僕と貴方と君と

五嶋樒榴

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今度は夏休みの計画です。

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 優星君と明星君と一緒に住む?
 確かに、前にも冗談ぽく言われて、そんな風に思われて嬉しいと思ったけど、今度は冗談とかじゃないよね。
 そりゃ僕だって嬉しいし、一緒に住みたいって思う。 
 でも、怖い。
 まだ付き合って3ヶ月。
 この先も優星君の気持ちは変わらない?
 明星君だってもっと大きくなれば、僕が一緒に住む事に不審がる時が来るかもしれない。
 まだ答えを出すのは早いよ。
 ふたりを信じてないわけじゃない。
 だけど、まだ怖い。


美峰はそう思うと、素直に一緒に住みたいとは、やはり即決できなかった。

「柊木さん。1番に電話です」

女性事務員さんの声に、美峰はハッとすると電話に出た。

「はい、お電話代わりました。柊木です」

仕事中だった事を思い出し、仕事モードに切り替わる。

「かしこまりました。では、明日お越し下さい。ご要望に添える物件を一緒に探しますので」


 一緒に。


自分が言った言葉でドキンとする。
幸せになる家を探しに、お客さんは日々美峰達の元に訪れる。
美峰もずっとこの先も幸せになりたいと思った。
優星と一緒にずっと仲良くお付き合いがしたい、明星と一緒に楽しく暮らしたいと思った。
ただその決断を下すのは時間がかかりそうだと思った。
そしてそれを優星に美峰は電話で伝えた。

『大丈夫だよ。別に俺も焦ってないから。今すぐって話じゃないよ。ただ、大型連休ぐらいしか休みも合わないし、美峰ともっと一緒にいたいって俺のわがままだし』

「わがままなんかじゃない!僕だって嬉しいんだよ!でも正直怖いの」

美峰は隠し事はできないと思って素直に告白した。

『…………怖いって思うのも分かるよ。でも俺は約束する。この先もずっと…………この先は電話で言いたくない』

優星の言葉に、美峰は赤面する。
大事にされてると分かっているから。

『時間がかかってもいいよ。でも信じて。本当にいっときの気持ちじゃないことは』

優星は美峰が喜ぶことしか言わない。
それでも臆病になるのは、恋愛経験が少ないことと、優星を愛しすぎているから。

『美峰と一緒に住みたいこと、明星には言ってないから安心して。だから、気持ちが固まるまで今まで通り普通にして欲しい』

優星の優しさがよく伝わる。

「ありがとう。ちゃんと前向きに考えてるから。優星君に一緒に住みたいって言われたの、本当に嬉しくて堪らないんだから」

美峰の言葉に優星もホッとした。
優星も真剣に美峰との未来を考えているからだった。
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