僕と貴方と君と

五嶋樒榴

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恋人同士になっちゃいました。

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担任麻田から電話があり、優星は内容を聞いてひとまずホッとした。

『最初はその、ご家庭のことでいじめを受けていたのかと勝手に勘ぐってしまいました。すみません。相手の子も、いじめていたわけではなく、明星君ともっと親しくなりたかったようです。学校でももちろん様子を見ますが、お兄さんにも色々ご協力をお願いするかもしれません』

優星は話を聞いて反省もした。
学校から帰ったら、祖父母を心配させないように、外での遊びは禁止していた。明星は言いつけを守り、家で祖父母と過ごしていた。
祖父母の負担にならないように、家に友達を呼ぶことも許してなかった。
休みの日も良かれと思い、自分が遊び相手になっていた。
それが原因で、友達との関わりを減らしていたんだと思った。


 過保護になりすぎてたな。
 もう2年生だもんな。
 門限をきちんと決めて、おばあちゃん達に相談するか。


その日はできるだけ早くに優星は家に帰った。
明星はいつものように祖父母と夕飯を食べ、お風呂に入っているところだった。

「お帰りなさい、優星君」

「ただいま戻りました。あの……」

優星は麻田からの電話を祖母に打ち明けた。

「ちゃんと明星にも約束させるので、お友達と遊びに行っても良いですか?あと、家に呼んでも」

優星の言葉に祖母は頷く。

「そうよね、もう2年生だものね。お友達の家に行ったり、家に呼んだりする頃よね。どこに行くか伝える事と、5時には家に帰ってくるなら私は良いわよ。明星もそうやって成長するんでしょうから」

祖母の意見に優星も頷いた。

「あ、にーちゃん、おかえり!」

祖父とお風呂に入っていた明星がリビングに戻って来た。

「ただいま。あのね、明星」

「にーちゃん!僕、明日から友達の家に遊びに行っても良い?隆と約束したんだ!明日は学校から帰ってきたら遊ぼうって!」

明星は少し緊張しながら優星に言う。
優星はそれを聞いてフッと優しく笑った。

「そのことでおばあちゃんとも話してたんだ。担任の先生から電話があってね。ちゃんとおばあちゃんに行き先を言うことと、5時には必ず帰るなら遊びに行って良いよ」

優星が言うと、明星はパァッと明るい顔になった。

「約束する!」

「あと、危ないところには行ったらダメだよ。絶対約束守れよ」

優星が明星の濡れた髪をタオルでゴシゴシと拭きながら言う。

「分かってるよ!僕、ちゃんと約束守るよ!」

嬉しそうな明星を見て、優星も明星の成長がまた楽しみになった。
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