123 / 127
番外編 Step5・しほな
3
しおりを挟む
そしていよいよ日曜日。
前の日から準備した、お気に入りのスカートをはいて待ち合わせの駅に急いだ。
久利と落ち合うと、遊園地に向かう電車の中も楽しくてしょうがない。
久利はいつも以上に優しくて、私は幸せすぎて怖かった。
「しほな、暗くなってきたから観覧車乗らない?きっと夜景綺麗だよ」
久利がロマンチックなことを言うので、つい私は笑ってしまった。
人気の観覧車は1時間待ちだったけど、その時間もおしゃべりをしている間に過ぎてしまった。
「どうぞ」
係りの人に促され、私が先に乗った。久利も私の正面に座った。
ゆっくりゆっくり、ゴンドラは上がっていく。
「わぁ。本当に、綺麗だねー」
私が外を見ながらはしゃぎながら言った。
「しほなが喜んでくれて良かった。ちょっと早いけど、誕生日おめでとう」
久利が笑顔で言ってくれた。
「誕生日、覚えていてくれたの?」
私は嬉しくて涙ぐんだ。
「当たり前じゃん。大事なしほなの誕生日、忘れるわけないじゃん!これからも毎年お祝いしてやるよ。しほなは俺の一番大事な友達だもん」
一番大事な友達。
私はその言葉で、やっぱりって思った。
今日まで、ずっとずっと楽しみにしてた久利とのデート。
今日こそちゃんと恋人になれるかなと、私は思って期待していた。
でも、もう期待するのは終わり。
やっぱり友達でしかない。
前の日から準備した、お気に入りのスカートをはいて待ち合わせの駅に急いだ。
久利と落ち合うと、遊園地に向かう電車の中も楽しくてしょうがない。
久利はいつも以上に優しくて、私は幸せすぎて怖かった。
「しほな、暗くなってきたから観覧車乗らない?きっと夜景綺麗だよ」
久利がロマンチックなことを言うので、つい私は笑ってしまった。
人気の観覧車は1時間待ちだったけど、その時間もおしゃべりをしている間に過ぎてしまった。
「どうぞ」
係りの人に促され、私が先に乗った。久利も私の正面に座った。
ゆっくりゆっくり、ゴンドラは上がっていく。
「わぁ。本当に、綺麗だねー」
私が外を見ながらはしゃぎながら言った。
「しほなが喜んでくれて良かった。ちょっと早いけど、誕生日おめでとう」
久利が笑顔で言ってくれた。
「誕生日、覚えていてくれたの?」
私は嬉しくて涙ぐんだ。
「当たり前じゃん。大事なしほなの誕生日、忘れるわけないじゃん!これからも毎年お祝いしてやるよ。しほなは俺の一番大事な友達だもん」
一番大事な友達。
私はその言葉で、やっぱりって思った。
今日まで、ずっとずっと楽しみにしてた久利とのデート。
今日こそちゃんと恋人になれるかなと、私は思って期待していた。
でも、もう期待するのは終わり。
やっぱり友達でしかない。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説


あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。

さあ 離婚しましょう、はじめましょう
美希みなみ
恋愛
約束の日、私は大好きな人と離婚した。
そして始まった新しい関係。
離婚……しましたよね?
なのに、どうしてそんなに私を気にかけてくれるの?
会社の同僚四人の恋物語です。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

誰の代わりに愛されているのか知った私は優しい嘘に溺れていく
矢野りと
恋愛
彼がかつて愛した人は私の知っている人だった。
髪色、瞳の色、そして後ろ姿は私にとても似ている。
いいえ違う…、似ているのは彼女ではなく私だ。望まれて嫁いだから愛されているのかと思っていたけれども、それは間違いだと知ってしまった。
『私はただの身代わりだったのね…』
彼は変わらない。
いつも優しい言葉を紡いでくれる。
でも真実を知ってしまった私にはそれが嘘だと分かっているから…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる