僕は超絶可愛いオメガだから

ぴの

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1章 1年春〜夏

閑話 亮一も囲まれる

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 ここの所俺は一人で食堂に行くようにしていたが、今日はクラスの何人かも行きたいということで、一緒に行くことにした。
 『葉山くんがいると、αがいっぱいいても怖くない』らしい。
 身長160センチ前後の奴が多数のΩ同級生の中で俺は飛び抜けて背が高いし肩幅もあるから、頼もしく見えるだけだと思うが。

 けど、俺と一緒に食堂行ったら、こうなってしまうのだ。

 食堂に行くとこの間のαの先輩方と違う先輩達が俺を呼び止める。
「亮一くん、ハルちゃんは一緒じゃないの?」
「はい。」
「そうなんだ。」
残念そうにしながらも、
「ビュッフェ形式にしたからこっちおいでよ。」
と俺を誘う。

 ハルが食堂に一度現れてから、いつまた来てもいいように、αの方々は食堂の机をくっつけて、さまざまな料理を運んで好きなものを好きなだけ食べられるようにしてくれていたり、先に何種類かの食事と席を用意いてくれていて、すぐに食べられるようにしてくれている。
 まあ、いつも不発に終わるんだけど、『ハルのお友達』の俺はそのおこぼれに毎回あずかっているというわけだ。
「クラスメイトも一緒でいいですか?」
「いいよ、いいよ。」
同級生たちはびっくりしていたが、かっこいい先輩方に山岸は早くもポーッとなっている。
 単純なやつ。

 クラスメイトはさすがにαに囲まれて食べるのは落ち着かないらしく、Ω同士でくっついてのんびり食べている。
 先輩方はそんな彼らと下手に関わらずそっと見守ってあげている感じだ。

 なのに、何で俺だけ囲まれてるんだよ。
 肉を中心に山盛りに好きなものを乗せた皿を持って席に座ると怒涛の質問タイム。

 はいはい。またあの質問ですかね。
「ハルの好きなもの?甘い物ですよ。え?それは知ってる?ご飯系で?あいつ、あんま食わないんでよく知らないです。」

「じゃあさ、何プレゼントしたら、喜ぶかな?」
俺がそんなの知るかよ。というか、
「よく知らない人からいきなりプレゼントもらったりしたら、ビビるんじゃないですか?」
「いや、僕だっていきなり車とかマンションあげたりしないよ。財布とかそういう小物だよ。」
「いや、財布とか十分ビビります。」
「うーん。大概な子は喜ぶんだけどなー。奥ゆかしいんだね。」
いや、あんた達の世界が特殊だと思いますよ。って、車とかマンションって何!?

俺は質問されている合間にもバクバク食べる。
あーここの食堂まじうまい。
「何々?ハルくんの友達がいるの?」
ん?人増えた?

「ねえ、ハルくんのお友達、ハルくんって放課後どこにいるの?」
「いつも寮の中かその周辺にいますよ。」
と答えると、口々にハルのことを話始めた。
「えー俺達が近づけない場所に隠れてるのか。」
「なんか引っ込んじゃって可愛いよなー。」
「レアキャラ感がますます、するな。」
「でもこの間体育の授業で体育館にいるとこ見たぞ。体育着姿は、眼福!」
「まじかー羨ましい。」
「あー俺も見たことある。必死でボール取ろうとしてんだけど、うまく取れなくて顔真っ赤になってて、可愛かったぞ。」
「見てー。」

はあ、何だって俺は囲まれながらハルの話を聞かされなきゃいけないんだ。

 俺は目の前の皿を空にし、スクッと立って再び皿に料理を盛り付けて一目散にΩ専用席に逃げた。

 クラスメイトを置いて来たけど、大丈夫だろう。多分俺の見た目がΩっぽくないからどいつもこいつも俺には遠慮がないが、可愛らしい見た目のあいつらなら丁重に扱ってくれているはずだ。

 俺は、αと関わらずに生活するつもりがハルというめちゃくちゃ可愛い友達のお陰で図らずもαに囲まれてしまう。

あとで、ハルのあのふわふわの髪の毛をモフモフしてやるー!
ふん、αのヤローはΩに触ったら行けない規則だからな。Ω同士の特権行使してやるぞ!
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