僕と貴方と君と

五嶋樒榴

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★明星君と隆君★

その1

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「おい、明星!」

明星を呼ぶ隆の声に明星は振り返る。

「隆君。何?」

明星はちょっとだけ嫌な顔で隆を見る。
隆はいつものように、ふたりの仲間を連れて明星の前に現れた。
明星はヤレヤレという顔で相手をする気にもなれない。

「…………」

明星の顔に隆は何も言い返せなくなる。

「明星君に、何の用なの?」

「いっつも明星君に意地悪するよね!」

「先生に言いつけてやる!」

明星の周りにいた女子が口々に隆を口撃する。

「いっつも女子ばっかに囲まれてー。女としか遊べないオーカーマー」

隆はそう言って逃げ去っていく。

「バッカじゃないのー隆君」

「明星君がモテるから僻んでるんだよー」

「全くガキだよねー」

女子は辛辣なセリフを投げつける。

「なんなんだろう」

毎回隆が絡んでくるのが意味不明で、そう言ってキョトンとする明星。

「明星君は気にしなくて良いよー」

「そうだよ。子供は放っておこう」

女子達はそう言って明星を囲む。



 もー!俺のバカバカ!どーして明星に素直に遊ぼうって言えないんだよー!
 …………明星と遊びたいだけなのに。


今日もひとり自己嫌悪になる隆だった。
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