62 / 127
久利・バーでの夜
3
しおりを挟む
「さてと、じゃあ次は久利の番。今の彼女とはどんな感じ?」
しほなに話をふられ、茉莉花を思い浮かべたら、昨日からさっきまでの茉莉花が浮かんで俺は恥ずかしくなった。
「やーねー。フラれた友人の前でそんなにデレるなよ」
冷たい目つきでしほなは言う。俺は照れ笑い。
「どんな子よ」
グイグイくるしほな。俺は写真の依頼をしたかったけど、別れたと聞いたらそれは無理だなと思いながらも茉莉花の話をした。
「1年近く前、合コンで知り合ったんだよ。俺より3コ下なんだけど、それより幼くてさ。可愛い系で声もめっちゃ可愛くて」
俺がデレデレに惚気ているとしほなはあからさまに不機嫌な顔になり、反面マスターは微笑んでいた。
「昨日の朝の様子で、何か大変な事があるのかと心配したけど損した」
やってられんわって顔のしほなに俺は真面目な顔になった。
「大変な事があったんだよ。俺、彼女とここ半年ずっと会ってなかった」
俺はその理由を全てしほなに話した。
「これがその原因の写真」
俺は周りを気にしながらそっとしほなに写真を渡した。
しほなはびっくりして大声をあげそうになったが手でなんとか押さえて堪えた。
「ちょっと、急にこんな爆弾投下しないでよ!ってか本当に合成なの?」
薄暗いバーの店内でその写真はあまりにもわかりにくかったが、しほなは目を凝らして見てくれた。
「久利が違うって言うなら私は信じるけど、確かに彼女ショックだったろうね。仕事とはいえ、女とホテルに入ってくのも見てるんだし。でもタチが悪すぎだわ、この悪意たっぷりの写真」
しほなは俺に写真を返してきた。
しほなに話をふられ、茉莉花を思い浮かべたら、昨日からさっきまでの茉莉花が浮かんで俺は恥ずかしくなった。
「やーねー。フラれた友人の前でそんなにデレるなよ」
冷たい目つきでしほなは言う。俺は照れ笑い。
「どんな子よ」
グイグイくるしほな。俺は写真の依頼をしたかったけど、別れたと聞いたらそれは無理だなと思いながらも茉莉花の話をした。
「1年近く前、合コンで知り合ったんだよ。俺より3コ下なんだけど、それより幼くてさ。可愛い系で声もめっちゃ可愛くて」
俺がデレデレに惚気ているとしほなはあからさまに不機嫌な顔になり、反面マスターは微笑んでいた。
「昨日の朝の様子で、何か大変な事があるのかと心配したけど損した」
やってられんわって顔のしほなに俺は真面目な顔になった。
「大変な事があったんだよ。俺、彼女とここ半年ずっと会ってなかった」
俺はその理由を全てしほなに話した。
「これがその原因の写真」
俺は周りを気にしながらそっとしほなに写真を渡した。
しほなはびっくりして大声をあげそうになったが手でなんとか押さえて堪えた。
「ちょっと、急にこんな爆弾投下しないでよ!ってか本当に合成なの?」
薄暗いバーの店内でその写真はあまりにもわかりにくかったが、しほなは目を凝らして見てくれた。
「久利が違うって言うなら私は信じるけど、確かに彼女ショックだったろうね。仕事とはいえ、女とホテルに入ってくのも見てるんだし。でもタチが悪すぎだわ、この悪意たっぷりの写真」
しほなは俺に写真を返してきた。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説


あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。

さよなら私の愛しい人
ペン子
恋愛
由緒正しき大店の一人娘ミラは、結婚して3年となる夫エドモンに毛嫌いされている。二人は親によって決められた政略結婚だったが、ミラは彼を愛してしまったのだ。邪険に扱われる事に慣れてしまったある日、エドモンの口にした一言によって、崩壊寸前の心はいとも簡単に砕け散った。「お前のような役立たずは、死んでしまえ」そしてミラは、自らの最期に向けて動き出していく。
※5月30日無事完結しました。応援ありがとうございます!
※小説家になろう様にも別名義で掲載してます。

さあ 離婚しましょう、はじめましょう
美希みなみ
恋愛
約束の日、私は大好きな人と離婚した。
そして始まった新しい関係。
離婚……しましたよね?
なのに、どうしてそんなに私を気にかけてくれるの?
会社の同僚四人の恋物語です。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

誰の代わりに愛されているのか知った私は優しい嘘に溺れていく
矢野りと
恋愛
彼がかつて愛した人は私の知っている人だった。
髪色、瞳の色、そして後ろ姿は私にとても似ている。
いいえ違う…、似ているのは彼女ではなく私だ。望まれて嫁いだから愛されているのかと思っていたけれども、それは間違いだと知ってしまった。
『私はただの身代わりだったのね…』
彼は変わらない。
いつも優しい言葉を紡いでくれる。
でも真実を知ってしまった私にはそれが嘘だと分かっているから…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる