僕と貴方と君と

五嶋樒榴

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恋人同士になっちゃいました。

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明星を寝かしつけると、優星は美峰に電話をかけた。

『……そう。そんなことがあったんだ。でも、明星君にとっては良いことだと思うよ。慣れるまで心配だろうけど』

美峰の言葉に優星は癒される。

「うん。美峰さんにも話せて良かったです」

美峰は赤面した。

『僕は聞くだけしかできないから』

遠慮がちに美峰は言う。

「聞いてくれるだけで良いんです。今までこんな話、誰にもできなかったから。美峰さんに聞いてもらえて嬉しいです」

本当に優星は嬉しかった。
美峰の存在が、優星にとっては癒しであり居心地がいい。

『僕にできることは何でも言ってね。僕も優星君と一緒に明星君の力になりたいから』

美峰の優しい言葉に、優星は顔が緩む。

「美峰さん。大好き。早く美峰さんに会いたいです」

最近、仕事で顔を会わす機会がないので、声を聞いてるだけで、優星は美峰に会いたくて仕方ない。
美峰ももちろん同じ気持ちだった。

『僕も大好き。でも不思議。優星君と付き合ってるって、まだちょっと信じられないと言うか、夢みたいで』

恥ずかしがりながら美峰は言う。
優星が恋人だと思うと擽ったい。

「夢じゃないです。今朝も夢だと思ってたでしょ?」

笑いながら優星は言う。

『だって!』

ムキになって美峰は声を出す。

『…………僕のカミングアウトも受け入れてくれて本当に嬉しかったんだ』

美峰は照れながら言う。

「気付かなかったなぁ、美峰さんの気持ち。俺に一目惚れしててくれてたなんてさ。それならもっと親しくして欲しかったな」

拗ねるように優星は言う。

『だって!近づき過ぎて、自分の気持ちバレるの怖かったもん!…………仕事だけの繋がりだけだと思ってたし』

少し前までの、ふたりの関係を思い出して美峰は言う。

「俺はずっとずっと美峰さんに憧れてた。でも、この数日、美峰さんと過ごすうちに、美峰さんが好きだって気付いた」

優星の言葉が、美峰は嬉しくて堪らない。両思いになれたことが嬉しくて泣きそうだった。

「まだ、俺、美峰さんに待っててもらうかもしれないけど、ガキみたいな恋愛しか出来ないけど、これからも美峰さんを大切にする」

優星の言葉に嘘がないのがよく分かる。

『僕は、優星君と一緒に居られればそれで良いんだ』

美峰の言葉に優星はホッとしながらも、聞きたくて仕方がないことがあった。
それは、今まで男と付き合ったことがあったのか。
童貞と言っていたけど、それは男も含まれているのか。

「美峰さん…………今度家に泊まりにきた時たくさん話したい。もっともっと、美峰さんを知りたい」

優星が知りたいことが何なのかわからないが、尋ねられたら素直に答えようと思った。

『僕も優星君をもっと知りたい。お互いもっと深めていけると良いな』

美峰も素直に言葉にした。優星を本当に好きなんだと改めて思う。

「はい。29日すげー楽しみにしてます」

優星の声を聞きながら、美峰は早く時間が経てば良いのにと思った。
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