お父さんの相続人

参

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続きを聞きたい智大が待っているとミータンは言った。

『てかさー、せめて水ぐらいくれよ。喉乾いたぜ』

智大は握りこぶしをプルプルさせた。
ミータンは美味そうに水を飲んで一息つくと話を続けた。

『俺はそこに気がついて欲しくてしょっちゅうガリガリ爪を立ててるんだけど、あの2人全く気がつかなくてさー。そこでお前に頼みに来たさ。もし俺の言葉がわかる奴だったらと、藁にもすがる思いでってやつ？』

そんな言葉よく知ってんなと思ったがそこは智大もスルーした。

『俺はどう伝えればいい？まさか生前の大川さんと知り合いで、頼まれてたなんて分かりやすい嘘付きたくないぜ』

智大が言うとミータンは首を振った。

『俺に考えがある。俺の指示に従えよ』

この野郎と思いながらも、仕方なくミータンの作戦にのることにした。

『でも、本当に謎だよね。なんで大川さんはお前の声聞こえたのかな』

智大は言うとミータンは真剣な表情をした。

『俺の思いが伝わったんじゃないか。お父さんの悲しみと俺の悲しみがシンクロしたんじゃないかな』

大川とミータンはそれで説明がつくが智大は自分との事が納得いかなかった。

『お父さんの気持ちを、俺の代わりに伝えられるのがお前しかいないと思ってるからじゃない？この件が終われば、もう会話できなくなるかもね』

ミータンの言葉に納得した。これは全て、大川とミータンの繋がりの強さの産物なのかもしれないと智大は悟った。