
無理に脱がすこともない。
しばらく指で弄ると、落ち着いたのか一夜は眠ってしまった。
甘えてくれた一夜が栞は愛おしく感じた。
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