32 / 130
ゴールデンウィークが楽しみなんです。
1
しおりを挟む
予約票の紙をジッと見つめていた明星が、パァッと笑顔になって美峰を見る。
「美峰君!本当?本当に本当?僕、美峰君とお泊りで旅行行くの?」
嬉しそうに明星ははしゃぐ。
「うん、本当だよ!時間がなかったから、僕が勝手に決めちゃったけど、イチゴ狩りも出来るし、水族館や少し離れた場所に動物園や遊園地もあるんだよ。明星君、苺が大好きって言ってたから、ここに決めちゃったんだ」
美峰が言うと、明星はきゃあきゃあ言いながら美峰に抱きつく。
「イチゴ狩りしたい!僕、いっぱい苺食べる!100個食べる!」
大喜びの明星とは正反対に、優星は静かだった。
「葉山君、怒ってる?勝手に決めちゃって。迷惑だった?」
美峰はシュンとなって優星に尋ねる。
「……………違うんです。柊木さんの行動力が凄いなって。俺は、何も考えてなかったから。明星を何処かに連れて行こうって考えてはいたけど、何も計画立ててなかったし」
仕事と明星の世話に追われ、ゴールデンウィークを全く考えてない自分を優星は恥じた。
「じゃあ、それを僕が補ったってことで良いんじゃない?葉山君は毎日自分以外のことも一生懸命してるんだもん。だから葉山君のお手伝いを僕はしたいんだ。僕は、明星君と葉山君が喜んでくれるのが嬉しいから」
美峰の笑顔と優しい言葉に、優星は嬉しくて涙が出そうになった。
「にーちゃん、毎日ありがとう」
美峰の言葉に影響されたのか、明星が優星に感謝の言葉を言う。
優星はその言葉にもう我慢できずに明星を抱きしめた。
「明星!俺こそありがとうね!明星がいるからにーちゃん頑張れるし!」
泣きそうになるのを、明星を抱きしめることで優星は我慢した。
美峰に涙を見せたくないのが理由だった。
「………にーちゃん、もうそろそろ離して。僕、美峰君以外には、抱っこされたくないから」
優星は明星のつれない言葉にガッカリした。
せっかくの感動も、音を立てて崩れて行った。
美峰は2人の姿を見守っていたが、優星のガッカリした姿に申し訳ない気持ちになって苦笑するしかなかった。
「美峰君!本当?本当に本当?僕、美峰君とお泊りで旅行行くの?」
嬉しそうに明星ははしゃぐ。
「うん、本当だよ!時間がなかったから、僕が勝手に決めちゃったけど、イチゴ狩りも出来るし、水族館や少し離れた場所に動物園や遊園地もあるんだよ。明星君、苺が大好きって言ってたから、ここに決めちゃったんだ」
美峰が言うと、明星はきゃあきゃあ言いながら美峰に抱きつく。
「イチゴ狩りしたい!僕、いっぱい苺食べる!100個食べる!」
大喜びの明星とは正反対に、優星は静かだった。
「葉山君、怒ってる?勝手に決めちゃって。迷惑だった?」
美峰はシュンとなって優星に尋ねる。
「……………違うんです。柊木さんの行動力が凄いなって。俺は、何も考えてなかったから。明星を何処かに連れて行こうって考えてはいたけど、何も計画立ててなかったし」
仕事と明星の世話に追われ、ゴールデンウィークを全く考えてない自分を優星は恥じた。
「じゃあ、それを僕が補ったってことで良いんじゃない?葉山君は毎日自分以外のことも一生懸命してるんだもん。だから葉山君のお手伝いを僕はしたいんだ。僕は、明星君と葉山君が喜んでくれるのが嬉しいから」
美峰の笑顔と優しい言葉に、優星は嬉しくて涙が出そうになった。
「にーちゃん、毎日ありがとう」
美峰の言葉に影響されたのか、明星が優星に感謝の言葉を言う。
優星はその言葉にもう我慢できずに明星を抱きしめた。
「明星!俺こそありがとうね!明星がいるからにーちゃん頑張れるし!」
泣きそうになるのを、明星を抱きしめることで優星は我慢した。
美峰に涙を見せたくないのが理由だった。
「………にーちゃん、もうそろそろ離して。僕、美峰君以外には、抱っこされたくないから」
優星は明星のつれない言葉にガッカリした。
せっかくの感動も、音を立てて崩れて行った。
美峰は2人の姿を見守っていたが、優星のガッカリした姿に申し訳ない気持ちになって苦笑するしかなかった。
0
お気に入りに追加
60
あなたにおすすめの小説
悩める文官のひとりごと
きりか
BL
幼い頃から憧れていた騎士団に入りたくても、小柄でひ弱なリュカ・アルマンは、学校を卒業と同時に、文官として騎士団に入団する。方向音痴なリュカは、マルーン副団長の部屋と間違え、イザーク団長の部屋に入り込む。
そこでは、惚れ薬を口にした団長がいて…。
エチシーンが書けなくて、朝チュンとなりました。
ムーンライト様にも掲載しております。
元体操のお兄さんとキャンプ場で過ごし、筋肉と優しさに包まれた日――。
立坂雪花
恋愛
夏休み、小日向美和(35歳)は
小学一年生の娘、碧に
キャンプに連れて行ってほしいと
お願いされる。
キャンプなんて、したことないし……
と思いながらもネットで安心快適な
キャンプ場を調べ、必要なものをチェックしながら娘のために準備をし、出発する。
だが、当日簡単に立てられると思っていた
テントに四苦八苦していた。
そんな時に現れたのが、
元子育て番組の体操のお兄さんであり
全国のキャンプ場を巡り、
筋トレしている動画を撮るのが趣味の
加賀谷大地さん(32)で――。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
イケメンに惚れられた俺の話
モブです(病み期)
BL
歌うことが好きな俺三嶋裕人(みしまゆうと)は、匿名動画投稿サイトでユートとして活躍していた。
こんな俺を芸能事務所のお偉いさんがみつけてくれて俺はさらに活動の幅がひろがった。
そんなある日、最近人気の歌い手である大斗(だいと)とユニットを組んでみないかと社長に言われる。
どんなやつかと思い、会ってみると……
次男は愛される
那野ユーリ
BL
ゴージャス美形の長男×自称平凡な次男
佐奈が小学三年の時に父親の再婚で出来た二人の兄弟。美しすぎる兄弟に挟まれながらも、佐奈は家族に愛され育つ。そんな佐奈が禁断の恋に悩む。
素敵すぎる表紙は〝fum☆様〟から頂きました♡
無断転載は厳禁です。
【タイトル横の※印は性描写が入ります。18歳未満の方の閲覧はご遠慮下さい。】
12月末にこちらの作品は非公開といたします。ご了承くださいませ。
近況ボードをご覧下さい。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる