トライアングル

五嶋樒榴

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久利・いたずら

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風呂から上がった後のビールは最高だった。ビールを出すとき気がついたが、茉莉花が買い物をしてきてくれていた。明日の朝食が楽しみだった。

茉莉花とソファに並んで座ってビールを飲んで、俺はしほなが彼氏と別れた話をした。
茉莉花がしほなとのことでヤキモチを妬くかと心配したが、茉莉花からそんな感じはなかった。

「もう2時だね。今夜はもう寝よ」

茉莉花の可愛い声で誘われて、俺は茉莉花とベッドに入った。
流石に疲れたのか、茉莉花は直ぐに寝息を立てた。
それすらもすべて愛おしくてたまらない。
もっともっと茉莉花に触れたいのを我慢して俺も眠りについた。

朝食は久しぶりに豪華だった。
ベーコーエッグにサラダ。トーストにコーヒー。
茉莉花はミルクたっぷりのカフェオレ。
あー、毎日こんな食事を茉莉花に作ってもらいたいと思ってしまった。

「また週末まで仕事忙しいんだ。金曜日、帰り遅いけど、ここに来て待っててくれないか?1日でも早く茉莉花に会いたい」

触れたいって言葉は飲み込んだ。口にするとそれ目的なような気がしたから。
でも間違いなく俺は茉莉花を欲している。仕事に行くのが嫌で嫌でたまらなかった。
茉莉花も何か言いたそうな顔だが、その甘えたな瞳で、可愛い声で言われたら、俺は本当にダメ人間になりそうだった。

一度失ってわかった茉莉花の存在は、今まで思ってた以上に愛おしかったんだと思い知らされた。

くそー。マジ週末まで我慢は辛い。

俺のジレンマは治まることがなかった。
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