僕と貴方と君と

五嶋樒榴

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3人でとっても幸せすぎます。

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渋滞に遭いながら、夜中近くに優星のマンションに到着した。
流石に優星も美峰も疲れていたが、王子様はもうスヤスヤとお休みになっていた。

「…………クッソー!なんで負けたかな!」

悔しくて優星はソファにうつ伏せで横になる。
美峰は困って笑うしかなくて、優しく優星の髪を撫でた。

「約束だから仕方ないよ。ちゃんと明日と明後日僕が面倒見るから、優星君は飲み会楽しんできて」

美峰はそう言って微笑む。

「せっかくの休みに美峰と明星をふたりきりにするのがやだ。美峰も甘いよ!ダメだと跳ね除けてくれれば良いのに!」

明星のあの目を見てダメだと言えるほど美峰は鬼になれなかった。

「たった1泊だよ。明星君だって優星君に楽しんできてもらいたいんだよ」

美峰がなだめると、優星はガバッと起き上がり美峰の頭を引き寄せキスをした。

「それは分かってるけど、やっぱりやだ。美峰のベッドに明星が一緒に寝るんでしょ?」

唇が離れると優星はごねる。

「…………だってベッドしかないし」

真っ赤になって美峰は言う。
優星は再び美峰の唇を求め、吸い付くように舌を絡ませる。
ちゅぷッと下唇を吸って離すと美峰を抱きしめた。

「なんでも明星が先に取る。お風呂も寝るのも」

「僕の大事な初めては優星にあげたでしょ」

そう言って美峰は恥ずかしくなる。

「うん。でもやだ。美峰のベッドに俺以外が寝るのは明星でもヤダ」

だだをこねる優星が愛おしい。美峰も優星をキュッと抱きしめる。

「…………朝まで俺のベッドに寝て。そうしてくれたら明星のことも許す」

優星は、自分がジャンケンで負けたことはすっかり棚に上げて美峰に甘える。

「…………もう。明星君にバレても知らないよッ!」

「どうせ、俺の部屋で寝たことくらいしかバレないから良い」

「もぅ。甘えん坊」

クスクス笑いながら美峰は言う。

「甘えたいの。甘えさせて。美峰に甘やかされたい」

ここまで言われて跳ね除けられる根性はゼロだった。
それよりも美峰も朝まで優星と過ごしたい気持ちの方が上だった。

「良いよ。たっぷり甘やかせちゃう」

美峰は優星にキスをした。

「美峰が先にシャワー浴びて。じゃないと寝ちゃいそう」

正直この数日ハードだったので、優星も疲れが溜まっていた。

「無理しなくて良いからね」

美峰はそう言うと先にシャワーを浴びに行った。
優星はひとりになると眠気が襲ってきて、どうしても目を瞑りたくなる。


 よし!
 これしかないよね!


優星は自分に言い聞かせると、シャワーを浴びる美峰の元に乱入する事にした。
洗面所で手早く服を脱ぐと、ガラッとドアを開けた。
シャワーを浴びていた美峰はびっくりして目が点になる。

「え?」

美峰は小さく声を出すと、乱入してきた優星を見つめる。

「待ってたら寝ちゃいそうだったから」

優星はズンズンと美峰のそばによる。

「ゆ、優星、君。あ、あのッ!」

びっくりする美峰に優星は抱き付く。

「一緒に浴びれば時短でしょ。目も覚めるし」

「…………もう、優星君は。無理しなくて良いのに」

抱きしめ合うと美峰は呟いた。

「違うよ。俺がこうしたいの。少しでも長く美峰といたい」

美峰は嬉しすぎて優星に笑顔を向ける。

「僕が身体洗ってあげる」

「うん。お任せします」

優星はにっこり笑うと、美峰の手で泡だらけにされた。
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