僕と貴方と君と

五嶋樒榴

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旅行のおやつはひとり300円までです。

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2日の朝、美峰は目が覚めるとスマホに指を滑らせた。
時刻は7時。

【おはよう。まだ寝てるかな?9時ぐらいにお邪魔しても大丈夫?早いかな?】

しばらくすると優星から返事。

【おはよう、美峰さん。早くないですよ。今直ぐにも来て欲しい。今日から6日まで旅行も含めて着替えの荷物多いでしょ?迎えに行きましょうか?】

歯磨きをしながら優星の返事を読んで、口を濯ぐと直ぐに美峰は返信をする。

【旅行は僕の車で行こうと思ってたから荷物は大丈夫だよ。ただ、その近所に都合のいい駐車場が無いから、4日の出発の朝、僕のマンションに寄ってもらうことになるけど大丈夫?】

優星はそれを読んで、そうだったんだと理解した。布団の中でLINEのやり取り。

【美峰さんの部屋の中も見たいな】

やっぱりそう来たかと美峰は笑う。
昨日も部屋を念入りに掃除して良かったと思った。

【優星君と明星君を部屋にご招待します。1LDKだからそんなに広くないけど】

LINEをひとまず終えると、美峰は出かける準備を始めた。
優星は布団から上体を起こすと、明星を揺り起こす。

「明星起きて。美峰さんが9時に来るよ」

美峰と言う言葉に明星が反応した。

「あ、そうだ!お泊りが増えたんだったね!」

明星は嬉しくてパッと起き上がる。
学校の日も毎日こうだったら良いのにと優星は微笑んだ。

「4日の旅行の前には、美峰さんの家にもちょっとお邪魔することになったからね」

朝食の席で優星が伝えると、明星はびっくりした顔で優星を見る。

「え?どうして?」

不思議そうな顔の明星。

「今回の旅行は、美峰さんの車で行くんだって」

それを聞いて明星は目を輝かせる。

「やったー!僕、助手席!美峰君の隣は僕だからね!」

すっかり明星は舞い上がっていた。
早く美峰が来ないかと、一気に朝食を平らげた。
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