18 / 81
ニ
4
しおりを挟む
戸灘が帰ると和子が病室に入ってきて、戸灘が持ってきたリンゴの皮を剥き始めた。
美都子は目を瞑ってため息をつく。
「美都子さん?お加減でも悪くなりました?」
心配そうに和子が尋ねる。
「いえ、大丈夫よ。ちょっと」
美都子が今回熱を出した原因を誰も知らない。
戸灘に手を握られた時に払ってしまったのは、それは、昨夜の出来事が原因だった。
珍しく夜中まで小説を読んでいた美都子は、不意にトイレに行きたくなってしまった。
真っ暗で明かりの少ない屋敷の中を、トイレまで怖くて行きたくない。
それもあって美都子は寝る前に必ずトイレを済ませていた。だが、昨夜に限ってまた行きたくなってしまった。
屋敷には夜になると、戸灘と美都子と摂子しかいない。
戸灘の子分や舎弟達は、渡り廊下の先の別棟にいるからだ。
夏が過ぎ、もう秋も深まる時期で夜は長い。
まだ、せっちゃん起きているかしら。
せっちゃんについて来てもらおう。
美都子はそう思って摂子の部屋に向かう。
「せっちゃん、せっちゃん。まだ起きてる?おトイレに一緒に行ってくれない?」
返事がないので美都子は摂子の部屋の襖を開けた。
暗がりの中布団に近づくが摂子の姿がなかった。
せっちゃんもトイレに行ってるのかも。
美都子はそう思うとトイレに行くのも怖くなくなり、廊下を歩いて寒々としたトイレに向かう。
トイレの扉を開けたが摂子の姿はなかった。
せっちゃん、トイレじゃなかったのね。
美都子はそう思いながら用を足して自分の部屋に戻ろうと思った。
ふと摂子が部屋に居なかったのを不審に思い、まさか夜中に鷹雄の元にいるのではと美都子は思った。
そう思うと美都子は一気に怒りが込み上げ、渡り廊下に足を進めた。
美都子は目を瞑ってため息をつく。
「美都子さん?お加減でも悪くなりました?」
心配そうに和子が尋ねる。
「いえ、大丈夫よ。ちょっと」
美都子が今回熱を出した原因を誰も知らない。
戸灘に手を握られた時に払ってしまったのは、それは、昨夜の出来事が原因だった。
珍しく夜中まで小説を読んでいた美都子は、不意にトイレに行きたくなってしまった。
真っ暗で明かりの少ない屋敷の中を、トイレまで怖くて行きたくない。
それもあって美都子は寝る前に必ずトイレを済ませていた。だが、昨夜に限ってまた行きたくなってしまった。
屋敷には夜になると、戸灘と美都子と摂子しかいない。
戸灘の子分や舎弟達は、渡り廊下の先の別棟にいるからだ。
夏が過ぎ、もう秋も深まる時期で夜は長い。
まだ、せっちゃん起きているかしら。
せっちゃんについて来てもらおう。
美都子はそう思って摂子の部屋に向かう。
「せっちゃん、せっちゃん。まだ起きてる?おトイレに一緒に行ってくれない?」
返事がないので美都子は摂子の部屋の襖を開けた。
暗がりの中布団に近づくが摂子の姿がなかった。
せっちゃんもトイレに行ってるのかも。
美都子はそう思うとトイレに行くのも怖くなくなり、廊下を歩いて寒々としたトイレに向かう。
トイレの扉を開けたが摂子の姿はなかった。
せっちゃん、トイレじゃなかったのね。
美都子はそう思いながら用を足して自分の部屋に戻ろうと思った。
ふと摂子が部屋に居なかったのを不審に思い、まさか夜中に鷹雄の元にいるのではと美都子は思った。
そう思うと美都子は一気に怒りが込み上げ、渡り廊下に足を進めた。
0
あなたにおすすめの小説
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
家出を決行した結果
棗
恋愛
フィービーの婚約者ミゲルには大切な幼馴染がいる。病弱な幼馴染をいつも優先するミゲルや母が亡くなって以降溝が出来てしまった父と兄との関係にフィービーは疲れていた。
デートの約束をしてもいつも直前になって幼馴染を理由にキャンセルされ、幼馴染にしか感情を見せないミゲルを、フィービーを見ようとしない父や兄を捨てる決心をしたフィービーは侍女や執事の手を借りて家出を決行した。
自分を誰も知らない遠い場所へ行ったフィービーは、新しい人生の幕開けに期待に胸を躍らせた。
※なろうさんにも公開しています。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる