14 / 26
※匂い
しおりを挟む
「ん…んっ…んあっ。」
リュートは、深い眠りから意識が徐々に覚醒すると、口付けられていることに気づく。
「ん、んっ?」
「ようやく起きたか。」
「殿下…どうして…。」
こんな夜中に来たことがなかったので、疑問を口にした。
「俺がお前を抱くのに理由など必要か?」
「いえ…。」
アーディルは、リュートの首筋に自身の顔を埋めると思いっきり息を吸う。
「この匂いだ。」
「殿下はいつもと違う匂いがします。」
正直、不快な匂いがいつもの匂いと混ざってしていた。
リュートは、いつものアーディルの匂いだけを吸い込もうとするが、匂いを分けることは到底できない。不快な匂いもまとわりつく。
「いつもなら俺のフェロモンを嗅いだだけで、ここはみっともなく膨らむのに、今日は反応が鈍いな。」
アーディルは、きゅっとリュートの陰茎を握る。
「あうっ。」
「俺もこの匂いを我慢したんだ。お前も我慢しろ。」
「あの、浴場に行きましょう。私が匂いを洗い流します。」
「ふん、洗ったくらいでは取れぬ。」
嫁いできた姫は、ベータでアルファやオメガが持っている特別なフェロモンも匂いもない。
そこで、人工的に作られたフェロモンと似た香水を付けて初夜に挑んだのだった。
しかし、その匂いはオメガのしかも番であるフェロモンを毎日嗅いでいたアーディルにとって強烈に不快な匂いであった。
すぐさま香水を落とすよう命じるが、オメガのフェロモンを抽出して混ぜたというその香水の匂いは、完全に取れず、アーディルは、アルファの矜持で何とか初夜を済ませたのだった。
その後、すぐに新婦の部屋を出て、浴場で身を清めたが匂いが移り、取れなくなってしまった。
「お前の匂いで打ち消せ。フェロモンを出すんだ。」
「どうやって、出せば…?」
「簡単だろ。気持ち良くなれば出る。」
リュートの首筋に顔を埋めていたアーディルは、おもむろにリュートの股の間に顔をうずめ、陰茎を含む。
「で、殿下!!そのようなことをしては、あああああんっ!」
口に含まれたのは、初めての夜以来なかった。あの時は何もかもが初めてで緊張して何も考えられなかった。
「そうだ、そうやってフェロモンをたくさん出せ。」
そう言うと再びじゅぼっと口に含まれた。
「ぅんっ…ふっ、んあっ、あああ!」
アーディルの陰茎に比べて可愛らしい大きさのリュートのモノは、余す所なくアーディルの口の中に入り、転がされるかのように舐められる。
「殿下、もう離してくださいっ。出ます!」
自身のモノから離そうと肩を押すがびくともしない。
「いやっ、だめっ!」
リュートは涙目になって懇願する。
奴隷が王族の口の中に放つ訳にはいかない。何も知らなかった頃と違うのだ。出さないように我慢するが、与えられる快感は止まらない。
「殿下ぁ!お願いです、で、出ちゃうっ…ああああっ!」
とうとうアーディルの口の中に白濁液をはきだしてしまう。
「あぁ、申し訳ございませんっ!」
慌てて寝台から降り、リュートは床に額ずいて謝った。
アーディルは、リュートの手のひらを取ってそこに白濁液を出す。
「いいから、それを孔に塗り込んで、こっちに来い。」
リュートがアーディルの口の中に出したことなど気にも留めず次を促す。
言われた通りに自身の白濁液を後ろの孔に塗り込んで滑りを良くし、寝台の上に上がる。
「だいぶお前だけの匂いになって来た。もっと気持ち良くなれ。」
そう言うといつも以上に執拗に口づけをし、滾った陽根をリュートの中に入れ終わりなく抽挿を繰り返す。
朝になり日が高く昇っても終わることがない。リュートは体力も限界だったが、アーディルがまだまだと言ってリュートを求めた。
「殿下…。」
喘ぎすぎて掠れた声で呼びかける。
「せめて水を飲ませてください。」
「ハミル。」
アーディルが呼ぶと心配でドアのすぐ側で控えていたハミルがすぐにやって来る。
「水を。」
ハミルが部屋を出るとそこにはアーディルの侍従が食事と飲み物を用意して待っていた。
「殿下は番様のお側にまだ居られるようですか。」
「はい。お離しになる気配がございません。」
「そうですか。」
侍従は困ったように呟く。
本来なら新婦と共に朝食を取り、陛下に婚礼の御礼に行かなければならない。
しかし、先程までいくら待っても目の前の扉は開かなかった。
もし、途中で声を掛けようものなら、首が繋がっている保証はない。
王宮で宦官以外の側仕えが番様の艶声を聞いてうっかり顔を赤くしたのを見た殿下がその者の首を刎ねたというのは有名な話だ。
侍従は、番様がこの邸に来ると聞いて真っ先に思ったのは、少しでも番様に対して粗相があれば、どんなに忠臣な者でも同じ目に遭いかねないということだった。
そのことは、リュートの身分が何であろうと使用人には、関係ないことになってしまった。
侍従は、今日は諦めるしかないと肩を落とす。
(陛下には殿下が、新婦に無理をさせて挨拶できる状態ではないと伝えておこう。)
ハミルは困り顔の侍従を置いて、カートを部屋の中に運ぶ。
それを見たアーディルは、水以外にパンと果物を要求した。
それらをリュートに手ずから与える。
「まだ終える気はないから、食べておけ。」
と言い添えて。
抱いては少しの睡眠を取り、目覚めると、体を貪りを繰り返し、それは、再び夜の闇が訪れるまで終わらなかった。
リュートは、深い眠りから意識が徐々に覚醒すると、口付けられていることに気づく。
「ん、んっ?」
「ようやく起きたか。」
「殿下…どうして…。」
こんな夜中に来たことがなかったので、疑問を口にした。
「俺がお前を抱くのに理由など必要か?」
「いえ…。」
アーディルは、リュートの首筋に自身の顔を埋めると思いっきり息を吸う。
「この匂いだ。」
「殿下はいつもと違う匂いがします。」
正直、不快な匂いがいつもの匂いと混ざってしていた。
リュートは、いつものアーディルの匂いだけを吸い込もうとするが、匂いを分けることは到底できない。不快な匂いもまとわりつく。
「いつもなら俺のフェロモンを嗅いだだけで、ここはみっともなく膨らむのに、今日は反応が鈍いな。」
アーディルは、きゅっとリュートの陰茎を握る。
「あうっ。」
「俺もこの匂いを我慢したんだ。お前も我慢しろ。」
「あの、浴場に行きましょう。私が匂いを洗い流します。」
「ふん、洗ったくらいでは取れぬ。」
嫁いできた姫は、ベータでアルファやオメガが持っている特別なフェロモンも匂いもない。
そこで、人工的に作られたフェロモンと似た香水を付けて初夜に挑んだのだった。
しかし、その匂いはオメガのしかも番であるフェロモンを毎日嗅いでいたアーディルにとって強烈に不快な匂いであった。
すぐさま香水を落とすよう命じるが、オメガのフェロモンを抽出して混ぜたというその香水の匂いは、完全に取れず、アーディルは、アルファの矜持で何とか初夜を済ませたのだった。
その後、すぐに新婦の部屋を出て、浴場で身を清めたが匂いが移り、取れなくなってしまった。
「お前の匂いで打ち消せ。フェロモンを出すんだ。」
「どうやって、出せば…?」
「簡単だろ。気持ち良くなれば出る。」
リュートの首筋に顔を埋めていたアーディルは、おもむろにリュートの股の間に顔をうずめ、陰茎を含む。
「で、殿下!!そのようなことをしては、あああああんっ!」
口に含まれたのは、初めての夜以来なかった。あの時は何もかもが初めてで緊張して何も考えられなかった。
「そうだ、そうやってフェロモンをたくさん出せ。」
そう言うと再びじゅぼっと口に含まれた。
「ぅんっ…ふっ、んあっ、あああ!」
アーディルの陰茎に比べて可愛らしい大きさのリュートのモノは、余す所なくアーディルの口の中に入り、転がされるかのように舐められる。
「殿下、もう離してくださいっ。出ます!」
自身のモノから離そうと肩を押すがびくともしない。
「いやっ、だめっ!」
リュートは涙目になって懇願する。
奴隷が王族の口の中に放つ訳にはいかない。何も知らなかった頃と違うのだ。出さないように我慢するが、与えられる快感は止まらない。
「殿下ぁ!お願いです、で、出ちゃうっ…ああああっ!」
とうとうアーディルの口の中に白濁液をはきだしてしまう。
「あぁ、申し訳ございませんっ!」
慌てて寝台から降り、リュートは床に額ずいて謝った。
アーディルは、リュートの手のひらを取ってそこに白濁液を出す。
「いいから、それを孔に塗り込んで、こっちに来い。」
リュートがアーディルの口の中に出したことなど気にも留めず次を促す。
言われた通りに自身の白濁液を後ろの孔に塗り込んで滑りを良くし、寝台の上に上がる。
「だいぶお前だけの匂いになって来た。もっと気持ち良くなれ。」
そう言うといつも以上に執拗に口づけをし、滾った陽根をリュートの中に入れ終わりなく抽挿を繰り返す。
朝になり日が高く昇っても終わることがない。リュートは体力も限界だったが、アーディルがまだまだと言ってリュートを求めた。
「殿下…。」
喘ぎすぎて掠れた声で呼びかける。
「せめて水を飲ませてください。」
「ハミル。」
アーディルが呼ぶと心配でドアのすぐ側で控えていたハミルがすぐにやって来る。
「水を。」
ハミルが部屋を出るとそこにはアーディルの侍従が食事と飲み物を用意して待っていた。
「殿下は番様のお側にまだ居られるようですか。」
「はい。お離しになる気配がございません。」
「そうですか。」
侍従は困ったように呟く。
本来なら新婦と共に朝食を取り、陛下に婚礼の御礼に行かなければならない。
しかし、先程までいくら待っても目の前の扉は開かなかった。
もし、途中で声を掛けようものなら、首が繋がっている保証はない。
王宮で宦官以外の側仕えが番様の艶声を聞いてうっかり顔を赤くしたのを見た殿下がその者の首を刎ねたというのは有名な話だ。
侍従は、番様がこの邸に来ると聞いて真っ先に思ったのは、少しでも番様に対して粗相があれば、どんなに忠臣な者でも同じ目に遭いかねないということだった。
そのことは、リュートの身分が何であろうと使用人には、関係ないことになってしまった。
侍従は、今日は諦めるしかないと肩を落とす。
(陛下には殿下が、新婦に無理をさせて挨拶できる状態ではないと伝えておこう。)
ハミルは困り顔の侍従を置いて、カートを部屋の中に運ぶ。
それを見たアーディルは、水以外にパンと果物を要求した。
それらをリュートに手ずから与える。
「まだ終える気はないから、食べておけ。」
と言い添えて。
抱いては少しの睡眠を取り、目覚めると、体を貪りを繰り返し、それは、再び夜の闇が訪れるまで終わらなかった。
20
お気に入りに追加
292
あなたにおすすめの小説
お世話したいαしか勝たん!
沙耶
BL
神崎斗真はオメガである。総合病院でオメガ科の医師として働くうちに、ヒートが悪化。次のヒートは抑制剤無しで迎えなさいと言われてしまった。
悩んでいるときに相談に乗ってくれたα、立花優翔が、「俺と一緒にヒートを過ごさない?」と言ってくれた…?
優しい彼に乗せられて一緒に過ごすことになったけど、彼はΩをお世話したい系αだった?!
※完結設定にしていますが、番外編を突如として投稿することがございます。ご了承ください。
僕は超絶可愛いオメガだから
ぴの
BL
オメガとして生まれた春人は、小さい頃から可愛い可愛いと周りに言われて育ったため、めちゃめちゃ自覚ありの容姿端麗オメガに成長した。
αのためのエリート学校にオメガ特別枠で入学した春人の目的は、将来、悠々自適に暮らすためにαの中でも特に優秀な者を伴侶にすること。
オメガの中でも特に優れている自分の容姿を武器に打算で目ぼしい者に近づくつもりが、学校一の優秀αの城之内 直哉はそういう訳にはいかなくて…。
説明が長くなるので、本編で、オメガバースの説明をしていません。すみません!
こじらせΩのふつうの婚活
深山恐竜
BL
宮間裕貴はΩとして生まれたが、Ωとしての生き方を受け入れられずにいた。
彼はヒートがないのをいいことに、ふつうのβと同じように大学へ行き、就職もした。
しかし、ある日ヒートがやってきてしまい、ふつうの生活がままならなくなってしまう。
裕貴は平穏な生活を取り戻すために婚活を始めるのだが、こじらせてる彼はなかなかうまくいかなくて…。
こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡
なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。
あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。
♡♡♡
恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!
ミルクの出ない牛獣人
斯波良久@出来損ないΩの猫獣人発売中
BL
「はぁ……」
リュートスは胸に手をおきながら溜息を吐く。服装を変えてなんとか隠してきたものの、五年も片思いを続けていれば膨らみも隠せぬほどになってきた。
最近では同僚に「牛獣人ってベータでもこんなに胸でかいのか?」と聞かれてしまうほど。周りに比較対象がいないのをいいことに「ああ大変なんだ」と流したが、年中胸が張っている牛獣人などほとんどいないだろう。そもそもリュートスのように成体になってもベータでいる者自体が稀だ。
通常、牛獣人は群れで生活するため、単独で王都に出てくることはほぼない。あっても買い出し程度で棲み着くことはない。そんな種族である牛獣人のリュートスが王都にいる理由はベータであることと関係していた。
獣人王と番の寵妃
沖田弥子
BL
オメガの天は舞手として、獣人王の後宮に参内する。だがそれは妃になるためではなく、幼い頃に翡翠の欠片を授けてくれた獣人を捜すためだった。宴で粗相をした天を、エドと名乗るアルファの獣人が庇ってくれた。彼に不埒な真似をされて戸惑うが、後日川辺でふたりは再会を果たす。以来、王以外の獣人と会うことは罪と知りながらも逢瀬を重ねる。エドに灯籠流しの夜に会おうと告げられ、それを最後にしようと決めるが、逢引きが告発されてしまう。天は懲罰として刑務庭送りになり――
オメガパンダの獣人は麒麟皇帝の運命の番
兎騎かなで
BL
パンダ族の白露は成人を迎え、生まれ育った里を出た。白露は里で唯一のオメガだ。将来は父や母のように、のんびりとした生活を営めるアルファと結ばれたいと思っていたのに、実は白露は皇帝の番だったらしい。
美味しい笹の葉を分けあって二人で食べるような、鳥を見つけて一緒に眺めて楽しむような、そんな穏やかな時を、激務に追われる皇帝と共に過ごすことはできるのか?
さらに白露には、発情期が来たことがないという悩みもあって……理想の番関係に向かって奮闘する物語。
オメガな王子は孕みたい。
紫藤なゆ
BL
産む性オメガであるクリス王子は王家の一員として期待されず、離宮で明るく愉快に暮らしている。
ほとんど同居の獣人ヴィーは護衛と言いつついい仲で、今日も寝起きから一緒である。
王子らしからぬ彼の仕事は町の案内。今回も満足して帰ってもらえるよう全力を尽くすクリス王子だが、急なヒートを妻帯者のアルファに気づかれてしまった。まあそれはそれでしょうがないので抑制剤を飲み、ヴィーには気づかれないよう仕事を続けるクリス王子である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる