トライアングル

五嶋樒榴

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久利・接近

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キス?扱い?
そりゃ1年近く付き合えば変わらないか?
俺は元々マメな奴でもないよ。
それで変わったからって、浮気疑うか?

「ごめん、俺、もう本当に無理。疑われながら付き合えない。茉莉花だって、疑う相手と一緒にいたい?」

俺の言い方におかしな事はないはず。
もう、疲れてる。
俺は。

『別れるのはイヤ!昔みたいにあたしを愛して!』

もう無理。どんなに可愛い声で言われても。

「何度かやり直せたよね。でも茉莉花がそれを許さないからこじれた。俺が本当に浮気してたら、俺はこんなに茉莉花に不信感持たない。本当に浮気してたら、茉莉花とこんな話をしてない。信じてもらえないなら、もう、一緒にいられない」

俺の疲れた声に、茉莉花はまたふふふと笑う。

『一緒にいてくれないなら死ぬわ。久利が居なくなるなら、生きてても仕方ないもん』

ああ、お決まりのセリフ。

「もう、俺も逃げないから。今から会おう。こんな風に不毛なやりとりはもう辞めよう。会って話がしたい」
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