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恋人同士になっちゃいました。
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美峰は営業所に着くと、今日の予定をチェックして、売買契約書の作成に取り掛かる。
「おはよう」
所長の久世も出勤してきた。
事務の女性が久世にコーヒーを入れる。
「柊木、ちょっと」
美峰は久世の前に立つ。
「来週の仲介の件なんだけどさ」
仕事の説明を一通り受け、美峰は了承する。
「………なんか良いことあった?」
久世は美峰をジッと見つめる。美峰はドキンとして久世を見る。
「なんですか?急に」
焦りながら美峰が言うと久世はフッと笑う。
「それ、こっちのセリフ。なんか顔がいつもと違うよん。良いことありましたって顔してるし」
鋭いと美峰は思った。
「いえ、別に、そんな事も」
美峰は誤魔化そうとする。
「春だもんな。ま、そんな季節だよな」
含みのある言い方で美峰を弄る。
久世は38歳だが、まだ未婚で恋人も現在いる雰囲気でもない。
それもあってか人の恋愛に興味がある感じだった。
「……………………勘弁してくださいよ」
自分でも分かりやすいと思いながら美峰は真っ赤になった。
「結婚式、楽しみにしておくわ」
ふふふと笑いながら久世が言うと、美峰は参ったなと思いながら前髪を掻き上げた。
結婚ね。
所長のその楽しみはこの先もないけどね。
美峰は作り笑いで誤魔化して自分の席に着いた。
他人からどう思われようと、今は優星と明星との時間が幸せなのでそれで満足だった。
「おはよう」
所長の久世も出勤してきた。
事務の女性が久世にコーヒーを入れる。
「柊木、ちょっと」
美峰は久世の前に立つ。
「来週の仲介の件なんだけどさ」
仕事の説明を一通り受け、美峰は了承する。
「………なんか良いことあった?」
久世は美峰をジッと見つめる。美峰はドキンとして久世を見る。
「なんですか?急に」
焦りながら美峰が言うと久世はフッと笑う。
「それ、こっちのセリフ。なんか顔がいつもと違うよん。良いことありましたって顔してるし」
鋭いと美峰は思った。
「いえ、別に、そんな事も」
美峰は誤魔化そうとする。
「春だもんな。ま、そんな季節だよな」
含みのある言い方で美峰を弄る。
久世は38歳だが、まだ未婚で恋人も現在いる雰囲気でもない。
それもあってか人の恋愛に興味がある感じだった。
「……………………勘弁してくださいよ」
自分でも分かりやすいと思いながら美峰は真っ赤になった。
「結婚式、楽しみにしておくわ」
ふふふと笑いながら久世が言うと、美峰は参ったなと思いながら前髪を掻き上げた。
結婚ね。
所長のその楽しみはこの先もないけどね。
美峰は作り笑いで誤魔化して自分の席に着いた。
他人からどう思われようと、今は優星と明星との時間が幸せなのでそれで満足だった。
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