僕と貴方と君と

五嶋樒榴

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旅行のおやつはひとり300円までです。

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ご機嫌斜めの明星のご機嫌直しに、美峰は優星とふたりきりになるために、早目に明星と布団に一緒に入った。
明星が好きなたまご船長の本を読んであげて、明星が隆と遊んだ話も笑顔で聞いてあげた。
時計が22時を過ぎる頃、ようやく明星は目を閉じて、スゥスゥと寝息を立て始めた。

「寝たよ」

美峰が和室から出てくると、我慢の限界の優星は、美峰の手を握って引っ張りソファに押し倒した。

「優星君ッ」 

優星は美峰に激しくキスをする。

「もう、ずっとイライラしてた。すっごく時間が経つのが遅くて」

ムッとしながら優星は言うと、また美峰の唇を奪う。

「んんッ!んッ」

クチュクチュと舌を絡ませ、優星はキスが止まらない。
しばらく美峰の唇を貪ると、スウェットの上着の中に優星は手を入れた。

「触りたい。美峰さんの肌に」

美峰は優星の掌が肌を這い、親指が乳首に当たるとピクンッとした。
声が出そうになって、美峰は手で口を塞ぐ。
気持ち良くて、泣きそうになる。

「美峰さんの肌、スベスベです。ずっと触っていたい」

「んんッ。んんん」

美峰は悶えながら、優星の指に翻弄される。

「可愛い、そんな顔されたら、もう」

優星は美峰の手を退けるとまたキスをする。
唇を刺激されて、肌を掌で刺激され、美峰は真っ赤になって震える。

「……………ッだ」

ガバッと優星は上体を起こす。

「ん?」

美峰は優星が何を言ったのかと見つめる。

「これ以上、したら、我慢マジできなくなる」

優星は美峰を抱きしめる。

「……………辛くない?本当は……………僕が、手とかで」

美峰が照れながら言いかけると優星は唇を塞ぐ。もうその先を言わせないようにしている。

「……………美峰さんに、代わりにそう言うことして欲しいって思ってない。俺こそ、美峰さんを待たせてごめん」

優星の優しさに、美峰は愛されてる実感で幸せで胸がいっぱいになる。

「待たせてないよ。僕だって正直、自信ないし。優星君がいつか、僕とそう言うこと……………僕を抱きたいって思ってくれるまで、僕はいつまでも待てるよ」

美峰の言葉に、優星は心臓がバクバク言う。
自分に抱かれたいと思ってくれてるのが嬉しくて堪らない。

「もう、大好き過ぎるッ」

優星は美峰をギュッと抱きしめた。
少しずつ、少しずつ、ふたりの想いは前進している気がした。
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