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茉莉花・犯人
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「あ、余計なこと言ったならごめんなさい」
あたしは少し涙目になってしほなさんに謝る。ふと気がつくと、やっぱりほかのお客さんもあたしを見ていた。
「茉莉花さん、ありがとう。そうなの。怖かったの。もし雅人が茉莉花さんの事を思っている男で、こんな事した奴だと認めたくなかった。だから、私が直接茉莉花さんに確認するまで久利にも黙ってた」
しほなさんは深く息を吐いた。
「良かった。好きだった男が、卑劣な奴じゃなくて。でも疑った私は、あいつに愛想つかれてもしょうがないな。きっとそんな態度をいろいろ他のことでもしてたのかも」
しほなさんの言葉にあたしは首を振った。
「お二人の事は、あたしには分からないけど、しほなさんは素敵な人です。あたし、今日会ったばかりだけどしほなさんが好き。だって、久利が大事にしてる人だもん!」
あたしの支離滅裂な告白にしほなさんは笑った。
「ありがとう。私も茉莉花さん好きよ。優しくて真っ直ぐで」
しほなさんの言葉にあたしは照れた。
久利はいつの間にかあたしとしほなさんの中に入ってこれなくなって、それでも余裕の微笑みであたし達を見ていた。
あたしは少し涙目になってしほなさんに謝る。ふと気がつくと、やっぱりほかのお客さんもあたしを見ていた。
「茉莉花さん、ありがとう。そうなの。怖かったの。もし雅人が茉莉花さんの事を思っている男で、こんな事した奴だと認めたくなかった。だから、私が直接茉莉花さんに確認するまで久利にも黙ってた」
しほなさんは深く息を吐いた。
「良かった。好きだった男が、卑劣な奴じゃなくて。でも疑った私は、あいつに愛想つかれてもしょうがないな。きっとそんな態度をいろいろ他のことでもしてたのかも」
しほなさんの言葉にあたしは首を振った。
「お二人の事は、あたしには分からないけど、しほなさんは素敵な人です。あたし、今日会ったばかりだけどしほなさんが好き。だって、久利が大事にしてる人だもん!」
あたしの支離滅裂な告白にしほなさんは笑った。
「ありがとう。私も茉莉花さん好きよ。優しくて真っ直ぐで」
しほなさんの言葉にあたしは照れた。
久利はいつの間にかあたしとしほなさんの中に入ってこれなくなって、それでも余裕の微笑みであたし達を見ていた。
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