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茉莉花・すれ違いの始まり
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「久しぶりだな。って、なんか雰囲気変わったな。男の影響か?」
ニヤニヤしながら先輩は言う。
「もう、なんかセクハラっぽいですよ」
冗談で返したつもりだったけど、先輩はじっとあたしを見つめる。
「なんだ、なんだ。茉莉花らしくねーなー。なんか目が死んだ魚みたいだぞ」
あくまでも、明るく接してくれようとする先輩。でも、なんか見透かされてる気がして心地悪かった。
「それより先輩、なんでここに?」
そうだ、先輩はもうこの会社にいない。転職して辞めて行ったのだ。
「ちょっと、部長に用があってさ。茉莉花に会えると思ってなかったけどな」
あははと笑う先輩。あたしも微笑んでみたものの、頭が痛くて辛くなってきた。
先輩はそんなあたしの様子を察したのか、ぽんぽんと肩を軽く叩いた。
「せっかく久しぶりに会ったし、今夜飲みに行くか?体調悪けりゃ良いけど。お前なんか吐き出したい顔してるぞ」
なんでこの人はあたしのことわかるんだろう。
ううん、あたしのことだけじゃなかった。
一緒に仕事してる時から、先輩はみんなに気配り上手な人だった。
ニヤニヤしながら先輩は言う。
「もう、なんかセクハラっぽいですよ」
冗談で返したつもりだったけど、先輩はじっとあたしを見つめる。
「なんだ、なんだ。茉莉花らしくねーなー。なんか目が死んだ魚みたいだぞ」
あくまでも、明るく接してくれようとする先輩。でも、なんか見透かされてる気がして心地悪かった。
「それより先輩、なんでここに?」
そうだ、先輩はもうこの会社にいない。転職して辞めて行ったのだ。
「ちょっと、部長に用があってさ。茉莉花に会えると思ってなかったけどな」
あははと笑う先輩。あたしも微笑んでみたものの、頭が痛くて辛くなってきた。
先輩はそんなあたしの様子を察したのか、ぽんぽんと肩を軽く叩いた。
「せっかく久しぶりに会ったし、今夜飲みに行くか?体調悪けりゃ良いけど。お前なんか吐き出したい顔してるぞ」
なんでこの人はあたしのことわかるんだろう。
ううん、あたしのことだけじゃなかった。
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