37 / 127
久利・俺じゃない
2
しおりを挟む
「もう見たくない!これ以上、あたしを苦しめないで。初めてこの写真見たとき、息ができなかった。そのまま死んでしまいそうだった」
茉莉花は手で目を塞ぐ。
「よく聞いて。信じられないかもしれないけど、この体は俺の体じゃない。この写真は誰かが合成して作ったものだよ」
俺の言葉に、茉莉花の動きがピタッと止まった。
「嘘」
茉莉花の震えた声に俺は首を振った。
「嘘じゃない。ぱっと見は合成と分からないぐらいよくできているからね。それに茉莉花だって、俺の体を見慣れてる訳じゃない。でも、俺にはわかる。俺の体じゃないんだ」
茉莉花はポロポロ涙を流す。
「だって、誰がこんな写真作れるの?何の為に?あたしと久利に誰かがこんな手の込んだ嫌がらせをしたの?」
俺は手を伸ばして茉莉花を抱きしめたかったが、なぜか手が伸びていかない。
あんなに愛していた茉莉花なのに。
茉莉花がまだ俺を信じていないようで、怖くて抱きしめられない。
誰かが俺と茉莉花を別れさせたいのが分かった。
でもその敵が分からない。
半年前、この写真はどんなルートで茉莉花の元にきたのか、その理由を茉莉花に聞くしかなかった。
茉莉花は手で目を塞ぐ。
「よく聞いて。信じられないかもしれないけど、この体は俺の体じゃない。この写真は誰かが合成して作ったものだよ」
俺の言葉に、茉莉花の動きがピタッと止まった。
「嘘」
茉莉花の震えた声に俺は首を振った。
「嘘じゃない。ぱっと見は合成と分からないぐらいよくできているからね。それに茉莉花だって、俺の体を見慣れてる訳じゃない。でも、俺にはわかる。俺の体じゃないんだ」
茉莉花はポロポロ涙を流す。
「だって、誰がこんな写真作れるの?何の為に?あたしと久利に誰かがこんな手の込んだ嫌がらせをしたの?」
俺は手を伸ばして茉莉花を抱きしめたかったが、なぜか手が伸びていかない。
あんなに愛していた茉莉花なのに。
茉莉花がまだ俺を信じていないようで、怖くて抱きしめられない。
誰かが俺と茉莉花を別れさせたいのが分かった。
でもその敵が分からない。
半年前、この写真はどんなルートで茉莉花の元にきたのか、その理由を茉莉花に聞くしかなかった。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説


あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

さあ 離婚しましょう、はじめましょう
美希みなみ
恋愛
約束の日、私は大好きな人と離婚した。
そして始まった新しい関係。
離婚……しましたよね?
なのに、どうしてそんなに私を気にかけてくれるの?
会社の同僚四人の恋物語です。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる