僕と貴方と君と

五嶋樒榴

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ゴールデンウィークがスタートしました。

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しばらく抱きしめ合っていたが、優星が美峰の髪を撫でると、その気持ちよさに美峰はこのまま優星の腕の中で眠ってしまいたかった。

「美峰さん身体ポカポカしてる。気持ち良い。まるで子供みたいだ」

嬉しそうに優星は言う。

「優星君が抱き締めてくれて、気持ち良いから。優しい優星君が好き。僕もあったかい気持ちになる」

美峰の言葉に優星は癒される。
つい勢いでコンドームとローションを買ってきてしまったが、自分だけでなく美峰の気持ちもちゃんと考えなくてはと思った。


 良いよね。
 いつか、そんな日が来たら、俺が美峰さんを抱く立場になっても。
 …………ダメかな。
 やっぱりちゃんと確認しておくべき?
 その時になって、美峰さんが俺を抱く方を望んでいたら?
 んー、どっちだ?
 ダメだ、モヤモヤする。


「優星君?どうしたの?顔がすっごく真剣なんだけど」

優星の腕の中の美峰が下から優星の顔を見つめる。

「あッ、いえ、その…………」

優星はドキッとして口籠る。

「眠くなってきた?」

美峰は尋ねるとゆっくり優星から離れる。
優星は口に手を当て、何か言いたげに美峰を見た。

「優星君明日も仕事だし、そろそろ寝ようか?優星君にいっぱい抱き締められてキスもして、僕も嬉しかったし」

頬を染めて美峰は言う。その愛らしい姿に優星は思った。


 大丈夫だ。
 美峰さんのキャラで、俺を抱きたいとは思ってないはずだ。
 いつも抱きしめるのは俺だし。
 美峰さんは絶対受け身だ。
 俺がちゃんとリードしないとダメだ。


頭の中でゴチャゴチャと優星は1人で考え込んでいる。

「あのッ。今夜は、もう、寝ましょう」

真っ赤になって優星は言うと、再び美峰に軽くキスした。

「これからも、いっぱい抱き締めてキスして良いですか?っていうか、会う度にしたい」

真っ赤なまま優星は美峰に告白する。
美峰も真っ赤になって頷く。

「僕も、優星君に抱き締めて欲しい。キスもいっぱいしたい。まだ始まったばかりだけど、この関係を大切にしたいんだ」

美峰の言葉に優星はホッとした。

「はい。俺もです。美峰さんがとっても大切だから、いつも優しく抱き締めたい」

優星は確信した。
いつかそんな日が来ても、何も怖く感じない時が来ると信じられた。
今は焦らず、少しずつ、美峰との関係をずっと続けていけたらと思った。
和室で眠る明星の隣に、美峰が寝るのを優星は見届けた。

「美峰さん。おやすみなさい」

「おやすみなさい」

美峰が嬉しそうに微笑む顔を見て、優星は静かに和室の扉を閉めた。
美峰は明星の寝息を聞きながら、今夜も楽しく優星と過ごせたのが幸せで、もう紙袋の中身を気にするのはやめようと思った。
優星に大切にされているのが、よく分かった夜だった。
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